だいたいD&D系(BG等)ゲームやNWNの界隈で使用されているものだが、そうでない場合、当サイトではこういう意味だというものである。
基本用語
○NWN: ネヴァーウィンターナイツ。NWN1, NWN2でそれぞれ1と2の本体(システム)を指すが、このサイトでは単にNWNと書いた場合NWN1を指すことが多く、2のコーナーでも2の場合はNWN2と表記する。
厄介な話として、余所では単に「NWN1/2」と言った場合、エンジン(Aurora/Electron Engine)を指している場合と、「パッケージ付属の長編モジュール(オフィシャルキャンペーン、OC等)を指している場合がある。日本では(特にNWN界隈外では)後者の「OCの内容だけ」を指していると解釈されてしまうことがかなり多いが(これはツールやPnP-RPGというものに対して「RPG」であるという認識自体が根本的に欠如しているためである)一方海外でも、どちらを指すかがはっきり使い分けられていないことが多い。例えば「NWN1は名作」と言われることが多いが、Auroraエンジン及びそのツールセットが展開したコミュニティはゲーム史上屈指の重要作だが、NWN1のOCは(興味深い点は多いが)佳作と呼ぶにすら程遠い。これとは正反対に、NWN2のElectronエンジンは(当サイトで注目しているように数々の特筆すべき点はあるが)粗が多く評価もかなり低い一方で、NWN2のOC, 特にMotBの内容はRPG全体の中でも非常に評価が高い。そのため、余所の用語でエンジンかOCのどちらを指しているか読み違えると非常に不可解の念に襲われる羽目になる。
このサイトでは、NWN1/2と言った場合、いずれも「(ユーザー製を含めた)コンテンツ・ムーブメント全体」を指し、エンジンやOCのみを単独で指す場合は、個々のエンジン名やモジュール名で呼ぶ。
Never WinterではなくNeverwinterで一つの単語であり、せめてwが小文字になっている(NwN)べきところそうでないのも謎だが、海外でもこの略語になっている理由は定かでない。
Neverwinter Nightsというこのタイトルは、本体付属のOCがフォーゴトン・レルム世界の都市のひとつネヴァーウィンターを舞台としているためであるが(他の世界設定や街を舞台にしたモジュールも作れる)D&D4版でもNeverwinterという別のMMORPGがある。これらの伝統ははるか1991年にGold Box Engine (AD&D1stのゲーム)で作られた、同名のネットRPGの草分け(Neverwinter Nights AOL, NWN0)に遡る。
○Aurora Engine: NWN1のツールセットが「オーロラ・ツールセット」と言われていることからもわかるように、NWN1本体のシステム、プログラムの名は本来、"Neverwinter Nights"ではなく"Aurora Engine"である。Baldur's Gate, Icewind DaleやPlanescape: Tormentを機能させているエンジンは"Infinity Engine"、初代Pool of RadianceやChampion of Krynn等のエンジンは"Gold Box Engine"である。が、このサイトでは適当に混ぜて使うことがある。これらのエンジンそれぞれを用いた莫大なタイトルのうちわずかしか翻訳・発売されていない日本では、「BGシリーズ」だとか「初代PoRシリーズ」だとか言った方が手っ取り早いからである。日本では全く知られていないが、Aurora Engineやその改良版を使ったゲームにはNWN1以外にもWitcherシリーズや、スター・ウォーズのKnights of the Old Republicシリーズがあり、エンジンの応用範囲や定評はFR(D&Dシリーズ)やFTにすらとどまっていない。重要なエンジンだが、一説にはライセンスが厳しめであることから、オープンソースでの代替物(再現)のxoreosのようなプロジェクトも存在する。
○Electron Engine: NWN2のエンジンの名がこれである。が、そのツールセットの出来など様々な問題からか、Aurora Engineの方に比べてその名を目にする機会は異様に少ない。
〇ビルド(Build) :作成ツールでもあるNWN1/2では、サーバーやモジュール等コンテンツの構築のことを指していることも多い(特に、もっぱらマルチセッションツールとして用いていたユーザーらによる過去のコンテンツでは)が、当サイトを含め現在のユーザーら(多分に海外も含め)が単にビルドと言った場合、「キャラクタービルド」を指すことが多いと思われる。ハクスラ系CRPGなどで使用されるのと同様、レベルアップ等成長に伴う技能等の選択によるキャラの育成方針のことで、ハクスラ系の技能やツリー等がD&D系に由来している以上、当然にD&D3.XeのNWN1/2にもある概念である。おそらく海外を含め、NWN1/2はDiablo系と重なっているユーザーが多いためもあると思われるが、NWN1/2ではPnPよりも頻繁に見かける語である。
3.Xeではマルチクラス、特技、技能などの組み合わせにより膨大な育成の幅があり、方針によって同じlvのキャラでも大幅に強さや有用性が異なる。最少lvで能力を最大にするMin-Max思想はPnPの3.Xeでも根本的な概念(前述のようにPnPではビルドという語自体が誰にでも通じるとは限らない)だが、これが面倒すぎて3.Xeが嫌になりD&D4版以降に移ったり(そもそも、4版のデザインの直接の動機のひとつにこの理由がある)AD&D2ndに戻ったりするプレイヤーはPnP/CRPGともにいる。ともあれ、この3.Xeのビルドの幅が、NWN1/2(特に2)のシステムの最大の魅力のひとつであることは疑いない。
NWN1/2ともに海外のサイト、例えば両方のwikiでも多くのビルド例が紹介されている。多くは綿密に検討されており強力だが、能力が発揮できるかは多分に状況による。例えば、考察されているビルドの多くは、最大のレベル(NWN1なら40lv, NWN2なら30lv)に到達した際に最大の能力を発揮するように構築されているため、育成途中のことが考慮されておらず、OC等のモジュール(NWN1,2ともOCは20lv以下終了で、他にはそもそも10lvなどの低レベルで終了するモジュールも多い)のプレイ途中にこのビルドを真似ても何も恩恵が得られない(シングルクラス一本伸ばしの方がよっぽど強くプレイも楽しい)といったことが往々にしてある。
〇エピック級: D&D3.Xe以降はキャラクターレベル21lv以降をエピック級と呼ぶ。超人的・神話的英雄の類で、それ以前のキャラクターレベルとは大きく区別される。早い話が、判定を1d20で行い(戦士系のThac0など)1lvごとにダイス目+1分成長するD&D系では、3.Xe以前の初期から20lvがひとつの区切りであった(ルール的にどう扱っているかは版により異なる)。AD&D1st(基本ルールのテーブルはもっと高lvまで書いてあるクラスもある)、2nd、D&D3.Xeや5版などメインのルールでいずれも20lvが区切りであるが、ただし、d20に対するボーナスの計算法が異なるCD&Dや、同様にボーナスやレベル能力配分が大きく異なる4版ではそうなっていない(それぞれ36lv, 30lvで区切られている)。
NWNでのEpicの訳は、NWN1のセガ和訳では「伝説級」となっているが、NWN2の有志訳ではそのまま「エピック級」である。「伝説級」だと4版のparagon(11-20lv)の訳と混同するおそれがある(4版の21-30lvのepicの訳は「神話級」である)。
3.Xeのエピックについては、詳細は「NWN2のエピックルール」の別記事に譲るが、基本的なルールの細部も変わり、特にエピック級で習得できる「特技」にそれまでと大きく様変わりするものが多い。元のD&Dルール(特に3.0eのELH)ましてサードパーティーにはぶっ壊れたルールが多くエピック自体を非推奨・考慮外とされることもある。CRPGではNWN1/2含め、20->21lvへの到達に特に制限はないが、PnPの卓によっては特殊なイベントを必要としたり到達不可としていることもある。
NWN1/2のエピック級特技にはそれほど崩壊的なものはないが、充分に強力なものが多く、21lv以上のビルドではエピック級特技の取り方が最も重要な考慮すべき点である。特にNWN2では、21-30lvまでしかないため、どのように前提や取得を整えるか、プレステージよりも基本クラスを21lv以上に伸ばすことによるボーナス特技を取れるかどうか等に大きく左右される。
なお、日本の自称"TRPG古参"なるものには、D&Dでは20lvや36lvといった限界レベルを超えるとイモータル(不滅者)になるだとか、D&Dの神は全員そのようにイモータル化したものといった情報(しばしば、緑箱や黒箱の実際にimmortal化するためのルールすら読んでいなかったり、金箱が和訳されなかった日本での不完全なもの)や、いわゆるエピックとイモータルルールの混同などを、CD&D以外の版や他のT/CRPGの話題ですらいまだに流布し続けている者がいる。イモータルルールはCD&D及びミスタラ世界設定限定のものにすぎず、海外の本流及び以後のPnP/CRPGの参照元であるOD&D〜5版でのエピックや神格ランクのルールとは何ら関連性がないので、これらの情報は話題の対象となるCRPGが過去・現在いずれにかかわらず、何の役にも立たない。
〇Henchman/Companion/Cohort :要するにどれも「旅仲間」であり、用語としてはD&D系(PnP)の伝統的なものに由来するが詳細は省く。HenchmanはNWN1からのもので、プレイヤーキャラの後ろについてくるが、ほとんど操作することができない(モジュール等の設定で、会話等であらかじめ方針を指示する程度である)。CompanionはNWN2のもので、BGシリーズ等と同様、細かい行動や所持品、レベルアップ等もほとんどプレイヤーキャラと同様に操作できる。CohortはNWN2のSoZのもので、SoZではプレイヤーがコンパニオン相当のキャラを自分で作成できる(多人数パーティー作成)のに対して、OC/MotB同様にモジュール内で準備されたコンパニオンもいるので、それらを特にCohortと呼ぶものである。いずれも、何人参加できるかはモジュールによって異なる。
NWN2にはシステム上、操作できないヘンチマンと、操作できるコンパニオンのどちらの形態もありえるが(例えばごく一時的に加入する傭兵や依頼主など、プレイヤーキャラについてくるが操作できないキャラもおり、また広義では動物の相棒や召喚モンスターもヘンチマンといえる)その区別ははっきりしない。動作の不具合でたまにヘンチマンとコンパニオンが入れ替わったりする(コンパニオンが操作できなくなる)こともある。また、NWN2では経験値計算への影響などもモジュールによって大きく異なる。
このサイトでは、ヘンチマン、コンパニオン、Cohortを総称し、また、BG等の他ゲームについても、「ゲーム内で用意され、共に冒険が可能な加入NPC」を「旅仲間」と総称していることが多いが、無論のこと風来のシレンシリーズの用語であり、D&D系やPnPなどの用語ではない。
〇マルチ(プレイ)/シングル(プレイ) :ここでは、ネットワークを利用して同ゲーム(同環境)を複数人でプレイするのがマルチプレイ、単独プレイヤー(NWN1/2では主に自PCのみ、オフライン)でプレイするのがシングルプレイである。NWN2のモジュールのPC数(何人パーティーのPCを作成するか)とは別である。
今となってはどんなゲームでもネットを介したマルチプレイは珍しくはないが、NWN1/2ではマルチプレイが可能なことには特別な意味があった。シナリオ(モジュール)が作成可能なので、マルチプレイによって疑似TRPG(オンラインセッション)が可能であったり、MO/MMO-RPGを自作できるツールでもあったからである。
そのため、NWN1/2のシステム段階、及びOC等のモジュールともマルチプレイを意識した点が少なくない。例えばモジュールやシステムの設定で、アイテムの性能・価格によって所持可能・不可能を設定でき、サーバーに入室可能なキャラの性能を調整できるようになっている。また、ツールなどでデータを操作したキャラは区別されるフラグがつき、これも入室制限などで区別できるようになっている。(えんがちょな話だが、バグの中には普通のプレイの範疇の操作にも関わらずデータ操作済キャラフラグがついてしまうものがある。)また、特にNWN1のOCのゲームバランスが非常に緩いのは、シングル以外にもマルチプレイでメンバー編成が不定な場合を想定しているためといわれる。
かつての日本のNWN1コミュニティは、マルチプレイ(TRPGツール)側面に非常に偏っていたが、このサイトでは、マルチプレイに関してはほとんど考慮しない。データ操作済フラグがついたり、サーバーによっては入室できなくなるようなカスタマイズについても、特に断りなく紹介したりもする。このサイト自体、NWN1/2に関しては3.Xeのゲームシステムに価値を見出す立場を取り、"TRPG"の会話進行的側面は重視しないせいもあるのだが、何より日本では人口が少なすぎるので、マルチプレイの機会云々よりもシングルプレイにあたっての情報の方が有益と思われるためである。(主にNWN1の)マルチプレイに関しては今も残っている他サイトを参照されたい。
○OC: オフィシャルキャンペーン、本編。NWNや2のパッケージに付属しているモジュールのこと。特に、OCといった場合、オフィシャルなモジュールでも拡張パッケージ(NWN1のSoUやHotU、NWN2のMotBやSoZ)ではなく、システム本体の付属モジュールのことが多い。
NWN1/2のOCは元は「オフィシャルキャンペーン」以外に特に題名がないが、NWN1のOCはNWN:EEなどのモジュール選択画面で'The Wailing Death (死悶の疫)'がタイトルとなっている場合がある。ファンによるIceblink(別エンジン)リメイク版も'Curse of the Wailing Death'のタイトルであり、ファンの間でも用いられているらしい。
OCや拡張のパッケージの付属モジュールは、いずれも長編RPGにひけをとらないボリュームとスケールがある。NWN1,2のOCはいずれもストーリー面でも高く評価されているが、一方ではNWN1にせよ2にせよ自由度が低い(お使い主体の)シナリオで、冗長と非難されることもある(日本のゲーマーからは特にこの評は多い)。
特に日本ではNWN1,2=OCを指すかのように誤解されているが、NWN1にせよ2にせよ、本体は無数のモジュールを運用できる「システム」「エンジン」であり、OCは単にその無数のモジュールのうちの1例にすぎない。無限の可能性のあるNWNシリーズに求めるものは人によって様々であり、NWNのヘビーユーザーの中にも、NWN1や2のOCは肌に合わなかったが、違うタイプのユーザーモジュール(例えば、PoRやBGシリーズ等の他ゲームを再現したモジュールなど)は合っていたという人は少なくない。そのため、実のところ、無理にOCなどの付属シナリオを通してプレイする必要はない。ただし、本当にNWNや2にはじめて触れる、という場合は、各OCの冒頭にチュートリアルがあるので、そこまではやっておいて損はない。途中からは後回しにしても、投げ出しても構わない。
○PnP: Pen and Paperで要は紙媒体の、日本で言ういわゆるTRPGのルール、データや運用を指す。PnPという語自体は海外でCRPGと区別するためNWN以前からあるが、旧来、欧米では「RPG」というだけで圧倒的に紙媒体を指し、CRPGなどは少数派であったので、通常わざわざ紙媒体のことを区別したりはしないため、PnPという語を使う必要が生じることは稀である。が、NWNに限っては、なまじPnPと近い存在である(他のCRPGに比べて、やれることに重なる部分が多い)ために、NWNコミュニティでは欧米であっても、あえてNWNやその他PCゲーム版と区別する必要があるためにPnPという用語が用いられる頻度が比較的高い。
また、このサイトでの用法を言えば、特に古いD&D系は、日本で普及している・また現在日本で使われる用語としての「TRPG」(「なりきり会話で協力してストーリーを作るゲーム」)には、全く合致しないことが非常に多い。このサイトで「TRPG」ではなく「PnP」といった場合そういうニュアンスのこともある。
〇プレミアム(Premium)モジュール: 本体(OC)や拡張付属以外の追加モジュールのうち、公式から有料で提供されている(いた)ものだが、当サイトではそれに準ずるもの(有料プロジェクトが中断して最初から無料で配布されているものなど)も指す。他のゲームで言ういわゆるDLCの一種で、NWN外のゲーマーからそう呼ばれていることが多いが、NWN1/2自体の性質やNWN1当時のネットの状況から現在の一般的なDLCとは異なる点が多い。
NWN1では、前半3作(Kingmakerなど)、後半3作(Pirates of Sword Coastなど)、中断したCancelled Premium Module群の3種に大別される。NWN2ではMoWが強いて言えばそれにあたるが、NWN2ではこの一本の他には無いので、プレミアムというと通常NWN1のものを指す。
NWN1の前半3作は現在入手可能な版ではGoGのDiamond版、EE版ともに無料で付属している。後半3作はEE版のDLCとして入手できる。Cancelledのモジュール群は新vaultなどから無料でDLすることができる。
NWN1のプレミアムモジュールは、FR世界を舞台としたものはOC以上に濃いFR設定の反映がある一方で、例えばNWN1の前半3作はFR以外のFT世界を舞台とし、CancelledのひとつHeX CodaはSF要素がある世界など、意欲的・挑戦的な試みが多く、充実している。出来には細部に難があるものもあるが、概してNWN1のOCよりは好評でどれもプレイに堪える。ビジネスモデルとして期待できるものとされていたが、AtariのNWN1から2への移行や2の継続などの事情が重なり、NWN1はCancelledを幾つも残し(特にWitch's Wake, AL3, HeX Codaなどは完全に話が未完でエターなっている) 、NWN2はMoW一本で中途半端に終わったという状態になっている。
日本では、NWN1のこれらのモジュール群について言えば、プレイヤー数が減少した後だったこともあり非常に知名度が低く、当然、いずれも全く和訳されていない。セガ版当時のプレイヤーにはどんなモジュールが出たかすらも把握されておらず、ラインナップなども誤って把握したり紹介しているサイトが多いので注意を要する(例えば18年6月現在、ニコ大百科などは、有料プレミアムの数本が抜けている上にCancelledを本体拡張と並べて書いてあるなど非常に不正確であり、某掲示板等にこれに惑わされた者が迷い込んだりといった事態も発生している)。
○PvP, PvM(PvE): 戦闘等の状況を示す略語で、PvPはプレイヤー対プレイヤーの対決、PvEはプレイヤー対ゲーム環境(つまり、CPUがコントロールするモンスター等)を指し、複数のプレイヤー及びプレイヤーキャラクターが参加するMO/MMOで主に使われる用語である。NWN1/2ではどういうわけかPvEのかわりに「PvM」が使われる場合も多い。これは、NWN1/2がどんなユニットであろうとD&D系のシステムに則って原則的に同じルールで対決するため、「ゲーム環境」との対決というよりは、同じ環境の上での「モンスター」との対決という側面が強いためもあると思われる。なお、D&D用語の「モンスター」とはDMがPCにけしかける脅威の総称で、ときに人型種族であろうが人間であろうが指し、DQやポケモンのような「魔物」「人間以外」「なんだか見かけが怪物っぽいやつ」などという意味ではない。
NWN1/2では、PvP等はMO/MMOサーバの用語として使われることもあるが、特に多いのは(そしてこのサイトでももっぱら扱われる話題は)キャラクターのビルド、すなわち成長計画の目的について使用されるものである。海外のビルド考察の記事などでは、多くの場合はPvPとPvM(E)の別が付されているのだが、しばしば(PWサーバー上でのキャラメイク考察が盛んな海外では)何の注釈もなく説明されているのがPvPビルドだったりすることもある。PvPとPvMでは、能力の獲得や構築の方法論は全く異なっているため、強ビルドと説明されているPvPに特化したあるビルドが、いかなる状況でも強いとは限らない。
○PW/常設: Persistent World。名の通り恒常的に設置されたワールドで、サーバー上でNWN1,2のモジュールを常に動かし、多数のプレイヤーが参加可能で、MO/MMORPGのように稼働させるものを指す。または、それに用いるためのワールドを恒常的に稼働させる仕掛け(例えば、クリーチャーや宝の時間経過による再配置など)の部品や、PW用モジュールといった素材を指すこともある。
海外ではPWサーバーはNWN1,2ともにかなり盛んである。NWN1では相当古いゲームにも関わらず、2016年現在でも多くのPWが稼働している。NWN2については、NWN1よりはサーバー等の数は出ていないが、元々NWN1より少ない人口の割にはNWN2も盛んと言われることが多い。これは、シングルプレイ用のモジュールが(ツールセットの複雑さから)NWN1ほどは数が出ない一方で、どちらかというとプレイヤーが自由に行動する余地が大きいPWは、NWN2(3.5e)システムの魅力のためもあって独自の魅力があるためと思われる。NWN2では『バルダーズゲート』のナシュケル周辺を舞台としたものや、Realms of Trinityサーバーが有名である。
かつて日本では、NWN1は「TRPGツール」として、あたかもマルチプレイヤーによるオンラインセッション(プレイ時のみ冒険シナリオとしてモジュールを稼働させるもので、常設ではない)がメインのようにみなされたり紹介されてきたが、海外ではむしろシングルや、逆にマルチでもMO/MMO的なPWが盛んであった。
日本でもNWN1のセガの日本語版が訳されていた当初は複数のPW用サーバーが立てられており、MORPG的な戦闘中心のものや、逆にソードワールド的なりきりを強制する日本製TRPGゲーマー向のサーバーなども存在していたが、現在はいずれも停止している。日本には現在NWN2のサーバーはないようなので、参加したければ海外PWサーバーに(英語で)参加するしかない。
〇セガ版: ここではNWN1について本国での初リリースから間もなくしてセガが和訳していたパッケージ版(2003-2004年)を指す。OC(基本パッケージ)と拡張のSoU, HotUがそれぞれ別パッケージで出され、日本語訳されていた。この当時は、バルダーズゲート(1,2,2完結編)、アイスウィンドデイル(1基本のみ)がセガから和訳されていたので、セガ掲示板などにD&Dゲームの一定のファンコミュニティが存在していた。現在もネット(リンクから飛べるNeverwinter Archive、某サイトNWNうぷろだなど)に存在するNWN1日本語版モジュールは、この当時にセガの公式サイトで配布されていたり、ファンコミュニティで作成されたり翻訳されたものが殆どである。現在は英語版では基本拡張3種が入ったDiamondがダウンロード版で(NWN:EEに同梱などで)入手でき、セガ版のパッチ(日本語ファイル)をもとにこのDiamondも日本語化できるので、セガ版自体のパッケージを入手する必要はない(かえって手間がかかるので推奨できない)が、現在でもNWN1/2の資産は当時のファンコミュニティの貢献によるところはかなり大きい。また、セガのNWN1翻訳の訳語は一部がNWN2の有志訳にも流用されていたり、NWN2のBG Reloadedモジュールの有志訳がBG1のセガ和訳に準拠していたりするので、NWN2もその資産の上にあるといえる。
○Trick and Traps/Roleplay/Hack and Slash: 旧Neverwinter Vault(初代コンテンツ集積サイト)でモジュールの分類のために使われていた言葉。モジュール作者やアップロード者がそれぞれの項目について「Light〜Heavy」といった表記をつけることで、モジュールの傾向を表現していた。以後、Vault以外のNWNサイトでも使われたり、日本のモジュール配布サイトでも同様の分類をしていたことがあった。例えばNeverwinterArchiveのモジュールリスト で「仕掛/RP/戦闘」の項目が「低〜高」に分類されているのもそれに相当する(翻訳モジュールの場合、旧Vaultの表示に対応していると思われる)。
それぞれの用語にはPnP/TRPG/CRPG史において歴史や語義の変遷があったり、いわゆるTRPGのゲーマーの間で議論の対象となったりもするが、ここでは上記VaultのNWN1,2での意味だけを示す。Trick and Trapsは「謎解き」(プレイヤーが実際に解かなくてはならないマップ上の仕掛けやテキストのリドルのことが多いのだが、ただし、単に盗賊技能で解除できるような罠を指している場合もある)、Roleplayは「ストーリー」、Hack and Slash (HnS, HS)は「戦闘」(ただし、Heavyが戦闘が単に「多い」ことを指すのか、戦闘バランスが「難しい」「練ってある」等を指すのかはまちまちである)である。特にRoleplayが(前述の議論を含め)説明が難しいが、NWNシリーズのモジュールにおいてはTRPG云々のややこしい定義ではなく、単に謎解き以外の文章や選択肢の要素をひっくるめて指していることが多い。本サイトでは、NWNシリーズのD&D3.Xeのゲームシステムを重視していることから、Hack and Slash要素(戦闘量の大小に関わらず、モジュールのクリアに必要かどうか)を重視してモジュールを紹介することが多い。
〇Vault(新vault, 旧vault): Neverwinter Vault. いわゆる旧vaultは、NWN1最初期から存在した情報集積サイトであり、カスタムコンテンツ(ユーザーモジュール等)のアップロードをはじめほぼ全ての情報が集積していた巨大コミュニティで、いわばNWNシリーズの最大の財産でもあった。しかし、2014年に幾つかの事故が重なってデータが消失し、復帰も不可能となった(現在、旧vaultのURLはNWNの名こそ見えるが全く無関係のサイトとなっている)。この後継として作られたのが新vault( https://neverwintervault.org/ )である。新vaultはデータとユーザーを引き継ぎ後継として機能してはいるが、旧vaultの消失と新vaultへの移行は、NWN1/2自体を後退の方向に加速する原因になっている非常に厄介な事態を、大きく分けて2つ招いている。
ひとつは、ウェブサイトであれドキュメント中のURLであれ、多くのNWN関連のリンクが、旧vaultの方のリンクだけを掲載している。これは海外でも少なくとも3年以上更新されていないNWNサイトやコンテンツも多く、そして日本ではほぼ全てNWNサイトや情報がセガ邦訳版の頃(2017現在より10年以上前)から更新されていないためだが、中には海外・日本ともに、NWN2wikiのような現在稼働しているはずのサイトも含めて、どういうわけか旧vaultのリンクをそのまま載せていたり、新vaultへの移行について全く説明を行っていないサイトが多い。リンクを信じて、vaultとは無関係のサイトになっている旧vaultのURLの方に行ってしまったり「海外でもNWNのコミュニティは完全に消失している」と誤って信じたり拡散しているゲーマーが少なくない。
もうひとつは、新vaultは旧vaultのほとんどのデータを再録しているが、優れたデータベースでもあった旧vaultと異なりデータが非常に扱いにくいことである。旧vaultは題名はもちろん評価値(ユーザーの評判)やモジュールの傾向(ストーリー型やHS型など)、レベル域などですら検索することができたが、新vaultではほとんど題名以外の手がかりでは検索できない。おそらくコンテンツ(モジュールやhak)についてのなんらかの事前情報を持っていなければ、新vaultだけでコンテンツを捜索することは困難である。
2017年現在、新vaultは現在もコンテンツ追加式のゲームのコミュニティとしては充分に活発であるが、biowareのNWNフォーラムも消失したこともあり、NWN1/2のファンが様々なサイト(例えば、TESシリーズ等のユーザーコンテンツが集まるnexusmodなど)に拡散してしまい、情報が集積できなくなっているという側面がある。
日本では、NWN1/2のユーザーは、新vaultをチェックしておくだけでなく、現在でも国内外のNWNサイトで頻繁に見かけられる旧vaultへのリンク(http://nwvault.ign.com/ 現在は無関係なサイト)に対して、新vaultに読み替えたりそちらで改めて検索しなおすことを、常に意識しておく必要がある。
なお、現在、古いサイトやリンクなどから旧vaultのリンクを踏むと、サイト名にはNWNを冠した、wiki guideなるいかにもそれらしい名でNWN1攻略情報などの載ったサイトに飛ぶ。しかし、これはNWN1関連サイトではあるが、旧vaultとは無関係の、それらのコンテンツは保存されていない別サイトである。それを知らずに、旧vaultのコンテンツがどこにあるかこのwiki guideなるサイト内を延々探し続けたという報告が多数ある。旧リンクを張り替えるというのは現実的ではないので、移転や新vaultについては広く知らしめる必要があるが、某巨大掲示板のテンプレートを含めて、日本ではほとんど紹介されていない。
D&Dゲームや世界設定に関するもの
〇BG: Buldur's Gate. 90-00年代にAD&D2ndのInfinity Engineで作られたシリーズで、D&Dゲームそのものの代表的存在である。ここではBG1及び2を指す(Infinity Engineのエンジン自体や、それを用いた他ゲームについてはそれぞれの項目を参照されたい)。オープンワールド的に多数のクエストをクリアしていく(ただしゲームの進行過程によりメインの流れはある)という、現在では洋ゲーの典型と捉えられることもある形態である。AD&D2ndのシステムに由来するキャラメイクや呪文の膨大なルール故に、自由度が高い洋ゲーの代表格であると思われがちだが、プレイヤーキャラ(主人公ひとり)はFRでも非常に特殊な背景の持ち主であり、その背景に依存したストーリーが多い。
NWN1/2とは、D&D系であったりリアルタイムの疑似ターン制など共通点もあるが、特にNWN1はBGより戦術性が低い、ソロ(1人冒険)又はMO-MMO的マルチプレイ重視の両極端、操作性の差異、モジュールによって傾向が異なるなど、相違点の方がむしろ多い(NWN2ではこの差は小さくなっている)。
日本でも、BG1/2とNWN1は、同じセガからローカライズされていたことからその時代からのゲーマーには共通した話題になっていることも多いが、現在では、上述のような相違点から、プレイヤー層は必ずしも一致しない。BGの方が知名度が高いので、どちらかというとBGから(他のPnPなどのD&Dや3.Xeの予備知識なしに)NWN1/2に入ってくるゲーマーが多く、BGのような内容や操作性を期待して、NWN1/2(特に1のOC)が期待外れだったという評価や、操作性がBGと同じでない点のみでもってNWN2を不当に酷評する評価をいまだに流布し続けている者もおり、不利を被っている。しかし、すでにNWN1/2のプレイヤーらである人々に関して言えば、BGとNWN両方のファンだという人々が多く、話題に出たり関連するモジュールが作られることも多い。紹介ページで述べているが、NWN2にはBG1をそのまま再現したモジュール(BGR)もある。
BGの話題では、Infinityとは全く異なるエンジンでコンシューマで出たハクスラ系RPGのBaldur's Gate: Dark Allianceシリーズの話題を持ち込む者も定期的に現れるが、BGファン曰くInfinityのBG1,2とは「エルフソング亭以外に一切関係ないシリーズ」であり、ほぼ流されて終わる。
2024年現在、D&D5版をベースにしたBG3も日本語版が出ているが、ルールや背景時代の差、Infinityではないなど1,2とは異なる点が多く、このサイトでは3の場合はBG3と書き、通常BG・BGシリーズという場合は1,2(SoA),2完結編(ToB)やそれらのリメイク(BG:EEやNWN2のBGR)までを指す。「BG市」という場合はFR世界の都市、バルダーズゲート市である。
〇ボス(Boss): 一般的には組織の責任者、ゲーム関連では一定以上に重要な敵キャラクター又は兜甲児の悪友を指す語として用いられることがほとんどだが、このサイトではこれらの他に、何の説明もなしにこれらとはかけ離れた用法で用いることがある。当サイトで用いる語義としては、「ジョジョ第五部の敵・ディアボロ(Roguelike関連)」「ラッキービースト(けもフレ関連)」の意などがあるが、NWN1/2関連では「NWN1のSoU及びHotUの主人公」を指すことが多い。海外のNWN1/2界隈でも単にボスと呼ばれている場合、ほとんどがこの用法である。SoU/HotUのネタバレとなるが、SoU/HotUの旅仲間NPC, ディーキンが、主人公のことを「ボス」と呼ぶことに由来する。HotUのエピックのスケールから、海外ゲーマーの間では、FR世界で「強キャラ」というと、PnP資料にあれだけ大量にばらまかれた公式NPCのあいどるちょうじん連を全員さしおいて「ディーキンを引き連れたボス」が例示されることも少なくない。
○Core Rules/コアルール: PnP版のD&Dシリーズの各版において中核となるルールで、非常に狭義にはPlayers Handbook (PHB), Dungeon Masters Guide (DMG), Monster Manual (MM, MM1)の3冊を指す。これらはAD&D1st〜D&D5版のD&Dシリーズの主流システムで、版ごとに別々の本が3冊ずつ出てきた(一方、最初のOD&Dや、一時日本で普及していた赤箱等のCD&D(日本でのみ誤解されているが、海外ではD&D系の主流だったことはない)は異なる体系なので注意)。コアルールは広義には、「特定の世界設定(例えば、WG, FR, エベロンなど)に依存しないルール」が書かれたルール書物をすべて指す場合もある。例えばPHB2, MM2-3, Manual of Planes(MoP)などが極めて重要であり、Complete Warrior (CW)などのCompleteシリーズもそれにあたる。これらを出典とするデータはNWN2にも多数採用されている。
このサイトのこのコーナーで単にコアルールと言った場合、3.5eのPHB, DMG, MMの3冊だけを指すことが多い。最低限この3冊を、「ファンタジーRPG」に対する基礎知識として隅々まで通読する意義に関しては、このサイトのあらゆる箇所で繰返してきたが、また一方で、単純にPCゲーマーにとってNWNシリーズに対する理解の必要という意味で言えば、別に無理して入手したり読む必要まではない。別のページで述べているNWN解説サイトやゲーム内の丁寧なルール説明を読んだ方が手っ取り早いし、わからなければその都度無料のSRDやPathfinderのサイトで調べてもよい。モジュールやカスタムコンテンツの作者を目指すのであれば、やはり3.5eの全容を把握しておいた方がよいのは確かなのだが、それもSRDやPfでその都度調べれば用は足りたりする。
〇CD&D/BD&D: クラシックD&D又はベーシックD&D。「昔の赤箱とかのシリーズ」のこと。オリジナルD&D(OD&D、茶箱・白箱、1974)を縮小した簡略版D&Dシステムで、元はAD&Dの低レベルの入門用に作られたため海外ではD&Dベーシックと呼ばれるが、特に日本では、赤箱(製品名がベーシックルール)以外も指す目的で現在クラシックD&Dと呼ぶことが多い。後にAD&D入門だけでなく、独自の世界設定や延長ルールで高レベルや多様なゲーム(ワイルダネス、大規模戦闘等)をプレイできるようさらに大きく改変・拡張され、その第四バージョンが日本にも訳された赤箱(1983)〜黒箱等のシリーズである。
上述のように(又、このサイトの各所でも述べているが)世界初のPnP-RPG(TRPG)はOD&D、その直系はAD&D1st〜D&D5版であり、これに対してCD&D(赤箱等)は遥かに後出の、入門用の傍流かつ少数派である。CD&DはD&Dシリーズのオリジナル(原型、初版)でもなければ、海外で主流のシステムや世界設定(ミスタラの箇所でも述べている)だったこともなく、その内容も第四バージョンに至っては、オリジナル(OD&D)や海外FTの主流(AD&D)とは大きくかけ離れている。にも関わらず、日本では「赤箱は最初のD&Dで世界初のRPG」「全てのRPGの原型はD&Dなので、他のTRPGと、WizardryなどのCRPGの直接の原型は赤箱」「D&D3.0eより以前は世界(海外)で支配的なルール・世界設定は赤箱だった」等と長年流布され続け、そのため「最初のTRPGで海外の主流である赤箱シリーズでは〇〇だった、××という要素は赤箱シリーズには無かったのでCRPGや日本人が創始した」等の膨大な誤った説が、2017年現在ですら大量に拡散され続けている。これは日本では、本来の原型であるOD&Dや、主流のAD&D1stが訳されずにCD&D第四バージョンだけが訳され、日本の赤箱の発売元や当時の「TRPG」関係者が、なかば意図的に「RPGの元祖・主流はD&D」というフレーズと「赤箱シリーズ」を併せて喧伝し続けた点に拠るところが大きい。なお、上に述べたように赤箱はCD&Dの第四バージョンだが、本流からの枝分かれでの第四であって、HJから和訳されていた本流筋の「D&D4版」とは全く関係がない。
日本のPCゲームサイト等でも、NWN1/2と、かつての赤箱シリーズの内容を(又は、自分のかつての「TRPG」体験を)無理矢理結び付けようとしたり、赤箱やミスタラ世界設定の要素をあたかもBGやNWN1/2にも直接引き継がれているかのように説明する言及が頻出するが、AD&Dの系譜である3.XeのNWN1/2は、(あえてミスタラ世界を再現したモジュールを除けば)ゲームそのものはCD&Dとは全く関係がない。
〇d20: いわゆるD&DライクPnPシステムの一種。d20とは、D&D系の基本ルール部分が共通したPnPシステムを一定の条件で他者が出してもよいという規約に則ったものであり、3.0e及び3.5eのd20は、3.Xeのシステム自体の利点やD&Dユーザーを取り込めるといった数多くの利点から莫大な数が他社から出版され、一時期は(日本以外では)PnPのRPGのシェアに占める部分が大きすぎることが問題視されていたほどであった。WotC社自身もD&Dではないが共通部分を用いたd20(モダンなど)を出している。
「D&D」と「d20」の細かい差異については複雑なので解説サイト等を参照されたいが、簡単に言えばd20はD&Dと同ルールの基本部分については無償(又は緩いライセンス)で利用できるが、D&Dの独自コンテンツ、例えばFR等の世界に依存する設定(無論のことシナリオ等)、 ビホルダー等のd20では厳重に禁止されているコンテンツ については使用することができない。日本の特に非D&D系の「TRPG」ユーザーには、D&Dとd20そのものを完全に混同している者や、差異を理解しないまま混同して流布している(WotC独自のコンテンツも全てd20なら出せると誤解している、ひいてはネットで検索して無造作に出てくる「d20」利用コンテンツを「D&Dの公式データ」等と流布している等)者が非常に多いので、ネットで拾った情報は当てにすべきではない。
d20の各システムは内容的にはD&Dに比較的近いものからかけ離れたものまであり、特に近いものはある意味D&Dの追加ルールとして使える一方、質が保証されていないため非常に厄介である。良質なものとしてはD&D本家が5版に移った今も3.Xe系のPathfinder(Pf →参照)が有名である。NWN1/2でも、カスタムコンテンツ類には当然ながらD&Dだけでなく各種d20を再現したものも多く、前記したモダンに関するコンテンツなどもある。
〇DDO: ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ・オンライン。D&D3.5eのルール及びエベロン世界設定を用いたMMORPG。かつては世界各地でサービスが提供され、日本でも2006-9年まで稼働していた。生活や箱庭に重点の置かれた多くのMMOに比べると、ダンジョンやパーティー戦といったMORPG的な側面が重視されていた。一方、3.5eのルールのうち、エベロンの特殊設定や、MMOを意識したD&D系らしからぬSP制度の呪文システムなど、PnPやNWN1/2とは差異がかなり多い。が、3.5eという人気のあるシステムのゲーム化のひとつとして、しばしばNWN1/2界隈でも話題になることはある。
〇DL: Dragonlance. 80-90年代に北米で圧倒的な知名度であったFT小説のシリーズと、そのタイアップであったAD&D1stの世界設定。RPGの世界設定として見た場合、DLはWG, FRと並ぶD&D系の重要世界だが(知名度のみであれば「RPG」の規模の範疇すら遥かに越えている)小説的FT設定中心のため、D&D系ゲームのプレイングには非常に向いておらず(後のDS, Sjやエベロンのように、癖は強いがあくまでゲームとしてのプレイを考慮されている世界とは異なる。これはDLが独自色の強いD&D世界設定としては最初期故の模索もあると考えられる)後にストーリーや設定も錯綜し、権利関係も複雑化したためもあり、ゲーム世界設定としてはD&D系全体の主流にまでは至っていない。世界設定の特徴としては、時代によって信仰、魔法、素材などのいずれかが著しく枯渇し、しかも時代や背景によってその内容や事情が常に移り変わっている、また種族やクラス等が一見するとAD&Dの基本準拠に見えて細部に特殊性が多い等、きわめて厄介な世界である。
しかし、知名度のため、古くからDL世界のPCゲームは少なくなく(BGシリーズにも幾つかの要素がゲスト出演している)NWN1/2でも少なからぬコンテンツや、キャンペーンやPWなども見かけられる。
〇DMG: Dungeon Masters Guide. PnP版のコアルールのひとつで、D&Dシリーズのダンジョンマスター(世界構築、シナリオ作成・運営者)の手引き。AD&D1stから5版まで主力ルールですべて同名の書物があるが、当サイトでは特に断りがない場合、3.0e(NWN1)か3.5e(NWN2)のDMGを指す。ファンタジー世界の仕組み・運営の基礎からアイテムデータ(ザナドゥやファイナルファンタジーに流用されたことも有名)まで、海外のFT/RPGの常識・ゲーマーやデザイナーの必須の大前提知識で一部の隙間もなく充填されている。なお、ファンタジー世界一般(ダンジョンの仕組みやFT世界の街がどのように機能するか)は記載されているが、FRやWGなどの各世界設定に依存する部分は(コアルールが扱うとされているWG世界ですらも)別の資料に拠る必要がある。ガイギャックスの筆によるAD&D1stのDMGはFTの金字塔と(ごくごく一部のD厨から)讃えられている。主にダンジョンマスター(ゲームデザイナー)向きの書物だが、3.XeのDMGに限っては、「プレステージクラス」の記述もPHBでなくこちらにあることから、プレイヤーにとっても非常に重要である。
が、NWN1/2のモジュールのみプレイするならば(プレステージクラス等もFRのものは載っていないので、攻略サイトでも見た方がよい以上)あっても無駄ではないが、別に必要ではない。モジュール作者やオンラインセッションのDMにはシナリオ運営などは重要に思えるかもしれないが、PnPとCRPGでは(たとえマルチプレイのオンラインセッションだったとしても)勝手がかなり違うので過信できない。作者やDMにとっても重要なのは結局、アイテムや数値テーブル等のデータ部分かもしれない。
〇DS: Dark Sun. 元はAD&Dルールで運用するために作られた数多くの世界設定のひとつで、デューンや北斗のような自然環境も社会環境も著しく荒廃した舞台。AD&D2ndの一時期に展開していたが、4版用のセッティングもある。砂に覆われた惑星Athas(エイサス、アサス、アタス)を舞台とする。過酷な環境や状況に応じて、プレイヤーキャラが強力な能力を持っていることも多いのも特徴で、多分にAD&D2nd後期のハイパワー化の象徴のひとつである世界設定である。具体的には、プレイヤーキャラの全員がクラス能力以外にもサイオニック能力(AD&D2nd後期のものは他のクラスや能力では歯が立たないほど強い)を持ち、True Dweomer(BGや3.Xeで言うエピック呪文)などの強力なルールがフォーカスされている。予想される通り、AD&Dデフォルトの種族やモンスター等も変貌しているものが多い。
NWN1/2では、3.Xeの資料が(Paizoなどのサードパーティーのものを除き)存在しないことや、ビジュアル面(3Dモデルなど)を大幅に追加しなくてはならないため、ユーザーコンテンツとしては製作しにくいようにも見えるが、逆にやりがいがあるためか、DSをテーマにした、再現したコンテンツは決して少なくはない。
〇Eberron :エベロン。DDOなどの世界設定で、魔法テクノロジー(マジックパンク的)が発達しており、WGやFRとは毛色の異なる世界。3.Xeの時代に社外からの募集により作られた。PnP以外ではDDOの他、単体のCRPG, Dragonshardの舞台でもある。3.Xeでは有力な世界のひとつではあるが、WGやFRのような標準・主力になっているわけではない(DDOを根拠に「現在はD&Dも日本のファイナルファンタジーの影響を受けた世界に変わっている」等と流布されていることがあるが誤りである。なおEberronの作者はFFは知らないと主張している)。惑星の名前も世界設定と同じエベロン星で、背景以外にもコスモロジー、信仰(神性)といった根幹ルールにも標準宇宙観(コアルール)と異なる意欲的な改変が多い。ウォーフォージドのような種族やアーティフィサーといったベースクラスもd20全体の中でも有名である。NWN1/2のコンテンツ製作界隈にも、Eberronの舞台や要素を追加するものは少なくない。
〇Faerun :フェイルーン。FR世界設定について語る際に、特に日本のゲーマーの間ではほぼ「世界」の名前であるかのように扱われているが、厳密には世界ではなく、単に「地方」の名である。惑星トーリル上で、「フェイルーン」は地球で言えばちょうどヨーロッパとその周辺あたりにあたるごく一部の地方を指す。それでも(AD&D1stのFRCSによると)よくあるフェイルーンの陸地地図は、合衆国地図が丸ごと2つ半入るくらいの広さはある。トーリル上で東洋にあたる地域は「カラ=トゥア」、南の砂漠・熱帯は「ザカ(ハ)ラ」、新大陸は「マズティカ」である。これらは同じトーリル上でも、世界設定(狭義のWorld Settingという意味)そのものがFRとは別に存在する。FR世界設定という場合はもっぱらフェイルーン地方を舞台にしていることが多いが、例外も多々ある。
○FR: Forgotten Realms. このサイトでは単に「レルム」と書いたり「FR世界」と書いたり一定していない。D&D系の世界設定のひとつで、古くはGoldbox、BGやNWNなどの多くのPCゲームに採用されている。
標準的FRPG世界と評されたり、PC版ゲーマーにはD&D系・洋RPG世界設定の代表(代名詞)のように挙げられることもあるが、AD&Dのコアルールの標準やWG(グレイホーク)と比べても極めて癖の強い世界設定である。非常にマジックリッチ(秘術、信仰とも)であり、その周辺には古典的な渋いファンタジーとは言い難い設定や説明が多々ある。世界設定の中心であるデイル等は童話的・妖精説話的な光景が多々見られる反面、BGやNWNシリーズの舞台であるソードコースト周辺は荒廃している。
元々がGoldBoxを含めた多岐メディア展開の目的でエド・グリーンウッドの個人卓の設定をもとに急造された世界なので、完全にオリジナルでない設定が多く、より古いWG(グレイホーク)世界やD&D汎用設定(例えば地球神話データ)の流用が非常に多い。BGのAD&D2ndまでの時点では実際にWG世界や大いなる転輪と直結していた。PnPでは3.Xe以降はFRは転輪には直接繋がっておらず、FR世界独自の多元宇宙設定(コスモロジー)を持つよう改められているが、3.Xe準拠のはずのNWN1,2のOCの時点でも転輪やWGの設定のままになっている記述が非常に多い。単に2nd以前の構想段階のものをそのまま通してしまったのか、ゲーマーにわかりやすいよう故意に旧設定としているのかは定かではない。
PnP版のFRの設定資料(下記するFRCSなど)は、無いよりはあった方がいいかもしれないが、BGやNWN1,2とは版が違っていたり設定が拾われていなかったり(上記コスモロジー等)するため、無理に入手するようなものではない。かといって、日本のサイトはPnP, PCゲーム共に、大半が解説しているのが別の版(特に、4版はゲームシステムも世界設定もNWNやそれ以前のPCゲームとはまるで別物となっている)の情報であるため、ネットの情報を無作為に拾う際には細心の注意が必要である。
なお、このサイト以外にも他所での用語の使い方としてよく指摘されることだが、FR世界もそうだがWG世界はなおさら、RealmsやWorldにはそれ自体世界や領域という意味があるのでFRやWGのうしろに「世界」をつけるのは馬から落ちて落馬するようで本来非常におかしい。が、D系ゲーマーを除き日本のゲーマーには略語二文字だけでは何が話題になっているのか自体がわからなかったりするので、このサイトでは故意につけていることが多い。
○FRCS: Forgotten Realms Campaign Setting. PnP版の資料のひとつで、要はNWN1,2やBGシリーズにも用いられているフォーゴトン・レルム世界設定を記述した書物である。FR世界設定の資料のうち最も網羅的で代表的なもの。AD&D1st、2nd及びD&D3.0eに同名の書物があり、当サイトでは1stのものを初代FRCS(SettingでなくSet)、2ndのものは2nd FRCS等と表記することが多いが、特に断りがなく単にFRCSとだけ書いた場合、NWN1の典拠である3.0eのFRCSを指す。また、NWN2が採用している3.5eルール用にはPlayer's Guide to Faerunという書物があるが、これは3.0eのFRCSの補足・アップデート版に近く、基本の情報は3.0e FRCSに拠る。D&D4版ではForgotten Realms Campaign Guide (FRCG)という別の名の書物が出ている。
AD&D1stと2ndのFRCSには英語版しかない。が、NWNプレイヤーにはきわめて僥倖にも、3.0eのFRCSと3.5eのPlayer's Guide to FaerunはHJ社から邦訳されていた(それぞれ『フォーゴトンレルム・ワールドガイド』と『フェイルーン・プレイヤーズ・ガイド』)。いずれもレルムについて、信じがたいほど(というか邦訳されたこと自体が何より信じがたい)莫大な情報が詰まっており、NWN1と2に直接に対応する版・時代の書物だけあって、NWNプレイヤーも無論可能であれば読むに越したことはない。が、いずれも比較的、レルムの全ルールのうちフェイルーンの全域について非常に広く浅い情報を載せている傾向があり、書かれていない情報も多い。広義ソード・コースト(BGやNWNシリーズの舞台)、デイルやコアミア(NWNの一部モジュールや、旧PoRシリーズ等の舞台)の情報を求めても、物足りないことが多いと思われる。ゲーム中のダイアログを丹念に読んだ方が理解度が高まることも多く、PC版ゲーマーが無理をしてまでこれらの書物を入手する必要はないと思われる。
また、4版のFRCGも邦訳(『フォーゴトン・レルム・キャンペーン・ガイド』)も出ているが、4版はゲームシステムやレルム世界自体の様相が全く異なっているので、BGやNWN1,2のプレイヤーへの直接の有用性という意味ではかなり低い。
なお、日本の「TRPGベテラン」のネット上の言及では、書名が長すぎるため、フォーゴトンレルム・ワールドガイドを『FRWG』、グレイホーク・ワールドガイドを『GHWG』などと、邦訳の題から勝手に自分で作った変な略語を使用していることが非常に多い(かつてHJ社のD&DサイトのURLで本ごとにその場で作っていたらしき文字列の影響も大きいと思われる)。D&D系の略語(例えば前記2つのワールドガイドは原書名の略語である'FRCS'と'LGG')や書物のコード(例えばKeep on Borderlandsなら'B2')は、D&D系の莫大な書類を一対一で照合するのに必須の手がかりなので、間違っても違う略語を使ったりしてはならない。
○Gold Box Engine: 「昔のFCやDOSのPool of Radianceなどのゲームエンジン」のこと。80年台後半からSSI社がリリースしていた、AD&D1stのターンベース(非リアルタイム)のゲーム用のエンジン。これらのSSIのゲームが、金色をバックにパッケージイラストがペイントされた箱(紙製)に入っていたのでこの名がある。英語版はかなりの数が出ているが、初代PoRから続くFR世界の4連作と、Champion of Krynnから続くドラゴンランス世界の3連作が有名である。広義では、Gold Box「シリーズ」というと、似たような箱に入っていた、SSI社の他のD&Dゲーム(Heroes of the Lanceのようなアクション、3DダンジョンやAD&D2ndのものなど)も含むことがあるが、狭義ではGold Box「エンジン」というと上記初代PoR同様のシリーズとそのゲームシステムを指し、このサイトの「Gold Box」という語の用法もほとんど狭義のそれである。また、Gold Boxというのが、まるでD&Dゲーにはよくある数本まとめボックス製品(NWN DiamondやらNWN2 Platinumやら)のような名前だが、意味合いは全く異なる。
Gold Boxエンジンは、最初期のものはIBM-PC(CGA, 最も旧式のカラー画面規格)のみならずApple][やコモドール64を含む、当時としても相当旧式の、いわば世界でも最も古いゲームPCにすら対応して作られている。そのため(GOGなどで復刻版を目にした現代人の目には勿論、当時の批判ですらも)グラフィック等はレトロゲーとしても信じられないほど粗い。また、SSI社がストラテジーゲーム肌でビジュアルやインターフェイスが得意分野でないためか、操作性やスピード感には当時としてもきわめて問題が多く、プレイヤビリティという面ではかなり低いため、現在のゲーマーにプレイを薦めることはレトロゲームという点を差し引いてすら困難である。
一方でゲームシステムそのものは、GoldBoxはAD&D1stのコアルールの、さらに基本部分のみを再現した非常にシンプルなものだが、再現されている部分に限ってはルールへの忠実性はきわめて高く、のちのInfinityエンジン等よりも遥かにD&Dらしいと思わせる面が多い。これは、同様にAD&Dを再現したはずのWizardry#1-3が、いわばApple][というハードウェアの条件は全く同じであるにも関わらず、ゲーム史のノウハウの少なさからAD&Dからは著しく劣化しているのとは好対照である(もっとも、AD&Dの知識がない日本のゲーマーには、全く区別がついていないらしき声が多々見られる)。ただし、プレイ感はともかく、高レベルになるとBGやNWN1/2のようなスキル等はなく呪文の再現も少ないため非常に大雑把になり、特に高レベル域ではBG等に比べると物足りない部分が多い。Gold Boxエンジンのうち、FRのシリーズに用いられた基本的なものは上記コアルールのみの非常にシンプルなバージョンだが、ドラゴンランスなどのシリーズにはDL世界の特殊ルールを再現した改良エンジンが用いられている。この他、最初期と後期の違い、C言語で再構築されたもの(かなりバグが多い)など、何種類かのバージョンがある。
全体としてはフィールドと、タクティカルコンバットの戦闘場面を経て進めてゆくゲームになっている。フィールドは広域マップを用いた2D、及び3Dダンジョンの両方に対応しており、PoRシリーズなどの公式ゲームもこれらを互いに織り交ぜた、ウルティマ初期シリーズを思わせる流れが多い。戦闘場面は緻密なターン制(ラウンド刻み)のもので、敵味方の数が双方大規模(パーティーは6人だが、さらにNPCが味方に加わることもある)になりがちなことから、「RPGというよりシミュレーションRPGのようだ」という感想を抱く日本のゲーマーが多い(これは初期のOD&DやAD&D1stが日本人の感覚ではTRPGよりもウォーゲームにかなり寄っていることにも関連する)。
Gold Boxエンジンを用いて、SSI社からはかなり大量の種類のAD&D1stベースのCRPGがリリースされていたが、邦訳されていたのはごく一部(PC-x8などではPoRのシリーズやドラゴンランスの前半2作、FCではPoR1作のみ)に過ぎない。そのため日本では知る人ぞ知るシリーズでしかないが、海外での知名度はD&Dシリーズそのものと相まって高い。上記シリーズの他、NWNと同様にシナリオを自作できるツール(FRUA)が市販され、これを用いたユーザーシナリオはDOS(非ネット)時代にも関わらず公開数が700本を数え、製作コミュニティはいまだに存続していたり、クローン(DungeonCraftが代表である)や、改良版(新vaultのIceBlinkもそのひとつである)も開発が続けられている。
NWNとの関係では、Gold BoxエンジンをMMOにしたものが別に説明しているAOL NWN(NWN0)であるというほか、Gold BoxシリーズのCRPGをNWN1や2で再現したユーザーモジュールは数多い。
○Infinity Engine: 「バルダーズゲートなどのゲームエンジン」のこと。90年台後半から2000年台初頭にかけ、ウィンドウシステムのOS(Windows95, MacOS等)で稼働した、基本的にはAD&D2ndをベースにした半リアルタイムのゲームで、BG, IWD, Ps:Tなどのシリーズがある。これらはリリース当初の2000年前後は「D&D系ゲーム」の決定版としてPnP版のプレイヤーを中心にプレイされたが、のちの2000-2010年代以降になると「PCのRPG全体の中でも屈指の傑作群」として認識されるに至り、海外では非常に知名度が高い。NWN1の前時期のD&D系ゲームとして、海外・日本ともに共通のプレイヤーや話題が少なくない。
このエンジンは、最初期のBG1からBG2や完結編(ToB)、リメイクのBGEEシリーズに至るまで何度かシステムの改訂が繰り返されているが、最初のBG1の時点から、AD&D2ndの最後期にリリースされた戦闘・技能系の拡張システムを採用している。これらの一連の拡張システムは、海外ではAD&Dの「2.5e」と呼ばれることもあるというが、筆者は日本のプレイヤーが直接そう呼んでいるのは一度も聞いたことがない。即ち、これらのルールは日本では(一部のパワーゲーマーを除くと)非常に認知度が低く、日本のPCゲームサイト等には(たとえ自称TRPGゲーマーであっても)BGシリーズのルールが何に由来しているのか全く把握しておらず、AD&Dルールや設定の誤った理解による非常にちぐはぐな内容を流布している解説サイトの類がかなり多いので、注意を要する。さらに、BG2の最後期やリメイク版のBGEEシリーズでは3.Xeからの逆輸入ルールを導入しているものがあり、把握を難しくしている。一方、IWD2のみAD&D2ndでなく、D&D3.0eをベースにしているが、再現性や操作性などに問題が多く、より後のBGEEシリーズなどには採用されていない。
Infinity Engineのゲームは日本では例外なく「AD&Dを細部まで完全に忠実に再現した」等と紹介されているが、実際は疑似リアルタイムである点を含めて、AD&Dのゲーム性の再現度は必ずしも高いとは言えず、明らかに故意に元ルールを再現していない(中でも、高レベルにおける各種テーブルの違いや、死亡ペナルティーやデミヒューマンの限界レベルの非再現が目立つ)点が多い。D&Dのプレイ感という面では前世代のGold Boxや後のToEEにはかなり劣る。しかし、AD&D2ndの程よい複雑性のシステムとあわせて、ゲームエンジンとして独立して人気は高く、このエンジンの後継を目指した別シリーズゲームも数多い。
Infinity Engineについては、Gold Box EngineやAurora Engineのようなユーザーのシナリオ作成用ツールは公式にリリースされてはいないが、外部のツールによって改変やModificationの作成は難しくなく、BG等のシリーズに追加要素やシナリオを加えるユーザー作成要素はいまだに盛んである。Gold BoxのツールであるFRUAと並んで、NWNシリーズのユーザー作成文化の礎石となった側面がある。なお、Gold BoxとInfinity以外にも旧AD&Dの複数のゲームに使用されたエンジンは幾つかあるが(通称Eye of the Beholderエンジンといわれる3D迷路型など)AD&Dゲームとしてエンジン自体の知名度が高く、ユーザーコンテンツが作成される点でNWNと共通しているのはこれらである。
〇MM/MM1: Monstrous Manual. PnP版のコアルールのひとつでその名の通りD&Dシリーズの基本的モンスターが記載された書物。AD&D1stから5版まで主力ルールですべて同名の書物があり、しかも版ごとに、(単にMMと書いた場合の)MM1の他にもMM2以降などの多数の追加があるが、当サイトでは特に断りがない場合、3.0e(NWN1)か3.5e(NWN2)のMM1を指す。「ファンタジー世界」にどのような生物が生息しているのかについて、AD&Dの膨大な普及度と歴史によってMM1-2あたりの内容は欧米ではFTやRPGの伝統における完全な常識・大前提知識となっており、下手な日本のアンチョコ書物の類や当サイトの用語集などよりも、最優先でMM1だけでも読んでおかないと、FT知識としてまるで話にならない。
が、ことNWN1/2のプレイに必携かというと、プレイするだけであれば特に必須ではない。生物・種族の背景等の基礎知識や、敵の能力・特殊能力への対策に役立つのではないかと思うかもしれないが、実はNWN1/2のOCや基本(ツールセット共通)のクリーチャーデータは(PHBやDMGに比べても)MMには細部が準拠していないものや、適用ルールが異なっているものも少なくない(これはシステム的再現やモジュール内のバランスなど、都合は様々である)ため、過信することはできない。
〇Mystara: 「昔のD&D青箱とかのカラメイコスとかの世界」または「カプコンD&Dの世界」のこと。日本では和訳当時「ガゼッタワールド」と呼ばれていたこともあるが、資料の題名の一部Gazetteerを世界自体の名と誤訳していたものである。
ガゼッタワールドやカプコンD&Dの世界が、「最初のD&Dの世界」「以後のTRPG/CRPG)の原型」であるとか、「3.0eでWGに置き換えられるまでD&D(海外TRPG)の主流の世界でRPGの常識として広く認識されていた」というのは、CD&D(赤〜黒箱、本国ではBD&Dとも呼ばれる)が最古や主流であったという根本的な誤解とあわせて、日本でのみ信じられている誤まった説であり、ミスタラはAD&DやWGより遥かに後に、遥かに限られた規模の入門用BD&Dのために作られた世界にすぎない。また、ミスタラは3.0eよりもかなり前に、BD&Dの展開終了と共にAD&D2nd用世界としてすでに再編されている。BD&D経験者を中心に知名度は低くないが、圧倒的多数派のAD&Dの主要世界群(WG, FR, DL, Ps等)と比べれば非常にマイナーであり、わずかなミスタラ舞台のSSI社のCRPG(Fantasy Empires等)や前述のカプコンD&Dを除けば、(日本で頻繁に流布されているような)CRPG化の例もなく、また時系列上、海外CRPG発祥への直接的影響は皆無である。
なお、日本では「ガゼッタ」として知っているゲーマーには、ミスタラという世界の名は全く知られていないため、FR世界の女神Mystra(ミストラ)の名前と混同したり、わざわざこの二つを同じ語の読みとして併記している(つまり、両方の語を知っているにも関わらず、本当に同じものだと思っている)といった"TRPG"サイトは少なくないので、これらの語について調べる場合は注意を要する。
ミスタラ世界の特徴としては、情報密度が濃く、地方によるがマジックリッチぎみで、現実の地球の、中世よりも時代が進んだ頃の(ルネサンス期の重要発明だけが無く社会構造のみ似ているといった)モチーフが非常に多い。WGよりはFRに近いが、さらに、クリーチャーや魔法等の一部の細部ギミックに関しては、FRやDL以上に、メジャーで基本的な(WG的)D&D世界とは大きく異なる点が少なくない(このため、上述したCD&Dやミスタラが最初・主要と信じている日本のTRPGゲーマーによって、ごく当たり前のFTの要素さえ「最初のD&Dでは異なっていた・存在しなかった」等と誤って言いふらされていることが非常に多い)。和訳されていた箱のルール内では存在さえ一切触れられていなかったが、地上世界(ノウンワールド)の他に空洞地球の地下世界(ホロウワールド)がある。
このような背景の割に、ミスタラは意外とNWN1/2との関わりは深く、ミスタラを舞台としたモジュールの移植(PnPからNWN1/2へのコンバート)は少なくなく、さらにNWN1では、CD&Dのモジュールが和訳されている割合が比較的高い。このため、ミスタラ(ガゼッタ)の地名や設定を目にする機会は、PnPの(3.Xe以降の)D&D界隈に比べると、NWN1/2ではかなり多い。
〇Neverwinter :Nightsがつかないもの。D&D4版のシステムを用いたMMORPGで、NWN1/2と同じFRのネヴァーウィンター市を舞台としている。日本語化はされていない。4版及びこのMMORPGにおいては、Nw市やFR世界は、百年以上後で大きく様変わりしており、ゲームシステムだけでなく世界設定もNWN1/2とは大幅に異なる。当初はNWN1/2と同様の(いわゆるNWN3的な)ユーザーコンテンツ作成自在の後継システムとする予定であったらしいが、MMOに変更された(別の言い方をすれば「メーカーが準備したPWサーバーでプレイする」以外の要素は全部削られた・完成しなかった)という経緯がある。BGのミンスク等のソードコースト地方の有名キャラや、NWNシリーズからはリヌが参加しており、またPnP版の資料と密接に関係しているなど旧来新規双方のプレイヤーを取り込むための工夫が意欲的になされているが、NWN1/2のモジュール作成界隈に限って言えば、残念ながらまったく関係ない世界のDDOやエベロンなどと比べてすら、話題やモジュールの題材になることは少ないようである。
〇OD&D: 1974年に出たオリジナルのD&D(茶箱・白箱)のこと。日本で出ていた「赤箱」がオリジナルであるとか「オリジナルD&D、OD&D」という語は「赤箱」を指すだとか混同しているサイトがかなりあるが、非常にくどいようだが日本で出ていたCD&D(赤箱)とは別物かつ別系統である(赤箱はオリジナルでも、その直系ですらもない)。
OD&Dはその原型となるウォーゲームChainmailの影響が強く、というより各所にChainmailのルールを直接引用しており、ChainmailをRPG(多数のユニットではなく1人のキャラを操り成長させるゲーム)として運用させるための追加ルールに過ぎないといった印象すら受けるが、だいたいおおまかにはAD&Dの基本部分(無論のことAC, THAC0, HD, ヴァンシアン呪文発動といった基本ルール、種族と職業が無論分離されている等)は完成している。ただし、最初のルールには戦士、僧侶、魔法使しかおらず、呪文レベルも魔6・僧5までしかないなど小規模である。これが数本の追加ルール本と、それ以上にDragon誌により大量にルールが追加され、それを整理したのがAD&D1stとなり、以後5版まで至る。一方、入門者用にOD&DとAD&D1stの中間的に簡略化したものがBD&D第2バージョンであり、それをさらに大幅に改変・削減したものがCD&D第3バージョン(水箱)、第4バージョン(赤箱)となる。
1980年代以降の海外CRPGはほぼAD&D1stベースだが、それ以前(1975-77年頃の最初期)のCRPGはOD&Dをベースにしており、その最初期ゲームのコード改変や直接ベースにしたなどの理由で、以後のゲームにもOD&Dの踏襲箇所が根強く残っていることも多い。例えばStrの最大値が18/00でなく「18」だったりする場合、OD&Dベースのゲームの影響がそのまま残っているものである。CD&Dゲーマーが喜々として「AD&Dでなく赤箱の影響」と主張する点を見つけても、それは赤箱CD&Dの方ではなく、単にAD&D原型のOD&D由来であることがほとんどである。
〇Pf: Pathfinder. 3e系d20、サードパーティー製のいわゆるD&DライクのPnP用ゲームシステムのひとつ。ルール入門のページにも書いているが、本家のD&Dが4版以降かなり違ったシステムに変わったため、サードパーティーが人気のあった3.5eの方の直接の発展型といえる(3.75e的とよばれる)システムを作ったものであり、一時はPf自体にも本家のシェアを食うほどの人気があった。システムに日本語の有志訳がある他、一部はスターターなどの和訳商品もある。3.5eの発展ルールとして3.Xe系のプレイヤーから話題になることは少なくないが、やはり本家D&Dではないとして避ける・厳密に区別するゲーマーも多く、若干の注意を要する。NWN1/2では、3.Xe系として話題に出る他、Pfのシステムを実装するhak類もある。このサイトでもシステムの話題などで特に脈絡なくPfを例に挙げることは多い。
○PHB: Players Handbook. D&D系のどの版でもプレイヤーが最初に読む最も基本のルール書である。当然版ごとに別々の本だが、このNWN2のコーナーではだいたい「D&D3.5eのPHB」を指す。この項目内では「PHB基本クラス」等といった用語の使い方をしているが、この基本ルールに載っている種族、クラス、呪文等は最も基本的で理解しやすいと共に、これらを理解することがD&D系のルールそのものへの理解につながる。とはいえPHBだけでも膨大な情報量であり、他のTRPGの1システムの関連書籍を全部集めてもD&DのPHB1冊の方が遥かに情報量が上回っている、ということがよくある。D&D系PCゲームのプレイヤーは理想を言うならば3.0eか3.5eの日本語PHBを持っていたいところだが、特にNWNでは、ルール説明はゲーム内でもほとんどが表示され、それを読んでいればいいので、必須ではない。安価に手に入ればキープしておいて損はない程度である。
〇Ps: Planescape.AD&D2ndのセッティング(後述するが世界設定と呼ぶのは正確でない)のひとつで、他次元界、特にシギル(シジル)の都を中心とする「転輪」の外方次元界を冒険の舞台とするものである。AD&D1stのManual of Planes (MoP)で説明されている他次元界を本格的に舞台にするものといえるが、特徴はむしろ、AD&Dのすべての世界設定や、その他の世界(地球も含む)の中心・上位にこれらの次元界(転輪宇宙)が結合している、という概念にある。オルクスやヴェクナといったD&D系全体で有名な魔神・邪神の陰謀は複数の世界設定を巻き込み、それを手繰るに従い高レベルの冒険者はどの世界出身であってもこれら中枢の次元界やシギルに辿りつくこととなる。D&D全般に、ムアコックやゼラズニイの多元宇宙物やラヴクラフト等のドリームスケープ物の影響が強いが、それが特に色濃く出たシリーズである。
AD&D2nd時代にはPlanescapeのCRPGとして、BGと同じInfinity EngineでPs:Tが作られ、精神・概念に的を絞ったRPGらしからぬ濃い内容で、現在もRPG史上全体で常に1−3位に入るといった空前の傑作とされている。ただし、売上でなくカルト人気作の色が濃く、一般ゲーマーには怪作の類でもある。ゼラズニイの影響が特に濃いことから、Roguelike界隈では 和Z板倉氏のレビュー もある。このプレイ記には「セガが日本語化する」という情報について書いてあるが結局公式和訳はされなかった。Ps:Tには私家日本語化パッチがある。
その後、D&D3.Xeでは、次元界の仕組みは世界設定ごとにそれぞれ別々に存在することとなり、Psで用いられた仕組み(転輪)はWG世界(標準宇宙観)のみのものとされた。3.Xeユーザーからは、WG世界は次元界の設定は魅力的だが、肝心の主物質界(惑星オアース)の設定がいまいち薄い、と疑問が述べられていることがあるが、これはオアースが最初期モジュールの簡素な背景設定を繋ぎ合わせた等で抜けが多いのに対して、転輪の方は全多元宇宙に君臨し得るようなPsの設定をそのまま持ってきたからに他ならない。
NWN1/2では、FRやWGの箇所でも述べているが、3.XeではFRには次元界については別の設定があるにも関わらず、OCやユーザーモジュールを問わずPsのままの設定(3.Xeゲーマーからは「WG」の設定と同じに見える)になっていることがある。また、ユーザーモジュールにも直接にPsのセッティングを用いたキャンペーン、PWなどもあり、前述のPs:Tをリスペクトしたモジュールも見られる。
〇Ravenloft :レイブンロフト。主に旧版AD&Dで展開した、ゴシックホラー(吸血鬼、狼男など)のキャンペーンセッティング。厳密には単体のワールドではなく、小規模な閉鎖的世界で(Psや標準宇宙観のルール的には「疑似次元界」である)しばしばプレイヤーキャラ等も含めて、外部の者が「悪夢の世界」に迷い込む、という導入が採られることがある。また、悪役などの他のD&D世界設定のキャラも迷い込む。邪悪な者はこの土地ではより強化されるといった特殊ルールがある。元はローラ・ヒックマンがTSR社(当時)に持ち込んだAD&D1stのI6モジュールを元としており(作者や事情の話は非常に長いので省く)、当時は世界設定を特定しないゴシックシナリオのひとつであったが、特にAD&D2nd以降はゴシック題材の世界設定のひとつとして広く展開した。前述のI6モジュール(代表的ヴィラン、ストラード伯との対決)を題材にしたゲームブック、ボードゲーム等も作られ、SSI社のCRPGの第二期(EotBなど)にはレイヴンロフトのCRPGも複数作られた。3.Xe以降はPnPでは特に主要な世界設定ではないが、NWN1/2では、レイブンロフトのモジュールは他の(今はメインではない世界設定の)PsやDS等同様にしばしば見られる。例えばNWN1では前記I6モジュールの再現や、他の敵を据えてこのゴシック世界を舞台にしたオリジナルの内容など、題材にしたモジュールが少なくない。おそらく、ゲームブック等もそうだが、一人のプレイヤーキャラが困難や謎に挑戦する、といった状況に合っているためもあると思われる。
〇ToEE: The Temple of Elemental Evil. 同名のPnP版モジュール(T1-4モジュールやその関連作)、またはWGの世界設定上存在する施設名(HJ社の訳語では「元素邪霊寺院」)も指すが、当サイトでは特に断りのない限り、同名のCRPGを指す。NWN1の後、NWN2の前の2003年にリリースされたwindows用のゲームで、「3.5eベース」かつBGやNWN1,2等のリアルタイムとは異なり「完全ターン制」であり、ルールも含めPnPのD&D及び3.5eの再現度が特に高いことが最大の特徴である。
ゲーム内容は基本的に淡々としたダンジョンアタックだが、ただし、前記の元素邪霊寺院を含めた主に2ダンジョンに限られ、ボリュームが物足りないことも惜しまれている。3.5eの超正統派の直球として、3.Xeでの「標準宇宙観」とされるWG世界が背景である数少ないゲームであることも売りにはなっているのだが、別の箇所でも述べているが、他次元界にまたがる重要設定は「WGの設定」というよりは、WGに取り込まれる前のAD&Dの共通設定または「Planescapeの設定」と言った方がよく、FRゲームと異なり、WG(惑星オアース)の設定を知る助けにはあまりならない。
かつては日本語版も販売されていたが、翻訳の質が非常に悪く、しかも致命的なバグが入ったバージョンでパッチも適用不可であったため、日本での知名度はNWNやBGほどにも無い。一方、海外ではおそらく貴重な3.5eのターン制のシステムであることもあってか根強い人気があり、バグフィックス、拡張、さらにはモジュール追加ツールなども現在でも作り続けられている。続編や類似のD&D系ターン制後継作は出ていないが、D&DライクなRPGを開発しているインディーズ作者には、いまだに「ToEEに影響された」「ToEEを目指した」と言及する者も少なくない。
○WG: World of Greyhawk. イギリス綴りでGreyであり、またGrey Hawkという熟語でなくGreyhawkという単語である(そのため日本のTRPGゲーマーの間で頻出する『GH』という略語は誤り)。D&Dシリーズのルール部分に頻出する人名、呪文名(モルデンカイネン、テンサー等)やアイテム名(ヴェクナ等)の出典の世界設定がWGである。WG世界そのものを採用しているPCゲームは少なく(ToEE, D&D:Heroesなど)PCゲームシリーズの殆どのFR世界とは別世界(惑星が別)だが、下記の事情があるので触れる。
WGはよく「D&Dシリーズの創始者ガイギャックスによる古い世界設定」と説明されるのだが、「ガイギャックスらがオリジナルD&D(茶・白箱)で使用していた設定」「OD&D/AD&Dのルールブックの共通用語」「主に後年のTSR/WotC社により、それらを繋ぎ合わせ・補強して作られた世界設定」は完全に同一でなくそれぞれ別々に存在すると同時に、その間の境界は、かなり曖昧である。3.Xe以降の「WG世界」とは結局のところ、元々WG特有ではなく、曖昧に初期D&D全般に広がっていたこれらの要素を、「WG世界(のみ)の設定」と定義しなおした世界設定である。そのため、これらの元AD&D共通要素はあくまで3−5版ではWG特有になり、FRやエベロンには無いはずなのだが、5版に至ってすら、いまだに世界を問わずD&Dシリーズ全体の共通設定として完全に除去されず残っているものが少なくない(モルデンカイネンなどの呪文についた人名、ヴェクナなどのアイテムについた人名など)。
特に、FR世界が舞台にもかかわらず、AD&D1st−2ndの旧ゲーム(GoldBox, BG)や、3.Xeにも関わらずその影響を大きく引きずったNWN1,2には、今ではWG特有とされている用語や宇宙構造の設定などが(FR独自のものが別にあるにも関わらず、それを採用せずに)用いられていることが少なくない。また、前述のToEEや、NWN1/2のユーザーシナリオで再現されているWG舞台のPnPモジュールは、LGG(『グレイホーク・ワールドガイド』)に書かれている惑星オアースの設定というよりは、3.Xeよりも以前の「D&D系の共通設定」に関わるものが多い。PCゲームの設定を知るには、LGGに書いてあるようなWGそのものを知る必要があるというより、上述の長く使われてきた共通設定の部分を深く知る必要がある。
典型的な例では、AD&D時代には主物質界はワールドごとに別の世界(惑星)だったのだが、異界に飛び出すとどのワールドも共通(転輪宇宙の中に全て存在)になっていた。シギルの街は「WG世界の異界の中心」ではなく「D&D系あらゆるワールドの中心」だったのである(そのためシギルの名はBG2等にも登場する)。これが、D&D3.Xeでは転輪宇宙やシギルはWG世界のみの設定とされ、他のワールドでは他の宇宙観とされた。3.XeのFR世界の異界は宇宙の樹のような全く別の構造となり、転輪とは全く関係もないし行き来も(影界などをかなり寄り道しないと)できない。ところが、NWN1/2では、3.Xeにも関わらずFR独自の樹の宇宙の設定が採用されておらず、異界に出ると転輪のまま(というかAD&Dのまま)の概念や地名が出てきたりする。そのためNWNのこれらの設定を理解するには、FRやWG(の各惑星)の設定ではなく、かつて全てのワールドにつながっていた頃の転輪の設定を理解する必要が出てくるのである。
カスタマイズに関するもの
○2da: .2daとは設定ファイル(overrideフォルダなどに入れる)の拡張子である。2da自体は2-dimensional array(2次元配列)データの意で、単に縦軸と横軸がある表で記述されたファイル、という意味にすぎない。が、BG等のシリーズ(Infinity Engine)やNWN1,2では、ゲームの根幹的設定がこの拡張子のファイルで設定されている。そのため2daファイルを見たらゲームシステム変更のカスタマイズファイルだと思え、というのがBGやNWNシリーズでのお約束である。
その内容はゲームシステム(ルール)やキャラの外見まで様々である。すなわち、2daファイルを変更、追加することで、モジュール(ストーリー、シナリオ)だけでなく、ゲーム内容をかなり自由に変更追加できるようになっている。ファイルはテキストエディタで編集できるが、NWN2用の新しいものはexcelで編集しやすいものが多い。
特に、NWN2では(個々モジュールに適用するにはhakファイルを編集しなくてはならなかったNWN1と異なり)キャンペーン形式のモジュールの場合、2daファイルをキャンペーンのフォルダに放り込むだけで適用でき、コンフリクトなどを避ける管理が行いやすく、カスタマイズが手軽に行いやすくなっている。実際は日本語版や版の違いによる留意点もあるが、詳しくは個々のカスタマイズに関するページで述べる。
〇印(Brand) :アイテムについた強化ボーナス(攻撃や能力値)、追加ダメージ、発動等の総称で、海外サイトではPropertyと呼ばれていることが多い。BrandとはD&D系のPnPルールでも一部のエゴアイテム等に使われる用語だが、要はこのサイトがRoguelikeサイトなので、風来のシレンシリーズの用語を用いているというただそれだけである。
〇campaign: 複数のモジュールファイル(.mod、後述)を結合させる形式のモジュール、又はそのためのcampaignフォルダ。キャンペーンとは、日本で言うTRPGでは、複数のセッションの連続からなるストーリーを指すことがもっぱらだが、元は(OD&Dの原型でもある)ウォーゲームの用語から輸入されたもので、戦役(campaign)などを表現する(多くは作戦級や戦術級などのゲーム要素の結合からなる)大規模ゲームを指す。
NWN1では、複数のシナリオといえるイベントを包含した長編モジュールや、複数の続編モジュールからなる(同キャラ使用を推奨されている、または自動で次のモジュールに移動する)シリーズがキャンペーンと称される・呼ばれることがあった。OCなどの公式モジュールも複数の章(モジュールファイル)からなる。NWN1では、複数のモジュールファイルを移動する場合、キャラクターデータや所持するアイテムなどを引き継ぐに過ぎず、また基本的にはOCなど、前章モジュールから次章モジュールへの一方通行のストーリー物が多い(ユーザーモジュールでは、イベントアイテムやdatabase利用などの作成者の工夫にもより他のパターンもある)。
これに対してNWN2では、ツールセットの設定によってcampaignフォルダを作成し、複数のモジュールファイルを結合させた「キャンペーン形式」のモジュール群が作れるようになっている。キャンペーン形式のモジュールは、開始時のメニューでも単発の「新規モジュール」ではなく、OCなどを含め「新規キャンペーン」から選択するようになっている。campaignフォルダによる設定では、キャラデータやアイテムだけでなく幾つもの要素(例えばコンパニオンのデータや直接のフラグ、グローバルデータなど)を引き継ぐことができ、一方通行のみならずモジュールを有機的に結合する、例えば自由に行き来するような構造も可能である。例えば地方によって別のモジュールファイルに移動する形式などがあり、顕著な例が公式ではSoZであり、ユーザーモジュールではPath of Evil等がある。
また、NWN1ではモジュールごとにhakファイルを選択していた(そしてコンフリクトが多かった)特殊ルールも、campaignフォルダに入れることで管理できるようになっている。複数キャラ作成によるパーティー、モジュールファイルへの追加要素(例えば他ゲームのmod (modification)のように、キャンペーンのプレイの途中にシステムやシナリオを拡張するなど)も可能である。必ずしもNWN1の時点では実現不可能だったことばかりでもないが、campaignフォルダの形式を採用したことが、NWN2のカスタマイズ面を大きく拡張している要素といえる。
〇デフォルトルール :このサイト独自の用語として、hakやoverrideのようなユーザーのカスタマイズ要素を入れる前(パッケージ購入時の状態)を、「ユーザーhakなしのデフォルトルール」等と引き合いに出すことがよくある。NWN1/2はゲームの性質上、ユーザーにより(あるいはモジュール側により)ほとんど何らかのカスタマイズ要素を導入し、ゲームルールそのものが変更されていることが多々あるので、こういった表現が必要となってくる。オプション(難易度スライダー等)の指定を指すものではない。アマチュア(インディ)ゲームの用語として、海外サイトでは他にはvanilla(アイスクリームのバニラのような基本、無印)、canon(正典、シャーロキアンが「ドイルによる原作」をふざけて宗教用語のように表現している等の用法が由来)が用いられていることもある。当サイトでデフォルトルールと言った場合、NWN2では「OCにMotB,SoZの追加パッケージとMoWの追加要素を加えた状態」、早い話が「Completeのパッケージ」の状態を指す。NWN1では「OCにSoU,HotUと1.69のパッチを加えた状態」、あるいは「Diamondのパッケージ」の状態である。他ゲームではvanillaといった場合、拡張パッケージの類も入れていないものを指し、NWN1/2で言えば、OCのみの状態を指すことがあるが、NWN1/2では現在そのような状態のものを入手すること自体が困難、あるいは全くメリットがないので、当サイトでは考慮することはない。NWN1のセガ版などの旧版でそのような状態になっているユーザーは当サイトの記述についてその点を念の為留意されたい。
〇DM required: 古いモジュール(特にNWN1)によくある表記。一見すると意味が分からないかもしれないが、「DMが必要」なモジュールとは、基本的にマルチプレイ、かつモジュールを進行・管理するDMと数人のプレイヤーで(実際のPnP/TRPGのオンラインセッション風に)進行する前提となっているモジュールである。つまり、DMなしで他のシングル用モジュールのつもりでプレイすると全く進行しないといったことがよく起こる。粗製乱造されていた初期のものには、no DM requiredと書いてあっても実際には同様である(DMがいないと何も起こらない)というえんがちょなモジュールも多い。たまに続き物の途中のモジュールだけこうなっていたりすることもある。今はこれほど古いモジュール自体プレイされることが少ないと思われるが、一応注意が必要である。
〇erf: Encapsulated Resource Fileを示し、NWN1/2でツールセットから「エクスポートされたファイル」につく拡張子。クリーチャー、アイテム、地形等、どんなデータでもエクスポートするとこのファイルになる。というか、これらの複数の種類が含まれる(一括でエクスポートした)アーカイブもこのファイルになる。自作したデータは他のモジュールでインポートできるよう、エクスポートしてこの形式で保存しておくとよいのかもしれない。ダウンロードしたカスタマイズファイルでこれが入っていた場合、モジュール作者が(あるいはプレイヤーが使いたいモジュールを開いて)インポートして使用するためのものである。
〇エターなる :続編、アップデート等が途絶えること。日本のツクール用語で、作者のやる気などでゲーム自体が未完のまま放置される(ツクールの場合、プレイできる状態にまで到達しないことも多い)ことを指す。べつにNWN1/2界隈で用いられている用語ではない。が、このサイトではNWN1/2のコンテンツについて、完成したコンテンツでも続編が予定されていながら作られないもの、アップデート(新バージョンへの対応、fix等)が止まったものを広く指し、また事情を問わず、公式・ユーザーコンテンツを問わない。ツクール類の例によって、NWN1の頃からエターなるコンテンツは少なくなかったが、不幸なことにNWN2の場合は初期のバグで途中で離れた作者が多く、かなり多くの割合のモジュールやhakがエターなっている。
○hak: 一般に他の洋ゲーでのmod (modification)にあたる改変ファイルは、NWNではmodではなくhakである。ストーリーでなくゲームシステムやインターフェイス、グラフィックの追加や改変を行うファイルを指す。厳密には、モジュール(シナリオ)ごと、すなわち作者が設定したストーリーごとに導入されているオプションがhakであり、ゲーム全体を改変するように導入するものはoverrideであるが、検索などでは改変ファイル群は「hak/hakpak」と分類されていることが多い。hakの方はモジュールの方で指定しない限り適用されないので、他のシナリオを改変してしまうようなことはない。モジュールファイルと一緒にhakファイルが添付されていて、hakフォルダに放り込むことになっていることが多い。.hakファイルは実は他の2da, mdlやncsなどの複数のファイルがまとめられたものであり、例えばNWN1付属のnwhak.exeなどのツールで展開できる。
→override
○mod/module: 洋ゲーでよく使われる用語のmodはmodificationでゲーム改変ファイル(群)を指すのだが、NWNのmodは古くからのD&D用語のmoduleで、要はゲームのシナリオのファイルを指す。(ただし、modという記述はモジュールファイルの拡張子が.modであることからNWN日本語界隈ではよく使われているが、海外ではmoduleとフルで書かれていることが多いようである。)
D&D系における「モジュール」とは、要するに公式(市販、商用)シナリオである。AD&D1st〜2ndやCD&Dの市販モジュールは、シナリオだけでなく、大量のルールやデータや世界設定資料などを含んでいることも多く、基本ルール以外の外部追加要素といった意味でもモジュールと呼ばれていた。複数回のセッション(キャンペーン)の内容を含んでいるものが多い。(現在ではD&D系でも、シナリオだけを含んだ書物はアドベンチャー等と別の名で呼ばれていることが多い。)この伝統から、NWNのシナリオのファイルも「モジュール」と呼ばれるが、多くのmodファイルはシナリオだけでなくゲームデータや特殊ルールなども含まれているので遠からずである。NWNのmodファイルはユーザーが自由に作れるため、無数に存在し、短いものから連作キャンペーンまで多々ある。
このサイトでは、modというと上記他の洋ゲーの用語modificationとややこしいので、「モジュール」とカタカナでフルに書くことが多い。
→OC →hak, override
○override: 上記のhakのようなファイル改変をゲーム全体(インストールされているNWN全体)で行うのがoverrideである。例えば、あるモジュールでだけファイヤージャイアントが「はちゅねミク」の姿に指し替わるようになっているのがhakである(他のモジュールではファイヤージャイアントのまま)。これを、どんなモジュールでもファイヤージャイアントを出そうとするとはちゅねミクが出てくるようにしたのがoverrideである( 例:NWN1用 )。ゲーム全体の改変、例えばクラスや呪文や特技を追加するような根本的な改変はoverrideで行うことも多いが、常に適用されるため、他のhakやoverrideと衝突する危険性も大きい。無闇にoverrideを濫用すると「シリアスストーリーでジャイアントの集団が襲ってくる緊張感あふれる場面ではちゅねの集団に襲われた」「HotUのエンディング大団円で伝承家が伝説を読み上げる余韻あふれる場面で伝承家のアゴが伊藤カイジに差し替わっていて台無し」等の不具合が続出するため、注意が必要である。
〇sav: 要はセーブデータだが、NWN1/2ともにセーブデータのフォルダにはsavファイル以外にも複数のファイルが入っている。Infinity Engineから共通であるが、セーブデータにはキャラクターがモジュールのエリア等に与えた影響等も記録されており、savファイルの中にはモジュールのデータも含まれる。そのため、NWN1/2でゲームの途中でモジュールの方をツールセットで改変(改良)したとしても、その時点でのセーブデータには基本的に反映されない。それが(特にNWN1では)他の洋ゲームのmod(ここではmodification)のような、既存のモジュールに追加要素を与えるようなユーザーのカスタマイズが少なく(モジュールを改変しても、すでにプレイ済のセーブデータが使用できないため)、新規のモジュールを作る方が盛んな理由でもある。
〇tga: TARGA(Truevision Advanced Raster Graphics Adapter)形式の画像ファイルの拡張子。元はトゥルーカラーのグラフィックボードのフォーマットであり、以後3DのCGなどに伝統的に使用され続けている。BGなどのInifinity Engineのポートレート等がbmpなのに対して、NWN1/2がtgaが主なのは3Dデータを扱うゲームであるためそちらの慣例と思われる。3Dモデルの表面テクスチャであれポートレートであれ、多くの画像ファイルがtga画像であり、モジュールを作成しないただのプレイヤーであってもtga形式のフォーマットを編集できる手段は必携である。
○tlk: NWN1/2やBG(Infinityエンジン)等において、ゲーム内のテキストを収納しているファイル。特にゲームフォルダやユーザーのNWN2フォルダの直下にあるdialog.tlkはゲームシステム用語だけでなく、OC/拡張モジュールのテキストの大半が依存している。NWN1/2の日本語化はこのdialog.tlkを翻訳することによってシステムとOC等付属モジュールを和訳している。システムのカスタマイズにおける用語の編集(例えば種族名の追加など)には多くの場合、dialog.tlkの編集を要する。フォント設定の違いなどから、英語と日本語のtlkを併用していると不具合が起こる(一部テキストが表示されない)こともあり、tlkの併合(全てdialog.tlkにまとめる)などの工夫が必要である。OC以外のモジュールでは、会話(カンバセーション)等の内容はtlkでなくモジュール側に格納されていることが殆どだが、純然たる英語モジュールをプレイしていても、たまにテキスト中に"Ha! Juicy meat of ドワーフ!"などと仮名が混ざることがあるのは、モジュール側のテキスト内でも一部用語にdialog.tlkを引用していることがあるため、tlkを日本語化していると対応する日本語が出てくるためである。
〇ユーザーモジュール :公式用語やvault等で一般的な用語ではなく、当サイト独自の用語である。公式でなくユーザーが作成したモジュールを指す。さらに詳しくは、OCなどの本体付属・SoUやMotBなどの拡張パック付属・KingmakerやMoWなどのプレミアムモジュール・DoDなどのプレミアム崩れやメーカー関連モジュール等を「除いた」、純粋なユーザー製のモジュールを指す。なぜこうした用語を使うかというと、日本では「OCや拡張のモジュール内容」だけがあたかも「NWN1/2」というソフトウェアそのものである、というような認識が強く、ひいては単に一言モジュールというだけではその概念すら理解されなかったりするため、手っ取り早く「ユーザーが作ったコンテンツ」と理解させやすい字面で説明するためである。
ゲームやソフト名の略語
NWN関連
NWN : Neverwinter Nights
NWN1 : Neverwinter Nights(1作目特定、拡張等総称)
SoU : Shadow of Undrentide (NWN1の拡張パッケージ1)
HotU : Horde of the Underdark (NWN1の拡張パッケージ2)
NWN1EE: Neverwinter Nights Enchanced Edition (NWN1の2018年の解像度等対応リニューアル版)
NWN2 : Neverwinter Nights 2
MotB : Mask of the Betrayer (NWN2の拡張パッケージ1)
SoZ : Storm of Zehir (NWN2の拡張パッケージ2)
MoW : Mysteries of Westgate (NWN2の公式追加モジュール)
Infinity Engine (1990-2000年代のWindows等用のCRPG)
BG : Buldar's Gate
BG1 : Buldar's Gate (1作目特定)
BG2 : Buldar's Gate 2
TotSC/TSC : Tales of the Sword Coast (BG1の拡張シナリオ、BG1EEには付属)
SoA : Shadow of Amn (BG2の本編シナリオ特定)
ToB : Throne of Bhaal (BG2の拡張シナリオ、邦訳はBG2完結編、BG2EEには付属)
BG1EE : Buldar's Gate Enhanced Edition (BG1の2010年代リメイク)
BG2EE : Buldar's Gate 2 Enhanced Edition (BG2の2010年代リメイク)
SoD : Siege of Dragonspear (BG1EEの拡張パッケージ)
BG3 : Buldar's Gate 3
IWD : Icewind Dale
IWD1 : Icewind Dale (1作目特定)
IWD2 : Icewind Dale 2
HoW : Heart of Winter (IWD1旧版の拡張パッケージ、IWDEEには付属)
TotL : Trials of the Luremaster (HoWの無料DLC、IWDEEには付属)
IWDEE : Icewind Dale Enhanced Edition (IWD1の2010年代リメイク)
Ps:T : Planescape: Torment
Gold Box Engine (1980-90年代のDOS/FC等のCRPG)
PoR : Pool of Radiance (88年版と2000年版があるが、単にPoRといった場合、通常はGold Boxの88年版を指す)
FRUA : Forgotten Realms Unlimited Adventure (GoldBoxエンジンのシナリオエディタ)
NWN0 : Neverwinter Nights, AOL (GoldBoxエンジンに準じて作られた1991年のネットRPG、NWN1の先駆け)
その他
EotB : Eye of the Beholder (PoRとエンジンは異なるが同社の広義の同シリーズゲーム)
ToEE : Temple of Elemental Evil (3.5eベースの完全ターン制ゲーム)
DDO : Dungeons and Dragons Online (3.5eベースのMMORPG)
LMA : Low Magic Age (非D&Dの3版系d20ゲーム)
Pf:Km : Pathfinder: Kingmaker (非D&Dの3版系d20ゲーム)
※D&Dゲームにはこの他、PoRの続編やDL世界等の多数のGoldBoxシリーズ、コンシューマ用のARPG、レイヴンロフトやアルカディムやダークサンやエベロンやミスタラを舞台にした数多くのゲームがあるが、このNWNコーナーでは出現頻度が少ない/略語が使われないので略した
○用語全般について備考
D&D系の用語にはさまざまなバージョンがある。新和訳、ホビージャパン訳(3.0eと3.5eで違う)、5版の邦訳、PCゲームのセガ訳、富士見ドラゴンブック訳、ポニーキャニオン訳、PCゲームの日本語パッチの私家訳などである。これらは両方知らないと同じ原語であることがわからないほど食い違っていることも多い。「アムン」と「オームー」、「ティア」と「チュール」などである。
このサイトでは、これらの語が適当に混ざっている。どれを検索してもひっかかるようにという深い意図ではなく、筆者にとって統一できないほどどれにも同じくらいなじみ深い上に、整理するのがめんどっちィーからである。
おおまかには、このサイトでは複数の訳語のうち、いまだにRogueliker向けのサイトであるためNHや*bandなどの「Roguelikeに訳があるもの」はそれをほぼ優先する(Orcusはオーケス、Dispaterはディスペータなど)。ついでセガ訳、ホビージャパンの3.Xe訳、富士見やポニーキャニオンの旧訳などを優先する。旧版のゲームや邦訳版の体験者に対して、検索しやすくするためである。4版や5版のPnP資料の邦訳はこれらと大幅に変わっていることが多く、できれば併記するが、しないことも多い。
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