他ゲーム再現モジュール諸々


 NWN1/2、特に1には、D&Dシリーズの他のゲームや、さらにはシリーズとは全く関係のないゲームをNWNモジュールとして再現したものが、海外、翻訳、日本語オリジナルモジュールともに、かなり多数にのぼる。そもそも他のプラットホームで様々なゲームを再現するクローンゲームの発想はありふれたものである。

 こうしたクローンゲーム全般に対して、決まって一定数、「元のゲームをやっていればよいのになぜわざわざそんなものを作るのか(プレイしたがるのか)」という疑問を述べるゲーマーが常にいるのだが、あえて他のシステムでプレイしてみたい(NWN1/2の場合、特に古いD&D系システムや、それを模した海外レトロゲームをD&D3.Xeに移すこと)という動機はありふれたものであるし、特にそんな動機がなくとも、同じゲームを繰り返しプレイするのと同様に細部が変わった別バージョンの同ゲームをプレイしたくなるのは珍しい話ではない。なぜ作ったりプレイしたがるのか、といっても、旧来一定の需要があるから、としか言いようがない。

 しかし、そうした移植ゲーム(モジュール)が作る側にもプレイする側にもメリットばかりとは限らない。元が名作ゲームなのである程度の出来は保証される、と期待したいところであるが、実際は、元のゲーム自体が別のシステムに移す(再現する)ことに向いているとは限らないし、また作者が再現するだけの能力を持っている・動機を維持しているとも限らず、また「プレイヤー側が期待している方向性で作者が再現する」とも限らないからである。vaultの海外モジュールに関して言えば、原作つき移植モジュールの「当たりはずれ」は完全オリジナルモジュールの玉石混交ぶりと大して変わらないようにすら思える。むしろ、埋もれるだけの作品が多いオリジナルに対して、目につきやすいだけ外れにぶちあたる可能性は高いようにすら思えてくる。
 例えば、vaultの海外モジュールのうち、以前述べたWizardry#1の再現モジュールについては、私見では決して誤った再現の方向性ではないのだろうが(シングルプレイ用ではなくDM有のマルチプレイも想定している点も含む)、日本のゲーマー、いわゆるwizフリークらが、「Wizardryというタイトルに対して持っている先入観・期待するもの」から考えると、この再現の方向性は完全に地雷だと思われる。

 ともあれ本記事では、直系のAD&D系ゲーム(例えばGold BoxやInfinityなどの旧版ゲーム)や他PnPゲームの再現ではない、他のRPGやそれ以外のゲームの再現物を挙げる。



〇日本語版モジュール、Archiveで落とせるもの

 日本語版の再現モジュールは、すでにそれなりの評価のある海外版を翻訳したり、いちから再現するにしてもそれなりの強い動機が感じられるものが多く、比較的「当たり」は多いように思われる。いくつかは以前に雑記コーナーで紹介したものもある。



〇Tower of Doom
〇シャドー・オーバー・ミスタラ

 セガ版の頃の時代に雑記で述べたことがある、いわゆる「カプコンD&D」2作の再現モジュールである。いずれも「ベルトスクロールアクション」を「一本道CRPG」に変更する方向性で再現されている。
 続き物としてプレイはできるが、留意する点として、2作で作者が異なっているだけでなく、作風がまったく異なっている。1作目はNWN1が基本ボックスしかない(SoU, HotUが発売されていない)頃のもので、表現手法が限られた頃に、相当に試行錯誤して作られた感が強い。また、ゲームバランスも異常に強力なアイテムを多数登場させてバランスを取るなど、不具合でこそないが、今見るとやや不自然なところがある。2作目はNWN1用に同じカプコンD&Dキャラの顔グラを描いている、また他にはかつてT&Tソロアドの再現モジュールを作成していたarikawa氏によるもので、コンパニオンやゲストNPCとして登場するこれらのカプコンD&Dプレイヤーキャラ達をはじめ、演出がかなり豊富である。が、その演出に関して、こちらも1作目よりは新しいといっても、セガ版のかなり古いバージョンの頃に作られたため、現バージョン(GoG版DiamondやNWN1:EE)では不具合が起こることがある。最悪、ラスボスの場面で進まなくなる。こうしたバージョン違いによる不具合は、プレイする前に一度新しいツールセットでモジュールを開いてセーブしなおす、という操作で改善することもあるが、古いモジュールについては基本的に最新のシステムに対応しておらず、万全というわけにはいかない。



〇Phantasian

 名前はファンタジアン(クリスタルソフトの名作ダンジョンゲー)だが、ストーリーや舞台設定の中身はまんまファルコムのザナドゥである。そして、ゲーム進行そのものはザナドゥとは全く異なっている。クーブラカーンの歓楽宮の都を舞台に、多クエストクリア型のキャンペーンRPG(ファンタジアンやザナドゥ当時の日本のCRPGには、こうした流れをRPGとして扱う概念自体が存在しない)となっている。
 ザナドゥ等の時代のファルコムファンにはたまらない、また特に知らなくともやりごたえのあるキャンペーンだが、話は途中(続編をにおわせた感)でエターなっている。



〇Wizardry外伝2 古代皇帝の呪い

 Wizプレイヤーのみならずゲームボーイファンに広く知られている、GBの名作の再現モジュールであり、元のゲーム、モジュールともに純日本製(海外の移植物でなく、日本のゲーマーが作成したもの)である。
 冒頭に挙げた海外の#1再現とは対照的に、Wizadryのハクスラ的・戦闘成長的RPG部分、また外伝の仕掛け部分、下層でのパワーゲーム部分などが、いずれも徹底して再現されている。さらには宿屋や回復、レベルアップシステムまでNWN1とは変更が加えられているのは、えらくうざったいと思うか、再現が徹底していると思うかはプレイヤー次第である。
 ただし、これもセガ版当時の日本製モジュールの傾向として、マルチプレイ(オンラインセッション)によるパーティープレイを重視して作られている。元ゲームが6人パーティーのWizなので、ソロでプレイするとその点は似ても似つかないゲームになるが、一応プレイヤー一人でもできないでもない。



〇Golden Axe-ゴールデンアックス-

 かの名作ベルトスクロールアクションゲームのNWN1再現モジュールである。実はゴールデンアックスシリーズの再現モジュールは、vaultの海外モジュールでもえらく多く、ほとんど再現の方向性も同じもの(ベルトスクロールを一本道戦闘物にするだけのもの)だけでも、同じ1作目の再現で細部が違うもの(ビジュアルやバランスが違うもの、ものによっては原作のグラフィックやBGMのデータなどを大量にぶっこぬいて作られているもの)、2やその他の続編を再現したものなどがある。なんでそんなに人気があるのかというかNWN1のモジュール作者らをそこまでひきつけるのかはいまいち不明である。
 archiveに収録されている日本語移植版のこれは、その中でも最初期のもので、NWN1のセガ版時代でも拡張2本が出ていない基本ボックスのみの頃に作られていた。あくまで基本ボックスの頃の表現は限られているが、当時としてはビジュアル再現などに払われた労力がかなり評価されていた。なお、同シリーズのうち2の再現物は
かつての4gamerの紹介記事でもモジュール作成の参照にすべきとして例示されていたことがある。
 今となっては、上記ゴールデンアックス再現物のうちでもこの最初期のものをプレイする理由としては、「日本語化されている」という一点はあるかもしれないが、もとのモジュールが別にテキストが多いでも重要でもないので、日本語版でプレイする動機は乏しい。が、かといって新しい再現モジュールを選んだところで、前述のようにどれも再現の方向性は似たり寄ったりで、ゲーム内容自体にはそれほど差があるわけではない。英語版でもよければ、vaultで別のバージョンで好評なものを探してみてもよいかもしれない。
 よく知られた原作ゲームの主人公3人がプレロールドキャラとして付属しているが、似たようなレベルのキャラであれば一応プレイ可能である。ただし、他のキャラや能力によっては不具合が起こったりすることもあるので(バージョンやoverrideによるかもしれないが、場合によっては召喚したクリーチャーやヘンチマンがいきなり敵対して襲ってくるので、これらが使用できないこともある)あくまでプレロールドキャラでのプレイしか想定されていないと考えた方がよい。




(以下予定)
〇傭兵剣士
〇火吹山の魔法使い
〇アレンジドライド









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