〇Icewind Dale NWN2 (1lv開始〜約12lv終了、パーティー作成、PC6人) 新vaultのDLページ


 IWDといえば一本道の連戦ゲームである。なので当初は「英語を読まなくても戦闘していればいいモジュール」の箇所に名前を挙げておいたのだが、それを信じて突進していたらドワーフ遺跡のパズルの電撃の罠と何度も復活するリッチに死にかけたという苦情を受けた。そういえばIWD1,2ともに「忘れた頃に出て来るパズル要素」も特徴だったと思いだしたので、その他モジュール紹介の所に移そうと思ったが、書いてみるとえらく長くなったので、独立したページを設ける。


 Icewind Dale(1作目)のオリジナルは、2000年、BG1と2の間あたりの頃にBGと同じInfinity Engine(AD&D2nd)で作られたゲームである。レベル域もBG1と2の中間あたりまで進む。BGシリーズと比較すると、プレイヤーキャラを6人パーティー全員キャラメークする、NPC旅仲間やそのイベント等はない、キャラ自身の背景や設定に関連するイベントもない、マルチシナリオのBG1,2と比べると一本道の戦闘、それも固定敵をパズル的解法を探して順次倒していくという、BGと同じシステムながら、まったく別のシナリオに仕上がっている。
 FRのフェイルーンでも、ネヴァーウィンターやラスカンよりさらに北のアイスウィンド・デイルを舞台としているが、FRの基本設定以外にはBGやNWNのシリーズとの繋がりは特に無い。また、いわゆるドリッズトシリーズの最初のアイスウィンド・サーガ(原題:Icewind Dale Trilogy)と題名は同じだが、ゲームのIWDがはるかに前の時代(IWD1は1281DRで、Trilogyの70年前)であることもあって関わりは(BGやNWNにはあった小ネタなども)ほとんどない。唯一ラスト付近に登場するクリシャル・ティリスやクレンシニボンの話があるが、小説の記述と一致しない。Icewindというタイトルだからといってアイスウィンド・サーガ(ドリッズトシリーズ)の内容を期待するプレイヤーにおすすめできるわけではない。氷雪に覆われた舞台やFR世界自体は共通するとはいえる。
 IWD1は本国ではわりと好評だったため、拡張パックのHeart of Winter(HoW)と無料DLCのTrials of the Luremaster(TotL)、続編のIWD2、リメイクのIWD1EE(拡張・DLC分含む)も作られた。IWD2はD&D3.0e準拠だったが、再現度が低くInfinity Engineでは様々な問題があったためか、IWD1EEではリメイク前同様AD&D2ndのままである。なお、ゲームシステム以外に、IWD1,2ともにゲーム画面(背景)や一枚絵(キャラの顔グラなどのイメージ画)、さらにBGMの雰囲気が良いことはよく話題にのぼる。
 日本では、IWD1とIWD2の本体の日本語版がそれぞれセガ、ライブドアによってリリースされた。セガのIWD1は拡張やDLCは含まない。本国では上述のように成功しているプロジェクトだが、日本ではBGプレイヤーにも支持者はいるものの、肌に合わないという声も多い。おそらくは日本のゲーマーのAD&D自体の普及度・理解度の低さから、「ゲームシステム」のウェイトがBGに比べてもさらに大きいIWDの方が浸透しにくかったものと思われる。ライブドアのIWD2は(上述のIWD2自体のシステムの問題に加えて)翻訳の質が非常に悪く(同社のToEEと同様である)日本ではセガのIWD1以上に話題になることがなかった。
 IWDと拡張・DLC、IWD1EEには有志による(セガ訳を一部流用した)日本語化パッチが存在し、現在はセガの日本語版を探すよりも、拡張入りのこれらを日本語化した方が良い。IWD2のライブドア訳を使った日本語化パッチについては寡聞にして聞かない。


 原作ゲームの話はさておき、このNWN2版であるが、「IWD1」の「本体部分」を再現したモジュールである。当然NWN2の3.5eになっているが、再現性はかなり高い。SoZパーティーシステムで、原作IWD同様に6人パーティーを結成し、ゲーム内での旅仲間NPC(コンパニオン)などは出ない。PoRのNWN2リメイク(PoR Remastered)のようなアレンジ部分は全く無く、原作のゲームをほぼそのまま再現している。後述するルール以外のシナリオの流れ、敵やアイテムの配置なども原作そのままで、海外にあるIWD1のウォークスルー(攻略情報)の類がそのまま利用できる面が多い。このモジュール内のテキストは上述の日本語化可能な原作ゲームと違って英語版のみだが、詰まっても進行についてはこれらの情報を参照できるので、取っつきやすい面がある。

 一方で、BG Reloadedのようなカスタムコンテンツ(アイコン、3Dモデル、ひいては特技等のゲームシステム)を追加するようなものはわずかで、NWN2のデフォルトで再現している点が多い。アイテムのドロップなども原作ゲーム同様である。相違点としては、ショートカット(テレポート)用アイテムが補充されていること、NWN2のクラフト素材アイテム(OC型クラフト)が登場する程度である。
 多くは原作ゲームのInfinity Engine/AD&D2ndからNWN2/3.5eに変換したためでもあるが、かなりスムーズに進行するようになっている。動作などの他にも、おそらく3.5eの方がプレイヤーキャラが強力なためもあるが、難易度は低めになったと感じられる部分が多い。(NWN2の方がキャラ強力な例としては、例えば同じレベルでも1日の呪文数が多いキャラが多かったり、BG2のような高レベル技能のないIWDに対してNWN2では特技が豊富である。)難易度を調整することもできるのだが(ESCメニューで、パーティー結成窓の他に、細かくパラメータを調整できるウィンドウが開くGUIが追加されている)少なくともデフォルトのままだと進行に詰まるような難易度の箇所はないように思われる。
 原作ゲームでは、(BG1,2が敵の呪文使いへの対処が焦点だったのに対して)呪文使いばかりでなく、様々なバリエーションの敵に対して位置取りを含めた綿密な攻略が必要であったが、この再現モジュールではそれほど綿密でなくとも突破できることが多い。別の意味では、IWDの歯ごたえが落ちていると思うところだが、必要に応じて難易度を調整したり縛り(例えばパーティー編成で強力すぎるビルドのキャラは参加させない、人数を減らす)で対処するところである(このあたり、難易度は基本的に「プレイする側が自分で調整する」というのは、特にNWNモジュールでは考慮すべきところである)。もっとも、これはNWN2/3.5eへの移行により避けられない事態であるかもしれず、判断の分かれるところである。

 前述のようにIWD原作からNWN2への移行の変更点として、クラフト素材がよくドロップし、アイテムクラフトが可能となっている。
 IWD1既プレイ者には既知のように、IWD1では割と満遍なく様々な種類の武器防具などが登場するので、武器に特技(技能)をつぎ込んでも無駄になるといったことは少ない。が、当然NWN2の武器の種類の全てがフォローされているわけでもないし、進行の具合によってはある時期には中々希望する武器が出ないといったこともある。また、(AD&Dから3.Xeにコンバートしたモジュールにはありがちだが)外皮ボーナスや能力値増強を与える「その他のアイテム」が中々出ない。なので、これらをクラフトできるような技能や特技を取得すると便利である。
 ただし、これも前述のようにこのモジュール自体の難易度が低いので、特にクラフト無しで不自由するほどのことはないし、あえてクラフト等は縛るのも手である。


 なお、このモジュールはIWD1の「本体のみ」を再現している。HoWやTotLの拡張部分は入っていない。
 原作IWD1では、HoWは(BG1のTSCにも似ているが)IWD1本編のシナリオを進めていき、ラスボス戦より前でないと挑戦できない。TotLはそのHoWからそのまたHoWシナリオのボス戦より前でないと挑戦できない。すなわち、現在入手できるIWD1では、大半のプレイヤーはIWD1本編のラスボスにはHoWとTotLのクリア後に挑戦することになる。しかし、このNWN2版では本体しかないので、本体シナリオの終わり(1lvで開始したパーティーがだいたい12lv程度)でそのままラスボスと戦う羽目になる。もっとも、拡張が無い頃のIWD1やBG1もそうだったし、特にIWD1は本体しかセガ和訳が出ていなかったので、日本のユーザーにはむしろそれが当然なのかもしれない。


 HoWやTotLについては今の所、NWN2版は無く、作者も対応する予定は現状ではないとのことである。HoW, TotLはNWN1版のモジュールが存在するが、6人パーティーのIWDに対してNWN1ではプレイヤーキャラは一人なので、原作ゲームとはかなり違った様相になると思われる。








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