Baldur's Gate Reloaded導入編
〇Baldur's Gate Reloaded (1lv開始〜約10lv終了、PC1人) nexusmodsのDLページ
Baldur's Gate Reloadedとは、D&D系ゲームの代名詞である『バルダーズゲート』シリーズのうち、BG1を丸ごと再現したNWN2モジュールである。
・拡張のTotSCも含めてBG1のマップ、シナリオ等全て網羅
・有志がBGR日本語化ファイルを作成、導入すればほぼ全編日本語でプレイ可能
・NWN2モジュールなので当然3.5eであり、大抵のMod導入BG1やBG1EEよりもゲームシステム面は遥かに強力
・グラフィックもカスタマイズで再現。例えばIWDやPoRの再現モジュールは、多くの要素が普通にNWN2の共通素材で作られており、それでも充分完成度が高いが、一方BGRは細かいアイテムアイコンに至るまで細部がBG風に書き換えられている
・特に重要人物は3Dモデルから描き起こされている。ミンスクの頭部モデルは、ブーのモデルがミンスクの頭部パーツと連動しているので、ミンスクの視線が動くと肩に乗っているブーが同じ方向を向く。NWN1/2では紆余曲折の末にモデル再現の問題で遂に登場しなかったエルミンスター(一応Infinite Dungeonsに登場するものは1−3版のいずれとも似ても似つかない)が、BGRのトレーラーにかなりのBG1当時の再現度で登場するのは記憶に新しい。イモエンの登場場面はMotBでガンが登場したときに匹敵するインパクトがある
・ただしイモエンの顔ポートレートはあくまで元のBGに忠実
・BG2Rも現在開発中(完成時期は未定)
NWN2自体の知名度や盛り上がりが(NWN1に比べると)いまひとつの中で、おそらくNWN2自体の最も有名なモジュールのひとつであり、配布サイトであるNexusModsでは、TESシリーズのmod群にも引けを取らないダウンロード数と人気がある。日本のゲーマーには、これの噂を聞いてNWN2そのものを知っただとか導入しただとかいう声も少なくない。BG1旧版やBG1EEに対して劣った点といえば、続編のBG2再現がいったいいつ完成するのかわからない点くらいのものである(あとは、EE版の追加NPCであるニーラやドルンらはいない)。
なお、このBGR自体が当初はDragon Ageシリーズのmodエディタで開発が予定されていたものがプラットホームを変えて開発されたもので、完成までに膨大な期間がかかっている。したがって、BG2Rもそう簡単には完成しないと思われると同時に、開発側の執念という点から考えると完成の見込みはそう捨てたものではない。
○導入、日本語化
上記した通り、このモジュールはあまりの容量の大きさから、NWN1/2の集積サイトであるNeverwinter Vaultには収録されておらず、NexusModsから落とす必要がある。(NexusModsに会員として登録する必要があるが、無料会員の登録場所がわかりにくいのでそのあたりはTES関連のサイト等を参照されたい。)
モジュール(キャンペーン)本体はかなり大容量で分割されているが、インストール方法はDLページで解説されている。
モジュール本体をインストールした後、日本語化(するならば)だが、日本語化ファイルは、某巨大掲示板NWNスレッドのうぷろだから「BGR日本語化作業中ファイル」を探すことができる。BG1本編シナリオ部分とToSCで訳者が別なので別々のファイルもアップロードされているが、新しめの本編ファイル(ver0.6など)にはTotSC分も統合されて入っているので、これだけ導入すればよい。導入方法はファイルの方のドキュメントを参照する必要があるが、要するに解凍した日本語化ファイルのcampaigns/BGRやmodules/BG_Aなどに、NWN2側のこれらのフォルダ内のファイルのうち日本語に置き換えられたファイルが入っているので上書きする。元の英語のcampaigns/BGRやmodules/BG_*, TOSC_*フォルダはバックアップしておいた方がよいと思われる。
BGRは(バージョンにもよると思われるが)Kaedrin PRCに対応しており、インストール時に、campaignフォルダ内のBGRフォルダにデフォルトで含まれている。PRCの方の紹介ページでも書いたが、日本語化したNWN2では、フォントの問題から本体のdialog.tlk以外のテキスト(tlk)ファイルがうまく読み込まれないので、PRCの方にあるカスタムtlkが読まれず、キャラメイク時に空白などが多量に出ることになる。また、BGRそのものにも幾つかのカスタムtlkがある。BGシリーズの「バールの仔」特技などをルール拡張して(そんなところまでも)再現しているものである。このtlkも日本語化したNWN2だとうまく読まれず、空白になる。
対応としては大きく分けて3つある。ひとつは「英語版NWN2」のままプレイする方法である。ストロングな洋ゲーマーはOC等が終わってしまえば日本語化ファイルも外してしまい、というかBG1もかつて何周もしていて内容もすっかり覚えているので、BGRも英語のままやってしまうことが多い。
2つ目は、手間はかかるが、PRCの記事で述べたようにtlkを併合する、すなわち本体のdialog.tlkにkaedrin PRCのtlkやBGRのカスタムtlkも全部併合してしまう方法である。
3つ目は、Kaedrin PRCのフォルダそのものを外してしまい、デフォルトのNWN2ルール(及び本体のtlk)のみでプレイする方法であり、日本語でプレイする手段としてはこれが手っ取り早い。BGRのカスタムtlkは読み込まれないが、バールの仔特技などはごくわずかなので、なんとか我慢するしかない。PRCの膨大なデータを最初から導入して大型キャンペーンを始めても中々全容の把握は難しいと思われるので、PRCを外してNWN2デフォルトだけで始めるのも手である。
何にせよ、BGRは非常にカスタムデータが多いので、データが多ければ多いほどコンフリクトは起こり易く、overrideやhakを含めたカスタムデータは最小限とした方が無難である。
○いくつかのtips
オリジナルのBG1/2やEEには「名声値」があり、クエスト成功により増大、悪行により減少となっており、単にクエストを進めるだけで名声値が大きくなりすぎて悪パーティーが離散するおそれなどもあった。
一方、BGRでは名声値は省略されており、NWN1/2によくある悪行や善行による「アライメント方向の移行」となっている。単なるクエスト成功だけではそうそう簡単には完全に善に移行したりはしないので、悪アライメントでのプレイは容易になっていると思われる。もっとも、オリジナルの調整の必要自体が面白いという説もある。
オリジナルのBG等のInfinity Engineにはパーティーを編成するインターフェイスがあり、その場でNPCをパーティーから外すコマンドがあったが、BGRではそのようなインターフェイスはなく、またOCのような左下ボタンからのコンパニオンロースターは機能せず、SoZのようなParty Creation Windowもない。そのため、「パーティー人数が一杯にならないと前のメンバーを外せない」と思ってプレイしているNWN2ゲーマーもいた。実際は、「パーティー内会話」によって加入・除外を選択できる(別ページで説明したように、このインターフェイス自体の存在がNWN2を長くプレイしたゲーマーにも知られていないことも多く、NWN2の不親切・厄介な点である)。また、NPCのマルチクラス(あくまでNWN2のデフォルトでは、コンパニオンはプレイヤーがレベルアップ時のクラスを選択できない)やプレステージクラスの選択についても、パーティー内会話によって指示できるものがある。
何人かのNPCはオリジナルBG1(AD&D2nd)→NWN2のBGR(D&D3.5e)に伴ってクラス等が変更されている。
BG1 BGR
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ミンスク レンジャー バーバリアン
ダイナヘール インヴォーカー ソーサラー
ハン エンチャンター イリュージョニスト
サファナ シーフ スワッシュバックラー
クァイル イリュージョニスト/クレリック フェイヴァードソウル
ティアックス クレリック/シーフ ウォーロック
等
ミンスクのクラスについてはBGR製作中・後あわせて様々な議論が交わされていた。当初の設定上は「ラシェメンのバーサーカーウォリアー」なのでBbnの方が合っているが、BG1-2でRngとして定着してしまった(BGでRngになったのはAD&D2ndではBbnやバーサーカーはデフォルトのクラスではないためである。これは1stでBbn等だった他の公式NPCも同様であった)後は、動物好きなどが以後PnPでの登場例も含めてRngに合致しているように見える。実際問題としては、NWN2のシステムでは重戦士や低Wisの性質上はBbnの方に適合している。ハンの専門家スクールの変更については理由は明確ではない(NWN2では、イリュージョニストの禁止系統は、BG1原典で専門化していたエンチャントメントである)。
また、イモエンの面構えの堪え難さのあまりに、毎周回イモエンでなくサファナを盗賊技能担当として入れるのが定番となっていたゲーマーの話はよく聞くが、NWN2(3.5e)のスワッシュバックラーは盗賊技能は全く無いので注意する必要がある。
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