〇技能の修得
以下は3.Xeに関する予備知識が全くないNWN1/2ゲーマー向けである。が、3.Xeライク(d20)でもPathfinder(以下Pf)などとはかなり異なっているので、留意する必要がある。無論、BG/IWDなどのInfinity(AD&D2nd)におけるスキル、D&D4−5版の技能システムとは全く異なる。
・技能と特技
他のRPGではキャラの特殊技能として統合されていることが多い能力として、3.Xeでは技能(skill)と特技(feat)がある。
一般に言えば、技能は、ポイントをつぎ込んで成長させ、判定(1d20)にプラスする形で用いるものである。これに対して特技は、取得すると何らかの能力(ボーナスや特殊行動)が得られ、成長させる要素はない。
ただしなにごとにも例外があり、特技にも、前提特技に対して上位の特技があり、次第に判定に加えるボーナスなどが大きくなっていくといった段階的な成長要素があるものも少なくない。また、特技にも、習得することで技能に熟練し、技能判定にボーナスを与えるようなものもある。対して、技能の方にもまれにだが、ランクの値によって特技と似たような受動的ボーナスが得られるものがある。例えば、軽業の技能はNWN1では5の倍数ランクごと、NWN2では10の倍数ランクごとにACに+1のボーナスが得られる(元ルールの3.Xeでは単純なランク比例ではなく多少複雑である)。
余談だが、BGなどのinfinityエンジンのゲームで「スキル」となっているもの(武器技能、高レベル技能)は、3.Xeにおいては「特技(feat)」の方に近い場合が多い。これはAD&D2ndの元ルールではスキルチェックも含む技能であったものがinfinityでは実装不足で混乱しているという側面も多分に含んでいる。infinityに限らず、他の日本製の"TRPG"やCRPGで技能やスキルと呼ばれているものは3.Xe, NWN1/2では特技に近い場合も多いので、注意を要する。
・技能の習得、上昇
技能はキャラ作成時と、キャラのレベルアップ時(クラスレベル取得時)に習得(上昇)させることができる。
レベルアップ時の技能ポイントの点数(ランクにつぎ込める数)はクラスごとに決まっている。例えばRogはクラスレベルごとに8点、Ftrは2点で、これにIntボーナスの修正が加わる。Wizもレベルごとに2点だが、WizのキャラはIntが高いことが多いので、潤沢なポイントが得られ、知識系の技能が多数習得できることが多い。また種族によっては、人間のようにレベルアップごとにさらに+1点される場合などもある。
キャラ作成時にのみ、クラスレベル取得時の4倍の技能ポイントが得られる。なぜ1lv時のみ「4倍」かというと、後述するように1lv時には1ランクではなく、クラス技能ならば最大4ランクまで上げることができるからである。(クラス技能の最大ランク=lv+3)
なので、マルチクラスを考えている場合、キャラ作成時にできるだけ技能ポイントの多いクラス(例えばローグ、バード等)で作成した方がその多い分がさらに4倍になって得、というのが一般論であるが、使う機会のない技能を4ランクだけ等持っていてもしょうがないことも多く(「5ランク以上」で有効な技能や前提条件というのも特にNWN1/2にはしばしば見られる)場合によってはそれらのクラスを高lvで取得した方が結局は有利な場合も少なくないため、ビルド構想による。
キャラ作成時やレベルアップ時に全ての技能ポイントを使わなくてはならないわけではなく、NWN2では「5ポイント」まで残し、次のレベルアップ時に持ち越すことができる。つまり、今回挙げるクラスレベルが適切なクラス技能(後述)を持っていない時は、次にクラス技能になるクラスを取得した際に使用する、といったことができる。
余談だが、NWN1では持ち越し可能なポイントに上限がなかったため、大量に技能ポイントを余らせておいて最後の40lv目だけRogやBrdを取得してある技能に大量につぎ込む、というビルドがあったが、NWN2では5ポイントまでなので(ある程度以上は)不可能である。
・クラス技能/クラス外技能
技能はランクさえつぎ込めば誰でも同等に使えるというわけではなく、「クラスごとに得意な技能」がある。例えば、忍び足技能はRogやRngは得意だが、Ftr(あくまで基本は「重戦士」を想定されている)や、肉体行動自体が苦手なWiz, Sorなどは得意ではない。得意な技能が「クラス技能」、それ以外が「クラス外技能」である。
すなわち、多数の種類の技能をクラス技能として持ち、レベルごとの技能ポイントが多いクラスが、技能にたけているということになる。具体的には、Rogが上述した技能ポイントの点数も、クラス技能の種類も、他のクラスと比べて段違いに多い。ベースクラスでは、ついでBrdやRngが技能に長ける。
「クラス技能」は上昇させるのに技能ポイントを1ポイントを費やす必要があり、その最大ランクは「キャラクターlv+3」ランクである。
一方、「クラス外技能」は上昇に要する技能ポイントは2ポイント、最大ランクは「クラス技能の半分(端数切捨て)」ランクである。
つまり、クラス外技能でも、効率は悪く最大ランクも低いが、成長させること自体はできる。たとえ低ランクでも有用な場合はあり、またプレステージクラスの前提条件を満たすためにどうしても必要な場合もある。例えば、NWN2には無いがNWN1のパープル・ドラゴン・ナイトは前提条件に戦士系のクラス技能ではないことが多い聞き耳2, 視認2などを含んでおり、多くの場合はマルチクラスなどはせずにこれらをクラス外技能で習得していた。また、ウェポンマスターは必要特技の多さからFtrをベースに上げることも多いが、NWN1では必要技能の威圧4ランクがFtrのクラス技能になっておらず(NWN2ではなっている)これもクラス外で無理矢理上げることもあった。
また余談だが、他のd20では、「どのクラスでも技能の必要ポイントも最大ランクも同じだが、クラスによって特定の技能にはボーナスが得られる」といった、元の3.XeのSRDよりも非常にわかりやすいルールに変更しているものがあるが、NWN1/2の元の3.Xeでは異なるので、混同しないよう注意が必要である。
・マルチクラスと技能
マルチクラスの場合はクラス技能とクラス外技能はどうなるかというと、NWN2の3.5eは(3.0eと比べると)かなりややこしい。
まず、レベルアップ時、クラスレベルを取得したときに技能を上げる際には、その取得したクラスにおけるクラス技能は当然1ポイント必要で、キャラクターlv+3まで上げられる。例えばClr3からレベルアップしてRog1を取得しClr3/Rog1となるとき、「Rog」のクラス技能の忍び足(Clrではクラス外)の最大ランクは、Rogだけの1+3ではなく、全キャラクターlv合計の4+3である。
一方、「その取得したクラスにおいてはクラス外技能だが、過去に取得したことのあるクラスでクラス技能だった」場合は、技能1ランク上昇につき2倍の2ポイント必要だが、最大ランクはやはりキャラクターlv+3までは上げられる。先のClr3からRogを1上げる時に、呪文学(Clrのクラス技能、Rogではクラス外)を上げようとすると2ポイント必要だが、最大7ランクまで上げられる。
ただし、最大ランクが高くても、後述する《技能の達人》(able learner)特技がない限り、2ポイント必要だとあまり高くできない場合が多いと思われる。技能ランクを上げたい時は、できるだけ「その技能がクラス技能となっているクラスを取得する際に上げる」のが基本的な考え方となる。
当然、現在も過去もクラス技能になったことがない完全なクラス外技能を上げるには、2ポイント必要で、最大ランクは半分(7の端数切捨ての3)である。
なお、3.Xeのルールでは「そのクラスでないと決して取得できない技能」の場合は、最大ランクがキャラクターlvでなく「そのクラスlv+3」等といった要素もあるが、NWN2では技能の種類が3.XeのPnPに比べて非常に少ないため、Brdの芸能(しかも、NWN2ではRogでもクラス技能になっている)くらいしかない。
上記クラス技能、クラス外技能、最大ランク等のルールは、同じ3.Xeライクでも幾つかのd20では全く異なったものがあるので、かなり注意が必要である。自動で計算されるPCゲームよりも、むしろPnPゲームで誤って運用している例は非常におびただしい。
・《技能の達人(Able Learner)》特技
《技能の達人》特技があると、簡単に言うと上昇させるのに本来2ポイント必要な場合でも1ポイントで上昇できる。ただし、最大ランクについては変わらない。すなわち、この特技がある場合、
クラス技能 上昇:1ポイント、最大ランク:キャラクターlv+3
過去のクラス技能 上昇:1ポイント、最大ランク:キャラクターlv+3
過去も現在もクラス外技能 上昇:1ポイント、最大ランク:(キャラクターlv+3)/2
となる。概ね、「現在と過去のクラス技能が同じ扱いになる」と考えてよい。クラス外技能については、ランクがあまり上がらないので、つぎ込むこと自体がそれほど有効ではないことが多いが、低ランクでも有効な何らかの事情や、プレステージの前提などの場合は容易に(lv+3)/2ランクまでは上げることはできる。
例えば、Rog1/Brd2からBrdを上げ、Rog1/Brd3とする場合、開錠や装置無力化はRogではクラス技能だがBrdではクラス外なので、《技能の達人》特技がない場合、Brdを上げる際にこれらのクラス外技能を上げようとすると、ランク7まで上げようとすれば上げられないこともないが、ランクごとに2ポイント必要なのでかなり辛い(他にBrdに必要な技能も上げていくと、技能ポイントがRogより低いBrdでは手が回らない)ことになる。しかし、《技能の達人》特技があれば、クラス技能同様にそれぞれ1ポイントで上昇できる。したがって、いろいろな技能などと欲張りさえしなければ、「Rogは過去に1lv取得しただけで実質Brdがメインだが、鍵開けや罠外しに関してはRogに全く劣らないキャラ」というのができる。
もちろん折角《技能の達人》を持っていても、元々クラス技能になっているものばかり上げていては特技の持ち腐れとなる。どんな「クラス外」技能を上げると有効なのか、技能ポイントをどう割り振るか、わりと計画的なビルドが必要となる。
3.Xeにはよくあることだが、《技能の達人》という名前に反して、元々技能ポイントもクラス技能も多いRogよりは、他のクラスがメインの際に役立つことが多い特技である。
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