堕右衛門夜話







第一夜

 久々に
Daemonを引っ張り出し、以前9lvくらいまで進めた記憶のあるデータを探す。が、1年と少し前にHDがぶっとんだ際に消失したらしい。かつてペガーナの土地神シラーミ(Divine Rank= 0)から授かったアイテムスポイラーなども見当たらなくなっている。
 目をしょぼしょぼさせながら、新キャラクターを作る。

 Fig x3, Pri, Thi, Magに酒場待機の鑑定係のBishopを作成する。
 筆者は元来Wiz#1では、Thiefは初期パーティーには加えない。4階くらいまでの宝箱は開けずに捨て(役立つ物品が入っている可能性は非常に低く、罠外しのリスクや鑑定の手間をかけるなら戦闘に時間を回した方が早いという見地からだ)そして後半でも、気付いてみると解除は高レベルNinjaに、識別は前衛のCALFOに任せているというパターンが多い。あるいは、Mageで始めて呪文を全部覚えたところでThiefに転職させ、後列から呪文を放つアーケイン・トリックスターを作る。
 しかし、daemonのシステムはWiz#1とは細部が異なり(転職しても呪文数が減らない、などである。つまり、13lvでもう転職してしまってよいWiz#1とは異なり、呪文能力を完全にしてから転職するにはかなりのレベルアップが必要になる)勝手がわからない部分もあるので、まずは小細工はやめて、一応配布サイトの推奨通りの基本編成で始めてみることにする。(ただし、それでもThiefはNinjaへの転職が念頭から離れず、Evilで作る。)

 基本的にリセットや作り直し等はやらずに、いきあたりばったり進行でゆく。

           class  AC hp
Sabrina    G-Fig   3  4
Kieni      G-Fig   3  4
Malpaccio  N-Fig   4  6
Kyrie      G-Pri  10  4
Nathalie   E-Thi  10  5
Hildegard  E-Mag  10  4

(鑑定係・酒場に待機)
Robbit     G-Bis  10  4

 前衛中二人のhpが4である。
 さらに、所持金はかなりひもじい方に入り、前衛はbreast_plateも買えず、chain_mailベースで揃えるしかない。後列に何か買う余裕はない。このゲームには後列から遠隔攻撃ができるbowもあるが、序盤では買える価格ではない。このPriestがBowを持てるのは当分あとになりそうだ。

 さらに、なにげなく呪文書を確認してみたとき、驚愕の事実が判明する。Mageはhoe (KATINO)を覚えていない。そればかりか、唯一のPriestは呪文をひとつも覚えていない(呪文スロット自体が全部0)。なんじゃいこりゃクラシカルD&Dの1レベルクレリックか?(註:旧D&Dのクレリックは2レベルから呪文が使えた)。
 つまり、なんとか倒せそうな低レベルの敵集団を選んでKATINOなしで突撃、vous (DIOS)がないので宿屋の最低宿泊金になけなしの戦利金をつぎこんで前衛のhpを回復、というのを、これらの呪文が揃うまでは続けなければならないのだ。なんだそりゃD&D3eセッション級の厳しさだぞ。下手すれば金とhpの両方が尽きて行き倒れるではないか。

 が、それでもやるより仕方がないので、探索を開始する。2、3匹の集団に突進し、すぐに城に掛け戻って宿屋で前衛のhpを金で回復する、というのを続ける。もとのhpが少なすぎるので思ったほどの出費ではない。

 これを3回ほど繰り返したところで、コボルドx6の不意打ちを受け、不意打ちラウンドのうちに前列の二人が即死
           class  AC hp
Sabrina    G-Fig   3  0 dead
Kieni      G-Fig   3  4
Malpaccio  N-Fig   4  0 dead
Kyrie      G-Pri  10  4
Nathalie   E-Thi  10  5
Hildegard  E-Mag  10  4

 コボルドの大半は逃げ去り(一体彼らは何をしに来たのか)倒した一体の2goldx5を拾ってしずしずと街に戻り、新しい前衛キャラを作成する。
           class  AC hp
Euriss     G-Fig   2  6
Megrya     N-Fig   2  6

 今回はhpも高い。そして皆の金もかき集めるとbreast_plateが買えた。どちらもさほどあてにならないことは承知の上ではあるが。

 数回目の宝箱でガスボムにひっかかる。当然vous(DIOS)もないのでこれは毒にかかった奴は誰も生き残れまいと思ったが、城まで戻ってみると、いつのまに毒が自動的に直っている者がいるどころか、誰ひとりhpは減っていない。前回プレイの時のことは覚えていなかったが、少なくとも低階層では毒の効力が弱いシステムらしい。

           class  AC  hp
Euriss     G-Fig   2   9
Kieni      G-Fig   3   9
Megrya     N-Fig   2  13
Kyrie      G-Pri  10   5
Nathalie   E-Thi  10   6
Hildegard  E-Mag  10   6

 何か毒が意外に弱かったことに勇気付けられたように、その後は犠牲者も出さず、やがて新人を遅らせて順次レベルアップする。
 が、なんと、またしてもPriestはひとつも呪文を覚えない。つまり、まだvous(DIOS)が使えない。なんとクラシカルD&D以下である。そしてMageはhoe(Katino)以外の呪文レベル1を全部覚える。多難な日々は続く。





第二夜

 1lvパーティーと比べて得たのはささいな死にづらさのみ。とりあえず、地道に1階の階段付近を回るしかない。

 と、そう思う間もなく、ワンダリングで登場したman_in_chainにいきなり14hpを持っていかれる。Wiz#1ではHighwaymanか何かだったろうか? hoe (KATINO)がない以上はゴリ押しできるわけがないので逃げるという選択肢しかないことに気づいた際は、すでにもう一人が死体になっていた。

           class  AC hp
Euriss     G-Fig   2   0 dead
Kieni      G-Fig   3   9
Megrya     N-Fig   2   0 dead
Kyrie      G-Pri  10   5
Nathalie   E-Thi  10   6
Hildegard  E-Mag  10   6

 気をとりなおして前衛を作り直す。前衛がバタバタと入れ替わるのは序盤ならではであろう。これが呪文が飛んでくる中盤以降になると、hpが伸びない後衛の方が崩れやすくなることが予想される。

           class  AC  hp
Julia      N-Sam   3   4
Domohosky  G-Fig   4   8

 前プレイ時にもあったが、Wiz#1-3に比べて異常な高ボーナスが出る頻度も高くなっているらしく、いきなり32ものボーナスで、作成時からsamuraiというキャラクターができた。早くも”妖刀持ち”狙いというわけだが、このlvでは呪文もなく、成長が遅いだけで実際はあまり役には立たないだろう。

 と思うと、いきなり2lvからメイジ呪文をゲットする。よくわからないシステムである。
 priestは3lvにしてようやくvous (DIOS)を覚える。

           class  AC   hp
Kieni      G-Fig   3   18
Julia      N-Sam   2   17
Domohosky  G-Fig   3   22
Kyrie      G-Pri  10   18
Nathalie   E-Thi  10   17
Hildegard  E-Mag  10   12

 即死しない程度にはわりと屈強になったので1階を探索する。やがてmageがflama (MAHALITO)を覚えるが、回復呪文が心もとないのと、装備が整うまで少し探索を続けたり、1階左下にいるsaturn_ghost(WizIで言うマーフィーズゴースト)と戦ってみたりもする。

           class  AC   hp
Kieni      G-Fig   1   32
Julia      N-Sam   2   39
Domohosky  G-Fig   1   46
Kyrie      G-Pri   5   30
Nathalie   E-Thi  10   21
Hildegard  E-Mag  10   13

 安定してきたあたりで、2階に降りる。前回のプレイで得た知識、2階左上あたりでcoffee_beansの大群をflam (MELITO)で倒して経験をひたすら稼ぎ、他の敵(特にクリティカル持ち)からは逃げ続けるという軟弱プレイをしばし続ける。友好モンスターとは戦いを避ける反面、coffee_beansにだけは友好でも敵対でも襲い掛かるようにしているので、どんどんgoodとevilが切り替わる。

 特に危なげもなくレベルも上がってきて、そろそろこのメンバーで固まってきた、と思ったところで、すかさずWiz系のお約束、vorpal_bunnyに不意を打たれ例のSamuraiがチョムパ
           class  AC   hp
Kieni      G-Fig   1   49
Julia      N-Sam   2    0 dead
Domohosky  E-Fig   1   70
Kyrie      G-Pri   5   42
Nathalie   E-Thi  10   27
Hildegard  E-Mag  10   36

 ”妖刀”を狙うにはあまりに短すぎる夢であった。
 goldに余裕が出てきて、なおかつSamuraiが必要ならば後で復活させるかもしれないが、当面は眠っていてもらうしかない。





第三夜

 とりあえず、チョムパされたSamuraiのかわりに前衛をひとり補充する。

           class  AC   hp
Cashenatte G-Fig   2    4

 なにか作成時の戦士系はhp4が多い気がする。1階を回り、なんとか即死しない程度までhpが育ってから、またcoffee_beansにいそしむ。
 2階から3階にゆくには、2階左下に固定モンスターとして配置されたvorpal_bunnyを倒してvorpal_toothを入手しなくてはならない。ふたたびチョムパの危険に激しく怯えたが、特に危なげもなく入手する。

 しかし困ったことに、初期の問題が再出する。Priestは9lvになったのに、vousa (DIAL)もvousan (DIALMA)も覚えない。そしてMageは9lvになっても呪文レベル4をひとつも覚えず(スロット自体が0である)呪文レベル5をduomoe (MAMORLIS)ひとつしか覚えない。呪文に関しては5lvパーティー程度の戦力しかないのだ。
 これは、キャラクターメーキングの際にpietyとiqへの割り振り値をけちったためのようだ。Wiz#1では、マニュアルに「クラスの必要能力は最低値を割り振っておけばよく、あとは少しでもvitに多く振る」とあるのだが、Daemonではあまりに必要能力が低いと、呪文習得が致命的に悪くなるようである。

           class  AC   hp
Kieni      G-Fig   1   49
Cashenatte G-Fig   2   17
Domohosky  E-Fig   1   70
Kyrie      G-Pri   5   42
Nathalie   E-Thi  10   27
Hildegard  E-Mag  10   36

 そうこうしているうちに、元の能力が高めだったThiefがNinjaに転職できる能力が揃う。
 しばらく考えた後、転職させることにする。そしてThiefを今後どうするかだが、実は最初のMageをここのあたりでThiefに転職させてアーケントリックスターとする予定だったのだが、今いるMageのあまりの呪文の覚えの悪さでは、とてもこの時点で転職させることはできない。
 そこで、Mageはとりあえずこのまま育て、新しくThiefを作ることにする。大した手間ではないため、まずは若干Mageとして(iqを多めに割り振って)成長させてから転職させて、以後はThiefとしてレベルを上げることにする。

           class  AC   hp
Pepitone   N-Mag  10    7

 今夜の冒頭で作った一番新しい前衛を早々にパーティーから外し予備役化して、新ninjaを前衛に出してから、coffee_beansでまたしばらくレベルを上げる。作ったMageは9lv(マダルト・マカニトレベル)まで上げてからThiefに転職させ、さらに育てる。
 そうこうしているうちに、しぶとく最初から唯一生き残っていたFighterが、Lordに転職できる条件が整う。
 新Thiefと、新Ninja, 新Lordが、7-8lvになるあたりまで上げる。

           class  AC   hp
Kieni      G-Lor   1  107
Nathalie   E-Nin   1   53
Domohosky  E-Fig   1   86
Kyrie      G-Pri   5   45
Pepitone   N-thi   8   54
Hildegard  E-Mag  10   52

 Priestは11レベルになったときにはvaji (MADI)なども普通に覚えている。ここに至って、ようやく並の中盤レベルの戦力が揃ってきた。

 しかし、3階以降に降りてみると、前衛の攻撃力がWizの同レベルパーティーと比べて異常に低いことに気づく。前衛の武器がみな最初のlong_swordなので当たり前だが、それもそのはずで、coffee_beans退治によるレベル上げばかりにかまけて、鑑定係のBishopの存在そのものを忘却していた。

           class  AC   hp
Robbit     G-Bis  10    4

 もっとも、高級なアイテムを鑑定するにはレベルも必要なので、このBishopのレベルも若干上げておかなくてはならないだろう。つまり、あともう少しcoffee_beansである。


 前回プレイの9lv前後までの進行は追い越したかどうか、よく覚えていないのでわからない。
 さて、ここまでのプレイ感だが、よく言われる、元祖Wiz#1と比べてヌルいというのは本当であろう。呪文数やリセット(自動セーブされない)に関する軟弱仕様といった直接的な点を除いても、ゲーム全般にほどよく(あからさまではなく)そういう印象を受ける。特にリセットやキャラ作り直し等を行なっていないにもかかわらず、いや、実際はそのせいでさんざんひどい目にも割とあっているのだが、そうなったらなったでも、「結局なんとかなってしまう」感が強い。
 この操作性と画面、基本的殺伐仕様への敷居の高さを乗り越えてくるのはやはりベテランゲーマーであろう。よく言われるように、そうしたベテランに対してヌルさは不要と考えるべきか? それとも、彼らに適度にストレスを与えずに適度に昔のゲームの雰囲気だけを提供していると考えるべきか?







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