〇ビルド類型 〜 重装備系


・ディバインパワーRDDビルド(Clr or FS 5-8 / Sor or Brd 1/ RDD10)

 レッドドラゴンディサイプルはそれ以前はともかく10lvまで上げると、大抵の重戦士がばかばかしくなるほどべらぼうにStrが上がる。が、RDDの近接職を目指した場合(といっても、NWN1/2ではRDDには呪文能力はなく、また遠距離武器は攻撃力自体が低く膨大なStrを充分には生かせないので、他の選択肢はないに等しいが)その欠点はBAB(基本攻撃ボーナス)である。RDD自体はBABが「並」(3/4lv)であり、しかもSorかBrdを最低1lv咬ませるので必ず1点分損になる(BAB「低」「並」のクラスは1lv目ではBABが上がらない)。RDD10lv+SorかBrd1lvで、非エピックで入れた場合、戦士系11lvと比べて4点のBABを損する。結局、Strが8点上昇してもそのBAB低下分と相殺で戦闘能力はたいして変わらないかのように語られることも多い(無論、実際にはStr上昇分の方が強いので単純な差し引きではかなりプラスである)。

 そこでNWN1では、BAB上昇率がクラスに依存する20lvまでは戦士系で埋めてから、エピックに入ったところでSorやBrd、ついでRDDを入れるというビルドがある。NWN1では、PnP同様、エピックに入った後はBABの伸び率に関してはどのクラスを上げても一律同じになるからである。例えばPal20まで上げた後に、Sor1/RDD10とすれば全てのクラスレベルを戦士系にしたのと遜色ないBABと高いStrが得られる。が、完成するのが最低31lvなので、「ながいたびがはじまる(元祖西遊記スーパーモンキー大冒険)」感を覚えざるを得ない。

 さてNWN2だが、こちらはエピックでもBABはそれ以前と同様にクラスに依存した値が上がり続けるので、クラス取得順番を考えたところで意味はない。
 ここで、BABを向上させるバフ呪文にCLR呪文リストの呪文レベル4のディバイン・パワーがある。この呪文は一時的hpとStrボーナスに加えて、使用者のBABと攻撃回数を総キャラクターレベル(クレリックのクラスレベルではない)にあたる戦士系(BAB「高」)と同等に引き上げる。つまり、ClrだけでなくSorやRDDのレベルの分も戦士系として計算し直される。例えばClr10/Brd1/RDD10のキャラはBAB14で3回攻撃だが、ディバイン・パワー呪文を使うといきなりBAB21で5回攻撃になる。ディバイン・パワーを使えるのはClr7lv, FS8lvだが、「力」領域のClrだと呪文レベル3の領域呪文にこれがあるので5lvからである。呪文持続時間延長の特技を適用するとさらに望ましいのでClr, FSはそれぞれさらに2lvほど高い方が良いが、必須でもないかもしれない。
 いっそBrdだけや、RogやWlkにSor等を入れてUMD(魔法装置使用)でクレリックスクロールを大量に買い込んだり、「はつ」(ハート・オブ・ビースト、干し肉のような外見だがディバイン・パワー呪文を発動できる消耗品)を持ちこんでもいいのではないかという気もするが、それも興覚めではあるし、PvPビルドではあくまで自前でディバイン・パワーを発動することが考慮されていることが多い。

 NWN2ではエピック前に一応の完成形になるが、かといってOCなどを育成しながら進めるのに向いているかは定かではない。例えばClr7/Brd1/RDD10などが考えられるが、Clr7まではよいが、そこから18lvまで上げようとした時には、「ながいたびがはじまる(元祖西遊記スーパーモンキー大冒険)」感を覚えざるを得ない。



・一撃屋(Pal20/DC10)

 エピック特技のGreat Smiting(大いなる一撃)は、NWN1/2ではI〜Xまであり複数回取得できる。パラディン(Pal)の「悪を討つ一撃」などの一撃能力は、対応するクラスのlv(後述)をダメージに加えるが、大いなる一撃は(全ての一撃能力に対して)取得した回数だけこのlvをダメージにさらに加算する。当然、高lvキャラがXまで取得すると一撃が命中した際のダメージは爆発的なものとなる(最大クラスlvの11倍)。
 おそらく、NWN2の制作側としては30lvまでにこの特技を10回も取得するような事態はほとんど想定されていないと思われるが(にも関わらずNWN2でI-Xまで特技が存在するのは、最大40lvのNWN1の特技セットをコピーしただけの可能性が高い)ここで、NWN2でも、エピックレベルに到達するまでに特技の前提であるChaを25にし、エピックレベルの10lvを全てディヴァイン・チャンピオン(DC)にすると、DCのボーナス特技のスロットでもGreat Smitingを取得できるので、21-30lvの間に、キャラクターレベル(エピックでは奇数lvなので21-29lvで計5回)とDCのボーナス特技(偶数クラスlvで計5回)をあわせて、Great Smitingを10回全て取得できる。
 一撃に加算するダメージは、「悪を討つ一撃」についてはPalとDCのクラスlvが加算されるので、全lvの30lvをベースとして加算され、一撃1回に対して+330ダメージとなる。一撃の追加ダメージはゲーム内解説でもたまに「キャラクターレベル」と書いてある箇所があるが、実装はそうではない。一般に、その一撃能力に関連するクラスの分、例えばDCの「異教徒を討つ一撃」はDCのlv分、ブラックガード(BG)の「善を討つ一撃」はBGのlv分しかダメージに加わらない。Clr領域やハーフセレスチャルの異教徒・善を討つ一撃に至っては、レベル自体が加算されない(海外でのネット上のNWN2の話題には、キャラクターlv、領域のクレリックlv、Pal+DC以外にも他の一撃クラス累積などの分が加算されていると勘違いしている非常にシテオクなビルドがかなり流れている)。しかし、なぜかPalの「悪を討つ一撃」にだけPalだけでなくDCのlvも加算するのは、おそらくNWN1のチャンピオンオブトルム(異教徒でなく悪を討つ一撃を修得し、単純にPalとDCのレベルが加算される)を変更し忘れたと思われる。
 さらに、DCクラスを取得することで「異教徒を討つ一撃」も使用でき、こちらは10lv分のみだが、Great Smitingの10回分が加算されるとこちらも到底軽視できない威力(+110)になる。

 ビルドの留意点として、21lvで最初にGreat Smiting Iを取得するには20lvまでにCha25にする必要がある。そのためには、Cha+2以上の種族修正のある種族を選び、キャラメイク時にChaを20にして、4lvアップごとの能力値上昇を全てCha上昇につぎ込む必要がある。ネットに流れているNWN2のビルド例では、どういうわけかこのGreat Smiting10回取得ビルドなのにChaを20以下でキャラメイクしている(Chaにボーナスのない種族にしたり18以下等にしている)極めてえんがちょな完成不能バグビルドが掲載されていることがたまにあるので、注意を要する。(NWN1ではCha+2の種族がないが、キャラクターlvが40lvまであることから、それまでに条件を揃える類似ビルドがあるが、それと混同されている可能性がある。)
 巷の3.Xeのビルド類、特にNWN1/2のビルドは、完成するまで通常プレイには全く役に立たないことも多いのだが、この例は20lvまでは普通にPalとして育成するので、育成中も特に能力が不足しているわけではない。さらにエピックになるとGreat Smitingの威力が急速に上がってゆく。高lvで完成する3.Xeのビルドとしては、通常のモジュールを通常にプレイすることが可能な稀な例といえる。
 なお重戦士ビルドの箇所に書いているが、特にStrを重視していることもなく、Dexの高い(妙技の)軽戦士で使えないような理由はない。しかし、上述のようにChaを上げ続けなくてはならずDexを開始時より高くできないので、アーマークラスの面から重装備に頼った方が無難である。

 当然ながら、Chaやエピック特技の全ての能力を一撃に特化しているので、一撃の回数が切れると戦力は激減する。それでも、Extra Smiting(一撃回数増加)などによりキャスター系の高lv呪文以上の回数と遥かに大きなダメージは確保されており、一撃が切れたとしても、Cha特化し20lv以前にPalによく使われる特技をすでに取得しているのであれば、呪文が切れたキャスターのようにまるで戦えなくなるという程でもない。しかし、連戦や休息制限があるモジュールでは能力を発揮できなくなる恐れは大きく、「ロマンビルド」の一種だと受け取られていることもある。同じChaビルドなら《エピック級信仰の威力》(十数〜数十ダメージを加算し続けるが、一般に回数も連続持続時間もかなり大きい値にできる)中心の戦法や、さらには回数制限のないStr特化クラス・ビルドだけが信用できる、といった主張も多い。








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