NWN1のカスタムコンテンツ(システム関連)
(※下の記事の方が新しい)
NWN1には2と比べても無数のカスタムコンテンツがあり、それらをあえて自分で探してみるのも面白さのかなりの部分を占めている。
が、NWN2に比べるとシステム上の未整理やバージョンの問題から、特にゲームシステムに関連するものは、見つけてはみたもののうまく機能しない、というものの割合もまたNWN2以上に多い。既に長年のNWNゲーマーらは自力で解決することにも慣れているであろうが、探索に手を出し始めたゲーマー向けに、それらの補足情報は無駄ではないだろう。
〇Rod of Fast Buffing (新vault配布サイト )
NWN2のカスタムコンテンツとして説明したRod of Metaprepa と同様のものであり、「自分に対してかける呪文」を登録して1回のアイテム発動で全て発動できるようにする。要は、3.Xeのシステムの特色である膨大なバフ(自己強化)呪文などを、戦闘前や休息後にワンクリックで発動する目的である。
NWN1は、2の呪文クイックキャストメニューのようなものがなく、ラジアルメニューからの発動は手間がかかり、クイックスロットも限られているので、より需要があると思われる。
が、このhakを使用してみると、そのままでは機能しないモジュールもある、というか、むしろしない方が多いと思われる。override版を導入したり、erf版を(モジュールをツールセットで開いてインポートし)導入しても、それだけでは機能しないモジュールが多い。例えば、現在付属のツールセットで新規作成したモジュールは普通に機能するが(理由は後述)、古いモジュール(NWN1のOC含む)ではほとんど動かず、また、予想はされているが凝ったスクリプトが導入されているモジュールでは多くが機能しない。
具体的には、ReadMeファイルにも書いてあるが、このRodは"tag-based scripting"という属性がオンになっているモジュールでないと機能しない。
どうすればオンにできるか、該当するスクリプトを導入する方法というのも調べる手もあるのだが、手っ取り早い話、既存の(NWN1デフォルトで用意されている)スクリプトを利用し、モジュールごとにツールセットでそれらを使用するように指定することで、機能するように改変することができる。
具体的には、ツールセットでモジュールを開き、「モジュールのプロパティ」→「イベント」タブを開く。
イベントタブにはOnActivateItemとOnModuleLoadという項目がある。それぞれ、モジュールを起動したときと、アイテムの特殊能力を発動したときに実行されるスクリプトの指定である。特に古いモジュールの場合、これらのいずれか又は両方が空白になっていることも多い。
OnActivateItemには「x2_mod_def_act」、OnModuleLoadには「x2_mod_def_load」というスクリプトを指定することで、機能するようになる。(ファイル一覧などを探して選択するよりも、スクリプトの名前をこのように直打ちする方が早い。)
なお現在のツールセットでモジュールを新規作成すると、上記OnModuleLoadとOnActivateItemには、上記のスクリプトがデフォルトでセットされている。なので、自作や改変モジュール、又はこれらがデフォルトのままになっている(あまり手の込んでいない)モジュールの方が何も考えなくても機能した、という例が多い。
一方、NWN1の基本のOC, 拡張1(SoU), 拡張2(HotU)では、上記にはセットされておらず機能しない。OCで使用するには、モジュールをツールセットで開いて改変しなくてはならない(OCモジュール群の改変はてんこもり などで解説されているが、厄介な手順が要る)。
また当然だが、改変しようとしても、これらの欄が空白でないモジュールもある。これらには、そのモジュール独自のアイテム発動イベントや、モジュール開始イベントのスクリプトが指定されていたりすることもある。その場合はスクリプトを適当にマージする(マージの仕方は別の機会にでも述べる)。
使い方は「ロッドを右クリックしてラジアルメニューでロッドに対して呪文を発動する」と、発動した順番に発動リストが作られる。別の機会にそのロッドをアイテム特殊機能で発動すると、発動リストの順番に呪文が発動される(もちろん自分の呪文スロットを消費する)。
Rod of Fast Buffingは、1人が複数本所有する(1モジュールに複数本存在する)こともできる。そして、1本ごとに別々の発動呪文リストを作成することができる。
店や宝箱などで複数本入手できる設定にしておき、1人が複数本持って、1本は休息直後の長時間呪文、もう1本はボス戦時の短時間バフ呪文、などと準備することもできる(この使い方はReadMeで作者が触れている)。NWN2のMetaprepaと異なり、一度リストに入れた呪文リストをクリアする手段がないのだが、その場合はそのロッドは捨てたり売って、もう1本買ってリストを作りなおせばよい。
また、これも作者がReadMeで触れているが、現状の仕様では「領域呪文」と「呪文修正特技を適用した呪文」は、発動リストにうまく入れることができない。これは相当微妙な点だと思われる。例えば、多くのクレリックの領域呪文に入っているストーンスキンや、その他各種のバフ呪文の持続時間延長はかなり有用だが、これらをRodの発動リストに入れられないのはかなり残念仕様である。
しかし、それでも通常のリストの呪文だけ発動できるだけでも便利なので、このあたりは割り切るしかない。
なお、モジュール同士を移動した場合(キャンペーンシナリオなど)どうなるかというと、前記した「このRodが機能するモジュール」同士を「モジュール内の移動スクリプト」で移動した場合は、Rodにこめた発動リストはそのまま保存されるようである。が、「このRodが機能しないモジュール」へと移動すると、リストは全部クリアされてしまう。また、一度キャラをエクスポートし、再度モジュールにキャラをインポートすると(同じモジュールでも別のモジュールでも)やはりクリアされる。使用するならば、同一モジュール内で使用し続けるなり、キャンペーンモジュール全ての整理なども考慮が必要である。(また、NWN:EEや携帯版では微妙にこれらの挙動は違う。)
3.Xeは特に、バフをきちんとかけるか否かで強さが全く違う。PnPのパーティーでは実感できるがNWN1のようなソロではぴんとこないという話や、ラジアルメニューが面倒等でバフをほとんど試していないというゲーマーの話も聞くが、試していなかったという場合、一度Clr等で、数本のこのRodを用意し、休息後や戦闘直前のバフなどを毎回可能な限り施すようにすることで、見違えるような強さが実感できるはずである。
〇Pretty Good Character Creator and Customaizer (新vault配布サイト )
これはhakではなくモジュールだが、hak(他ゲームで言うmod)による「追加機能」を求めているユーザーに適応する点が多いと思われるのでここで取り上げる。
キャラの能力・所持品などを調整できるいわゆる訓練場モジュールの一種だが、Hall of Advanced Trainingのようなレベルやアイテム購入の他に、
・キャラモデル、ポートレイトを含めた外見の編集
・所持アイテム個々のプロパティの編集、削除
・アイテムをデータベースに保存できるStrage Chest(共有スタッシュ)
といった機能があり、NWN1の訓練場モジュールの中でも多機能である。
ここで、共有スタッシュは、「キャラクターデータ間のアイテムの受け渡し」が容易に可能な手段のひとつである。実のところNWN1では、シングルでプレイしていると、アイテムの受け渡し(あるキャラが入手したアイテムをlocalvault内の別キャラに渡して使用する)の手段がデフォルトでは存在しない。NWN1でマルチプレイならばDiabloのトレードのように受け渡すことはよく行われており、NWN2ならば同様に多数のプレイヤーキャラをインポートできるSoZ等のモジュールを介すなどで簡単にできるが、NWN1のシングルモードだとキャラ同士が出会うこともない。ヘンチマンエイジを使用してデータベース上のヘンチマンキャラを介して受け渡したり、PW系モジュール用のスタッシュ用hakを探したりする手もあるが、いずれも手間がかかる。
このモジュール内のStorage Chestは、宝箱に物を入れて隣の「セーブ」のレバーを操作すれば、その状態で宝箱の内容が(セーブデータやキャラデータとは別に、キャンペーンデータベース内に)保存され、モジュールやセーブデータやキャラを読み込み直しても保存されているので、改めて別キャラがこのモジュールをロードして取り出すことができる。当然、渡す側のキャラデータもアップデート(アイテムを失った状態をエクスポート)しておかないとアイテムの増殖が可能、というかうっかりしてそういうことが起こったりもするが、そもそも訓練場モジュールというものである以上、不正にならないよう(していいか否かは)自己管理するしかない。
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