〇AD&D1st、DL6: Dragons of Ice
DLシリーズの方のDragon Orbsのデータは、おそらくは上述したコアルールに既にあったOrbs of Dragonkindのアイディアを受けて設定されたと思われるが、効果の方は、それらとは全く異なっている。アイテムデータとしてはDL6モジュール(1985)(『氷壁の白竜の書』に相当)に現れる。
シナリオ文中ではDragon Orbだが、データ箇所のエントリー名としてはOrb of the Silver Dragonとなっている。氷壁で入手できるこれは赤竜が封じ込められているものとされている。ドラゴン・オーブは基本的にモジュールのプレイヤーらには背景や能力を知り制御する手段は全く無いと書かれ、少なくともDL6の時点で使用されることはあまり想定されていないらしく、記載は詳しくない。
制御できなくとも利用できる能力として、まず、オーブ表面のコマンドワードを唱えて触れた者は、魅了を回避(セーブ)する必要がある(AD&Dのエルフにはチャームへの90%の魔法抵抗力があるが、アーティファクト能力であるためか後述のローラナでもロラック王でも全く働いていない)。セーブに失敗するとオーブ内のドラゴン(赤竜)に魅了される。セーブに成功すると、33%(1d6の1-2)の確率で数ターン置きに、10-40(1d4x10)マイル以内のドラゴンがランダムな色や大きさのものが呼び寄せられてくるが、状況による(例えば氷壁なら白竜が来る等)だろうとも書かれている。呼び出されたドラゴンは、(1st-DMGのようには)オーブやその利用者に魅了や支配などはされておらず、オーブの近くにいるevilでないクリーチャーを手あたり次第に攻撃する。
小説には全く言及がないが、他に制御しなくとも使用できる能力としてはキュア・シリアス・ウーンズを1日3回(DL世界では「癒し」はまことの神々=信仰系のみによるという傾向とは対応しない)、ディテクト・マジックとコンティニュアル・ライトが無制限というものがある。これらの術者lvは11lvのマジックユーザー(1stのネームレベルであり、大魔法使の目安)相当だが、無論(魅了を含め)ディスペル時などに関連するというだけで、オーブ自体がわずか11lvのアイテムというわけではない。
〇AD&D1st、DL8: Dragons of War
DL8モジュール(1985)(『城塞の青竜の書』に相当)にも大司教の塔のオーブの説明としてデータがあるが、効果はDL6とはやや異なっている。
オーブの背景が若干明かされ(特に「竜の魂の精髄(the dragon's soul essense)」云々の用語はОD&Dや1st-DMGのOrbs of Dragonkindそのままである)完全に制御できない者も竜を呼び寄せる効果を利用できる(小説でローラナが利用)のは同様だが、効果範囲は「111マイル以内」のドラゴンとされ、魅了へのセーブに成功すると、20%でブルードラゴン、10%でレッドドラゴンが、111マイル以内にいれば呼び寄せられてくる。70%で何も起こらない。呼び寄せられたドラゴンはDL6同様にオーブ近くにいるクリーチャーを攻撃しようとするので、小説の記述の通り、大司教の塔はこのアイテムの特性に応じた構造に建造されていることが伺える。効果範囲がDL6より遥かに広くなっているのは、ルールの変更なのかオーブ個体ごとの差なのかその他状況の差なのかは定かではないが、いずれにせよDL8が大規模な戦場を扱っているという理由もあると思われる。
〇AD&D1st、DL10: Dragons of Dreams
DL10モジュール(1986)(『樹海の緑竜の書』に相当、分断したパーティーのうちタニスらシルヴァネスティに向かった方)では、エルフ王ロラックがとりつかれていたオーブの作られた背景の詳しい説明や、再度データがあるが、範囲は111マイルで同じだが呼び寄せるドラゴンが20%でグリーン、10%でホワイト、10%でブルー、60%で何も起こらないとなっている。DL8とのドラゴンの内訳差は、この時点では単にモジュールの状況の違いによるように思われる。
加えて、小説でロラック王の悪夢が広域に投影されていたMindspin能力の記述もある。最大で悪夢を見る者のInt×1マイルに投影され、近づくほど悪夢が強まっていく。ロラック王のIntは12である。本来はIntelligentな王であるという記述があるので、衰弱のためIntなどの能力値が下がっているとも考えられる。hpも18しかなく、明らかに衰弱した状態のデータである。背景説明もロラックがイスタルの上位魔法の塔で《大審問》を受けた際に持ち帰ったと小説に近い経緯になってはいるが、ロラックはFtr15/MU3であり、魔法使の方の能力もさほど高くない(MU 3lvで大審問自体は受けられる)。なお、のちの2ndのTales of the Lanceでもロラックの能力はそのままだが、3.5e d20のWar of the LanceではロラックはNoble6/Abj6/Wizard of High Sorcery6でInt17である。
悪夢を終わらせるには(小説と異なり)オーブを破壊するという手段をとることもでき、オーブはアーティファクトであるにもかかわらず(小説でDL6の方のオーブをタッスルがぶつけたホワイトストーンはおそらくは単なる岩ではなかったとはいえ)呪文等ではない物理打撃なら15%(1d20の18+)で砕くことができる。
なお、DL8やDL10の再録のDragonlance Classicsでは効果範囲は恐らく後のDragonlance Adventuresに準拠して差し替えられMindspinの記述も無い。
〇AD&D1st、Dragonlance Adventures
AD&D1stでの総合的ワールドガイドにあたるDragonlance Adventures (1987)では、なぜかエントリー名としてのアイテム名はOrb of Dragonkindの方になっており、Dragon Orbsとも呼ぶと添えられている。効果は遡ってDL6のものに近く「1d4x10マイル以内のドラゴン」、確率が「1d6の1,2で近くのランダムなevilドラゴン」となっているが、DL10のMindspinの記載はない。内容自体に追加などはなく、ОD&Dや1st-DMGと異なっているのは同様である。
DL世界の他DM用ガイド、例えばAD&D2ndのTales of the Lanceには言及はあるが、ドラゴン・オーブのデータ自体はなく、完全に制御できた場合の能力の全容も載ってはいない。
レイストリンが小説本編ではDL10のロラックのオーブを入手し、以後使用することがあるドラゴンに特に関係ない特殊能力の数々は、おそらくはAD&D1stコア側のThe Orbs of Dragonkindが持っているような不定の多数の疑似呪文能力のような発動効果があるのではないかと推測させるが、これらの書物に記述はない。
〇3.5e d20, Towers of High Sorcery
d20(小説作者らのSovereign Press社による、WotCのライセンス品)のDLシリーズでは、3.5eの設定集のDragonlance Campaign SettingやWar of the Lanceには記述はないが、Towers of High Sorcery (2004)にはメジャー・アーティファクトとして載っている。属性真なる中立、Int19, Wis12,Cha19,Ego25といったデータがある。AD&D時代の魅了効果に相当するものとしてDC25の意思セーブに成功しなければオーブに支配され、Mindspinの効果を受ける。オーブの(おそらく支配されなかった場合に利用できる)能力としては、意思セーブ(DC25)に失敗した者で、術者のカリスマ修正値x5マイル以内のクロマティック(evil)ドラゴン、カリスマ修正値x1マイル以内の種別・竜クリーチャーを呼び寄せ、また術者lvが10lv以上であればドミネイトモンスター呪文扱いで500フィート以内のドラゴンをコントロールできる。スクライング(念視)呪文を3回/日使用できる能力もある。
ただし、それ以外の能力に関しては結局「(上位魔法の塔の魔術師らにとっても)全容は不明である」と書かれ、やはり終盤レイストリンのように制御できた場合の能力については完全に記載されていない。数値処理は細かくは違うものの、DL6以来のものと基本的に類似のデータといえる。前述のように、3.Xeのコア側のDMGにはコア記載のオーブがDL側も指すとも読める示唆があるが、3.5eのDL側では別のデータが準備されている。
〇AD&D2nd、Book of Artifacts (1993)、他
一方、D&Dシリーズコアルール側に戻り、のちのAD&D2ndの基本ルールの方では、Orbs of DragonkindはDMGにこそ載っていないが、コア追加ルールのBook of Artifacts (1993)に記述があり、丸数ページにわたってかなり詳細な記述がある。背景は「竜に脅威を覚える他のクリーチャーの願いに応じて神々が竜と交渉し『人質』として取得した」「ドワーフと竜の(北方の神話めいた)対立で生じた」といったDL世界とは全く異なるものが詳細に記されているが、アイテム名がthe Dragon Orbsと称されている箇所もある。1stのようなオーブの色(元になったドラゴン)や成長段階に関連する他の様々な能力の他に、各種のオーブに共通する(基本的な)パワーとして、能動的に発動する、ドラゴンの戦闘能力を与えるものや、ドラゴンに対するdomination呪文がある(1stの魅了効果のように自動成功ではない)。なお、DL6のOrb of the Silver Dragonのキュア呪文発動に対し、この2ndコア側のSilver DragonのオーブはGreat Healing Powerを有する。
ただし、断り書きとして「ドラゴンランス(R)世界の似たアイテムとは同じものではない。それらのオーブは該当世界(DL)にのみに特有のものである」とされており、基本的にWGなどの他世界のOrbs of Dragonkindと、DLのドラゴン・オーブは完全に別なものと規定されている(見開きでDL10の表紙と同じ一枚絵、オーブとカイアン・ブラッドベインに取り憑かれてしまっているシルヴァネスティのロラック王がでかでかと載っているにもかかわらず、である)。補足的に、Dragon誌#230 (1996)のロジャー・E・ムーアの記事にはWG世界でのOrbs of Dragonkindの記載があるが、ОD&D〜Book of Artifactsの背景説明はWGのものと「強く関係がある」、Encyclopedia Magica(註:2ndまでの書物のアイテム集大成資料、DLのものも含まれ、DL6やMC4のドラゴン・オーブも記載がある)には過去orbsとして発表された物品にも「似たものがある」などと曖昧にごまかしたような記載がある。
なお、DLが一時D&Dシリーズから離れ別のシステム(SAGAシステム)に移るのはこの資料より後の1996年であるが、それ以前からDL側とD&Dコア側の距離感はやや複雑である。
すなわち、DLのドラゴン・オーブは最初期はおそらくはD&Dのコア側のルールのOrbs of Dragonkindに限られた影響を受けて作られたが、小説に記述された効果およびDLモジュールでのデータは完全な別物であり、途中では、はっきりアーティファクトとしても両者は別のものだとD&D側からも明示されたが、ライセンス的にDLがD&Dに戻った5版に至ってコア記載としても同じものだと完全に統合されたということになる。
D&D基本ルール側とDL側の相互の発祥・疎遠・接近再統合を繰り返したややこしい関係からは、こうした極めて複雑な経緯を辿っている要素は他にも多い。DL設定とコア設定の一見共通に見える要素は「D&Dとしてはどの版でも一貫して同一のものを指し、小説作者だけが一時期短期間、勝手に違うと主張していただけ」のように流布されていることがあるが、その把握が正しいとはいえない。
一方、例の今も広く知られた「ソラムニックアーマーに(中略)真っ黒の中から橙色の目がキュピ〜ン」の鎧兜の姿は、『伝説』最終巻(Test of the twins, 1986)のヴァレリー・ヴァルセックの挿画にも現れ、それ自体は前記Dragonlance Adventureより早くからも存在するが(ただし、1年差なので整理されていない事情もあると思われる。これまで述べてきたようにDL Adventuresの内容自体も同様である)、クライド・コールドウェル画のDragonlance Calender (1987)には、すでにwikipedia(en)にも引用されている画像が出てくる(キティアラがショイカン原林の手に捕まっているのを画面の横で見ている場面だが、この横の部分だけぶった切られたり、切り抜かれて「ソス卿BB素材」化され、トレーディングカード画像などに用いられていることが非常に多い)。
さらに、AD&D2ndのTales of the Lance (1992)になると、その鎧兜に加えてさらに5版のMMの例の「松明」を掲げた姿の、後姿のイラストが描かれており、この時点では、すでに現在知られているソス卿やデスナイトの姿で定着している。(ただし、同じTales of the LanceのNPCデータ箇所や、1993年の再録モジュールには、DL9の歯茎ゾンビの姿がモノクロではあるものの載ったままになっている。)
〇3.5e d20: War of the Lance
Dragonlance Campaign Settingの補足として、前述のものをcommon (footmans)と位置づけ、こちらにはmountedランスの記載がある。基本的には前述のcommonと同様だが、mountedにはアーマークラスと、ドラゴンのブレスや呪文・疑呪に対するセーブ(回避)にボーナスがある。
〇その他:5版、Fizban's Treasury of Dragons
時系列上はかなり後(2021)だが5版のコア追加ルール(フィズバンの名は冠しているが、ワールド限定ではない)にもドラゴンランスの記載があり、バハムートに縁のある強力なアーティファクトの助けをかりて作られるとなっている。5版では各ワールド汎用のバハムートとDLのパラダインは同一神格となっており、アーティファクトとはDLでは銀の腕やカーラスの槌を指すと思われるが、他ワールドに登場する場合はそれらに限らないと思われる。+3(5版での最大値)のパイクまたはランスで、ドラゴンに対して3d6の追加力場ダメージとなっている。また、近くの任意のドラゴン(乗っている場合は通常その竜と思われる)が追加の攻撃ができるボーナスがある。5版DMGの剣、ドラゴンスレイヤーもドラゴンに+3d6ダメージなので、コアマジックアイテムのベイン武器と同等の竜特攻という意味では3.5eのd20と同様だが、5版のデフレからも考えるとやや強力である。
〇AD&D1st、DL1: Dragons of Despair
「トゥーハンデッドソード+3」という記載のみで、固有名もない。またタニスが+2のロングソードを持っていたり、DL2のワームスレイヤーが同様に2Hソード+3だったりするので、ボーナスなどがDLゲーム全体でこれだけ極端に飛び抜けているわけではない。しかし、+3というのはルール上、強力なエゴアイテムに付与されていたり一定の強力な敵にダメージを与えられる段階であり、しばしばAD&Dでは「伝説的な名品」の強化ボーナスの目安なので、3-5lvのパーティーの持つ品としてはこの時点から一種別格扱いであることがわかる。
〇AD&D2nd、Tales of the Lance
「ブライトブレイド」という名、「トゥーハンデッドソード+3」のままだが反応に+2する能力、ライト呪文、プロテクションフロムイービル呪文/日、(小説本文中にも説明されているように)所有者が望まない限り破損することがない、といった特性がデータ上も追加されている。2900年前、バーセル・ブライトブレイドの時代にドワーフの手により鍛えられた等、本文や後の資料にも引き継がれた設定が述べられている。
〇3.5e d20, War of the Lance
「ブライトブレイド」の背景等の説明は2nd当時とほぼ同じだが、「+2アクシオマティック・バスタード・ソード」(混沌属性に対し+2d6ダメージ)となり、反応に+2や疑呪などは無くなっている。+3から+2にボーナスが落ちているのはパワーバランス上の調整(ドリッズトのトウィンクルが2ndの+5から3.0eで+2になったのと同様)と思われる。小説本文中には「鞘(拵え)が銀造り」である旨の記述があるのだが、この資料ではsilvery blade(銀光の刀身)となっており、本体も銀や錬金術銀であるかは定かではない。
この腕輪はアイテム自体の属性がEvilであり、Goodキャラは触れると3d10ダメージを受ける。確かに小説作中で騎士団長グンター卿はこの腕輪からダメージを受け(Tales of the Lanceによるとグンター卿は13lvの騎士でhp62だから良かったものの、d20の並の現代軍人なら3回死んでおつりがくる)タニスは「騎士の誓いか何かに関係あるのだろう」と考察していた。が、よく考えてみるとタニスも属性がNeutral "Good"なので同ダメージを受けるはずである。Dragonlance Adventuresは小説『伝説』より若干後だが、照合が間に合わなかったか単に忘れたか、データを設定した側の整合が不十分だった可能性が高い。一方、後のAD&D2ndのTales of the Lanceによると、ダメージを受けるのは「Lawful又はChaotic」Goodのキャラクターであるという意味のわからない記載に直され(やはり誓いとは関係ない)、一応Neutral Goodのタニスが使う分には問題がない。
しかし、AD&D1stのDragonlance Adventuresでは、このワンドは上述したようなD&Dシリーズのデフォルト設定のWand of Lightningの一種とは書かれているのだが、それらの基本データとは大幅にかけ離れた性能を有している。15lvの術者が発動したのと同じ威力があり、AD&D1stではLightning Boltには(2ndや3.Xe以降のような)ダメージダイス上限はないので、15lv術者が発動すればダメージは15d6で、期待値は52.5である。キティアラは15lv戦士で最大hp68だが、表紙の状態でhp34以下とすると、これをまともに食らったらまず助からない。AD&D2ndのTales of the Lanceでは、(2ndのLightning Boltの上限の)10d6ダメージで、期待値は35であり、上記の状態のキティアラに直撃すればちょうどhp-1に落ちる。タニスが手当すれば助かるが、しなければ9ラウンドで死亡し、作中の状況と一致する。
なお、このワンドは(雷雨のあった週の)1週間ごとに1チャージを回復するようになっており、ただの量産品・消耗品のWand of Lightningではないようである。なぜこんなものをダラマールは無造作に机に置いておいたのか(携帯していなかったのか)。しかし、以後、キティアラの死因となったこのワンドのその後の使用者は、使用するたびにソス卿が傍に駆けつけてくる可能性がある、とも書かれており、いくら強力といっても、プレイヤーキャラとしてはそうそう使用したいものではない。
○癒しの指輪(Dalamar's Ring of Healing)
上記のキティアラの攻撃で腕がもげかけたダラマールが発動し、一命をとりとめた際の癒しの指輪。AD&D1stのDragonlance AdventuresではDalamar's Ring of Healing、2ndのTales of the LanceではGolden Ring of Healingと記述されている。
癒しは「信仰系」能力であることはDL世界設定でも例外ではなく、作内でもしじゅう言及されている。にも関わらず、この指輪は秘術系術者が「死から逃れるための最後の手段」として携帯するもの、といずれのデータにも記載されているが、その理由(どうやって秘術系で実現しているのか、それとも実は信仰系の品なのか)はこれらの資料には全く説明がない。1stのデータではCure Light Wounds、2ndのデータでは固定6hpを回復し、回復量そのものはわずかでしかないが、hpが0やマイナスに落ちている場合は触れるだけで(つまり、前述の瀕死状態でも自分で使えると思われる)1hpまで回復できる。チャージも特殊で、これで1度癒されたことのある人物には再度効果は発揮しない。例外的なアーティファクトめいた物品のようである。
Ftr Bbn Ran Pal Cvl Clr Drd Thi Tnk Wiz
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ケンダー 6 10 6 12 6 UL
ノーム UL
シルヴァネスティ・エルフ 10 UL 12 UL UL
クォリネスティ・エルフ 14 UL 10 UL UL UL
ハーフエルフ 9 11 UL UL UL 10
マウンテン・ドワーフ UL 8 8 10 8
ヒル・ドワーフ UL UL 8 8 8 8
マイナーな種族、カガネスティ(ワイルドエルフ)、ディメネスティ(水エルフ)といった種族もすべて設定がある。
なお、最初の小説と同時期・同ストーリーのシナリオモジュール(DL1:Dragons of Despair等)の時点ではまだ上記のDragonlance Adventuresのような詳しい設定は書かれておらず、PHBのハーフリングと差し替わるケンダーについて数行の説明がある程度である。つまり、小説当初の想定(あるいは小説のベースとなった実プレイング)の時点ではPHBのデフォルト(WG世界、というには語弊がある)に近かったが、これに対して、Dragonlance Adventuresの時点でも非常に追加ルールが多い。
一般にgdgd人間ドラマで英雄的行動には程遠いキャラの多い小説のイメージから、DL世界はローパワーと信じられていることが多いが(日本のDLファンに、キャラやアイテムのルール上の強力さを、公式データの根拠を挙げて説明してもなお信じないことが多い)強力なデミヒューマンひとつとってもPHBよりも遥かにハイパワーなルールが多々ある。これは推測だが、おそらくファンがDL世界のパワーを求めたというわけではなく、作品世界の圧倒的な人気(数千万単位。なお、指輪物語が億単位、ファイナルファンタジーが百万単位、Wizardryが一万単位)故に、それほど必然性がない細部までデータ化(差別化)を行っているうちにこうなったのではないかと思われる。
上記のGold Boxの3作とアクションゲーム2作(ヒーローオブランスら2作は、銀縁の箱に入っておりSilver Boxとも呼ばれる)の他にも、ドラゴンランスのコンピュータゲームには、空戦シミュレータもどきのDragonstrikeやストラテジーのWar of the Lance、また複合ゲーム的なShadow Sorcererなどがあり、これらも実は本編との関係でかなり重要なのだが、今回はFRとの関連・比較でも重要な主要なRPGシリーズ、Gold Boxに限って話を進める。
そこで改めて調査してみたところ、案の定、一度は小説等が出きってからの、後出のAD&D2nd用のTales of the LanceにおけるStaff of Magiusのデータは、上記とは細部どころか全く違う、遥かに強力なものだった。そして、その内訳はとてもスレッドのレスでは説明しきれない非常に複雑なものになっている。