○ルールリファレンス
NWN1,2の最大の魅力が何かには諸説あるが、一長一短とされるNWN2について、1やBGシリーズ等と比べた突出した魅力といえるのは、何をおいてもD&Dの「3.5e」のツールだということである。
3.5eは、D&Dシリーズの数多くの版・ルールの中でも特に人気が高い。欧米のPnP-RPGとして非常に広く普及しているd20システム(いわゆるD&Dライク)は3.5eをベースにしているものが多い。4版以降のD&Dシステムを使ったPCゲームが出ても、「3.5eでやりたかった」という声が一定量あるほどである(現に、NWN2以外に3.5eを使ったPCゲームであるToEEも根強い人気がある)。
3.5eの大きな魅力は、ルールが非常にシステマチックなことである。ただし、ルールの緻密さと魅力的なデータの豊富さは、人気の理由であると同時に、初心者、特に3.Xe未経験なゲーマーやPCゲーマーには取っ付きにくい点でもある。
『バルダーズゲート』の元ルールであるAD&D2ndにしても、とても全容が把握できないとよく言われるのだが(これはBGが2ndから3.0eへの過渡期で、2ndとしては最大限のデータが盛り込んであったためでもある)さらに3.Xeの複雑さとシステマチックさは2ndの比ではない。慣れるとすぐにデフォルトでは物足りなくなり、ルール追加のhakやoverrideを探したりするようになるのだが、未経験者から始めるとそこまでが長いと思われる。
NWN2のD&Dゲームルールを把握するには、昔からD&Dゲームは分厚いマニュアルが(これも初心者殺しであると同時に)情報量が豊富で魅力だったのであるが、このサイトで説明しているNWN2は英語版であり、マニュアルも添付されているのは英語である。
元がPnP(日本風に言えばTRPG、非電源、紙版)であるから、当然D&D3.5eの元のルールブックも存在する(これは入門だけでなく、mod製作やゲームシステム、設定の全面的な理解にも非常に有用である)。さらにはPnP初心者用のベーシックセットも出ていた。しかし、3.5eは過去のルールであり、フルセットのルールもベーシックセットも絶版である。中古等を探せば入手は困難ではないが、どのみちハードカバーのルールブックは決して安価ではなく、PCゲームだけのために中々手も出ないだろう。
このような状況で、全くのD&D系未経験者がどのようにルールを把握すればよいか。
まずは、NWNてんこもりのような攻略サイトでNWNシリーズ全般(3.Xe)の種族、クラス等のシステムのだいたいの概略を掴むのがよい。てんこもりはNWN1(3.0e)のサイトだが、ルール説明は3.Xeの最も基本として参考になり、NWN2の記事もある。
ついで、D&Dはじめの一歩のような、3.5e(PnP版)の入門用サイトも有用である(なお、このサイト全般のファイター(HFO)の異常なネタ扱い等は、3.0eのPnPでのファイターのトホホ度に由来するゲーマー相互の定番内輪ネタのようなもので、特に3.5eのNWN2とは大きく齟齬をきたしているので注意)。
これらの概略を参照しつつ、NWN2のゲーム中で表示されるルール説明文章を頼りに開始するのもよい。
次のステップとして、Pathfinderの和訳サイトで概要を掴むのもよい。PathfinderはD&D3.75eともいわれる(3.Xeとは別物になってしまった4版とは異なり)3.5eの進化型で、有志により日本語化されている。現在、3.Xeのルールとしては日本語で無料でフルセットのルールが読める代表とされている。
3.5eとPathfinderでは相違点もかなり多いが、もともとNWN2にしても、PCに移植する際に3.5eから細部を変更しており、ゲーム内動作を正確に把握するにはNWN2自体の資料をあたらなくてはならないことには変わりない。すなわち、概要を把握するだけと割り切るならばPathfinderでも充分有用である。
これらはあくまで全体像をつかむ助けとし、細部については英語で(ルールの全体像を把握してしまえば、細部はデータの塊なので英語でも理解は難しくないと思われる)、3.5eの制式ルールであるSRD(無料)や、NWN2購入時添付の英語のpdfマニュアル、英語NWN2wikiなどで照合するとよいだろう。
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