さまざまなテキスト






 いささか危険が多いことを除けば、生きるには素晴らしい夢のある時代だった。

   ── ”アバロンの王国”
      J.H.ブレナン、『暗黒城の魔術師』, 1984





 さぁ、もう一度冒険に旅立ちましょう。
 あなたの旅は、まだ終わってなどいなかったのです。

 おかえりなさい、友よ。

   ── ”赤箱を覚えていますか”
      『D&D ビギナーズガイドブック』(無料配布の折り込みチラシ), 2009





 ”ようこそ、冒険者らよ! お前たちを待っていた”


   ── "Act 4
       Scene 47
       Oldoran Zagor
       The Warlock of Firetop Mountain"
      "ADVANCED FIGHTING FANTASY 2nd Edition Adventure", 2016





 ダメージを均等に分ける必要はありませんし、
 誰に命中したかいちいちサイコロで決めたりはしません。
 ルールに乗っ取って、できるだけ有利になるようにしましょう――

 それでもじゅうぶん、このゲームでは生き残るのが難しいのですから。

   ── ケンstアンドレ、『トンネルズ&トロールズ 第7版』





 ある日浦島が浜へ行くと、グロテスクなまでに大きくなった海亀が、
 小さな毛むくじゃらの生物に噛みつかれ、苛まれていた。
 そこで浦島太郎がこの生物に残忍な蹴りをくわえて深淵に落とすと、
 亀は感謝して、彼をルューグフゥの館へ招待した。
 こうして浦島は亀の背にまたがって海に入ると、いつ終わるとも知れぬ旅に出たのである。
 波間に戯れる人間のような影、海百合状の肢で泳ぐ海星のような頭の生物、
 イルカの群れに囲まれてあらぬ方へと流れゆく巨大な舟のような物体など、
 異界的な眺めに心を躍らせつつ潜ってゆくと、ついにルューグフゥの館に到着した。
 それは今までに見たこともない建築様式の、壮麗でありながら
 異様な角度の壁面と擬似六角形の柱を擁する巨大な館であった。
 館に入ると、乙姫と名乗る醜い白化症の女が出迎え、
 たずさえていた鉄筆と蝋板で古式ゆかしい歓迎の言葉を記した。
 浦島は数日をそこで過ごした。
 鯛や平目を思わせる相貌の従者たちが宴席に現れると
 か細く単調な笛の音、くぐもった狂おしい太鼓の連打、ゆるやかなぎこちない踊りを披露し、
 浦島は心ゆくまで楽しんだ。
 別れ際、乙姫は浦島に妙にゆがんだ形の、おぞましい彫刻を施された玉手箱を渡し、
 どんなことがあっても開けてはならぬと警告した。
 さて浦島がもとの浜にあがると、村人や漁師たちの姿はなく、
 巨大な甲虫のような生物が闊歩していた。
 恐慌に駆られた浦島が玉手箱を開けると、菫色の気体が彼の体を包んだ。
 声も出せず、浦島はただ、両腕を苦しげにふりまわすばかりだったが、
 いつかその腕もねじまがっていった。
 生ぬるく腐臭をおびた風が菫色の気体を吹き払うと、
 浦島太郎は、波に漂う灰青色の塵と変わっていた。

   ── 詠み人知らず、某掲示板スレッド『H.P.ラヴクラフト -13巻-』





 その筋なのは
 美しき哉


   ── 祝 一平





 ...でも今は、ただ座って、以下を空想してみて下さい。

 ”君は緑の丘の上に立っている。
 太陽は暖かく君の金髪を照らし、
 心地よい風が髪をゆらしている──

 ... 近くの山の中腹には危険なダンジョンの入口がぽっかりと口を開けている。
 そして、その中には、恐るべきドランが待ちかまえている……

 冒険の時は来た!”


   ── ”序”
      フランク・メンツァー、『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ プレイヤーズマニュアル』、第四バージョン、新和、1984





 これは、魔法の本である

 きみ自身が物語の主人公となってスリリングな冒険ファンタジーの世界へと旅立っていく――。
 この旅で英雄になれるか、危機にさらされ命すらも落とすか、それは判断力と運しだいである
 さあ、勇気をふるい起こして旅立て!

 その前に、きみの師となる魔術師マーリンの話に
 耳を傾けてほしい


   ── 扉文
      『ドラゴン・ファンタジー』、二見書房、1985



 これなるは魔法の書なり
 ひとたび開くことあらば
 たちまち時をはるか越え
 伝説の息づく地へゆかん
 先で待つは冒険のさだめ
 旅の途上で命を落とすか
 功をなしとげ凱旋するか
 すべては知恵と運しだい
 覚悟をもってのぞむべし

   ── 扉文
      『グレイルクエスト』、創土社、2006








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