入門以外の諸々を思いついた順に列記。NWN2のデフォルト設定(本サイトでは、MotB, SoZなどの拡張を入れてあるが、ユーザーoverrideなどを入れていない状態を指す)であり、オフィシャルキャンペーン以外にも多くのモジュールで共通設定であろうと思われるもの。NWN2をやりこんでいれば当然の話であるが一応


○神格選択(主に戦の領域、ファイバードソウル)

 NWN1では実質空きスロットであり、マルチプレイのサーバーによっては使用したりしなかったりといった守護神格の欄だが、NWN2では1よりはシステム的な意味がある。キャラ作成時に神格を(表示されるFR世界の神のリストから)選ぶ必要があるが、信仰系クラスではクラスや属性ごとに選択肢が限られている。例えばクレリックは(デフォルトでは)神格なしやエイオーを選ぶことはできないし、ドルイドやレンジャーは自然系の神を選ばなくてはならない。

 本来、D&D3.Xeでは、神格の選択によって、クレリックが選ぶことができる「領域」が決まるのが一番大きいルールのはずだが、残念ながら(NWN2デフォルトでは)なぜかこれが再現されていない。どの神でもNWN1同様に領域に制限はなく、自由に2つの領域を選ぶことができる。(神格を設定するカスタマイズファイルには領域を指定する欄があるが、機能しないという報告がある。)
 一方、神格ごとにFavored Weapon(好む武器)があり、(MotB以降だが)戦の領域を選択したクレリックはこの武器の「熟練」、フェイバードソウルはレベルに応じて「習熟・熟練・開眼」まで習得する点は再現されている。
 戦領域のクレリックは該当の好む武器の「熟練」だけを習得し、例えばヘルムなど好む武器がバスタードソード(特殊武器)だった場合、バスタードソードの熟練は習得し、バスタードソードは使用でき命中+1となるが、《特殊武器習熟》もその前提の《軍用武器習熟》も習得せず、ほかの特殊武器・軍用武器は使用自体ができない。一方、ヘルムのフェイバードソウルは、1lvでバスタードソードが属する《特殊武器習熟》自体を習得する。他の特殊武器も使用できるが、前提の《軍用武器習熟》はやはり習得しない。そして、3lv, 12lvでバスタードソードの熟練と開眼を習得する。(なお、《単純武器習熟》はクレリックもフェイバードソウルも信仰に関わらず、クラス自体が持っている。)
 属性とFavored WeaponについてはNWN2の神格リストを見るのが手っ取り早い。
 神格によってどのクラスが選択できるかはなぜかこのリストには書いておらず、神格個々の項目に遡るしかない。

 なお、D&D3.Xeのコアルールでは、ある神格のクレリックは「その神格と(Ethics/Worldviewのいずれか片方が)1段階ずれた属性になることができる」のだが、FRであれWGであれ、ワールドガイドの記載ではこのルールとは異なり、神格ごとに「可能な属性」が決まっている。上記表を見ればわかるが、コアルールとは一致していない。また、コアルールでは真なる中立のクレリックは(ずれた属性は許されず)真なる中立の神格にしか認められないのだが、上記表のように神格は善等であっても真なる中立(N)のクレリックが認められている場合があり、また真なる中立であるガンドやオグマはどの属性のクレリックでもよく、コスースやシルヴァナスは幾つか決められた属性となっている。
 また、3.Xeのルールでは(よく誤解されているが)「クレリック以外」の信仰呪文クラス、レンジャーやパラディン等の信仰は、神格の属性と全く異なっていてもよいが、FRでは(NWN2でも)これらの信仰呪文クラスはやはり神格個々の指定の属性でなければならない。これらのFRやWGのルールは、3.Xe以前のAD&D2ndの設定では「1ずつずれてもいい」等ではなく神格個々に可能属性が決まっていたのが、そのまま使われているためと思われる。例えばいきなり全部3.Xeのルールに直すと、2nd以前のキャラのクレリックの属性が合わなくなるので、従来の属性を採用したと思われる。


 これらを踏まえて、どんな信仰を選んだらよいか。一応、モジュール個々によっては信仰によるイベントが設けられている場合があるが、実用・戦力・キャラビルド効率という面からいうと、Favored Weaponしか関係はないので、戦以外の領域持ちやフェイバードソウル以外のクラスにとっては、どれを信仰しても同じである。


 戦の領域持ちやフェイバードソウルの場合、どれを選ぶのが得か。当然、習熟・熟練の中では特殊武器が最も習得しにくいので、「特殊武器」をFavored Weaponに持ち、自動的に習得できる神格が「得」となる。例えば、Favored Weaponがバスタードソードであるヘルムやケレンヴォー等である。
 こんな言い方をすると、データの有利さしか目がいかない和マンチD厨のようだが、実の所、SoZで追加された聖職者系のプレステージクラス、ケレンヴォーのドゥームガイドの特殊能力には、バスタードソードでないと使用できないものがある。どうも普通にケレンヴォー信仰のバスタードソード使いは優遇されているようである(ただし、ドゥームガイドは前提条件としてアンデッド退散が必要なので、フェイバードソウルでなくクレリックやパラディンの必要がある)。


 聖職者系の上級クラスのひとつ、ストームロードになるには、槍や一部投擲武器の《武器熟練》を必要とする。そのため、槍などがFavored Weaponの神格を選び、戦の領域やフェイバードソウルの特技で熟練を自動習得することで、特技スロットの節約になる。というより、元々ストームロードはPnPではタロス信仰の槍使いしかなれないプレステージクラスだった。NWN2ではタイモーラやミストラ信仰のシビッレル=スリケンヌ使いなどという変なものがやりたければ可能である。


 Favored Weaponが素手攻撃である神格があることから、素手に専門家したモンク/フェイバードソウル/セイクリッドフィストという選択も知られる。イルメイターの苦行僧やタロウナの毒手使いなどはいかにもなロールプレイである。


 なおNWN2には、フェイバードソウルのキャラ作成中に、一度でも「戻る」ボタンを押すと、本来貰えるはずの武器習熟が貰えなくなることがあるというわけのわからないバグがある(NWN2wikiではティールのロングソードについて報告されているが、他の神格の好む武器でも確認できる)。こういう意味のわからない不具合がfixされていない&予備知識が無いとさっぱり気づかないのはサポート終了ゲームとして頭が痛いところだが、フェイバードソウルのキャラを作る際は迷って「戻る」などしないよう、どんなキャラにするかきちんと決めてからにするしかない(失敗したと気づいた時点でキャラエディタで武器習熟featを持たせるといった手もないでもない)。なお、そのフェイバードソウルはレベルが上がると、習熟がないままでもFavored Weaponの武器熟練(Weapon Focus)はきちんと自動取得する。



○NWN2の上級クラスの留意点

 なお、以下は(現在DL販売で入手が容易なのが拡張全部入りであることから)MotB, SoZの拡張入りが前提であるものを含む。



・ディヴァイン・チャンピオン

 NWN1の「チャンピオンオブトルム」に相当する上級クラス。本来、D&D系のルールではこちらの「ディヴァイン・チャンピオン」なのだが、かつてのNWN1では、なぜかトーム(トルム)神のディバインチャンピオンに限定したクラスとなっていたものである。にも拘わらず、特にトーム専用の制限(属性、守護神格等)やトーム独自の能力は無かった。なお、PnPでは3.0eにせよ3.5eにせよ、ディヴァイン・チャンピオンは5lvまでしか上がらない「マイナー」プレステージのひとつであり、NWN1で10lv及びエピック域での11lv以上まで拡張され、NWN2もそれに倣ってディヴァイン・チャンピオン10lvまである(NWN2ではエピックでもプレステージは11lv以上にはならない)。しかし、NWN1の10lvやエピックは5lvまでの能力を(ボーナス特技スロットなどで)引き延ばしたにすぎず、6lv以降新たな特殊能力が増えるわけではない。

 世界設定的には、パラディンが(冒険者の中ですら)非常に希少なので、秩序にして善以外の信仰は無論のこと、多くの教会ではディバインチャンピオンがもっぱら聖騎士的な役割を務めていることになっている。つまり、設定上は世界にはパラディンよりもファイター等の出身のディバインチャンピオンが多いことになっている。かのロード・ナッシャーも、ファイターとティール神のディバインチャンピオンのマルチクラスである。
 しかし、ディバインチャンピオンの能力を生かすにはCha能力値がある程度必要であり、ならば信仰特技(Chaに依存し、ターンアンデッド能力を要する)でも生かしたいからクレリックも1lv入れて、などとやっていると、(特にNWN1/2では)最初からファイターでなくパラディンをベースにした方が手っ取り早くなってしまう。そのルールの世界設定とプレイヤーキャラの利便が乖離するというのは(特に他の版に比べると3.Xeでは)これに限ったことではない。

 NWN1のチャンピオンオブトルムは《癒しの手》と《悪を討つ一撃》の効果が、パラディンのそれと累積するという(PnPよりも簡略化する目的もあって)特性のため、他の戦士系だけでなく、パラディンに付加するクラスレベルとしても重宝されていた。

 が、NWN2のディヴァイン・チャンピオンは、癒しは累積するが、「一撃」がパラディンと別扱いとなっている。具体的には、回数は別々にカウントされ、ダメージも累積しない。NWN2ではプレステージはエピックでも10レベルまでしか上がらないため、レベルに依存する一撃のダメージもあまり上がらない。そのため、NWN2ではNWN1と違って、パラディンからの転職先としては論外とかハズレクラスだとか酷評されていることが多い。

 しかし、「一撃」が別枠ということから、《一撃回数増加》の特技を取得すると、回数は別々に増加する。《悪を討つ一撃》が2回、《異教徒を討つ一撃》が2回それぞれ増加するので、一撃回数が4回増加するのである。高レベルのパラディンは装備修正等も入れて魅力ボーナスが非常に高くなっていることが多いため、一撃という「高命中率修正」の打撃の手数が大きく増加する、という側面がある。なお(バージョンによって差異があるようだが)《異教徒を討つ一撃》の方は属性が自分と異なる対象に効果がある。(破壊領域のクレリックでも《異教徒を討つ一撃》は使用できるが、ディヴァイン・チャンピオンのものとは回数は累積せず、命中率のみでダメージは乗らない。)
 休息に制限のないOCなどでは、ほとんど毎戦闘・毎攻撃ごとに高命中修正・追加ダメージ(パラディンとディヴァイン・チャンピオンでそれぞれ+5-10など)のある攻撃が可能となることがあるので、その威力は馬鹿にならない。


・ウォープリースト

 ウォープリーストという名称はあたかも「神官戦士」系の本命のような印象を受ける。出典であるComplete Divine(和訳『信仰大全』)のサンプルキャラ(NWN2wikiに引用されている画像と同じである)もいかにもなドワーフクレリックである。

 現に、PnP版のComplete Divineの元ルールでは、前提条件に「領域」(戦、守護、力、破壊のいずれか)があるため、通常はクレリック(少なくとも1レベルを入れた者)をベースに転職するしかなかった。
 しかし、NWN2では前提条件に領域は無くなっている(BAB+5、信仰呪文レベル4, 〈説得〉8ランク、〈視認〉5ランク及び《戦闘発動》)。そのため、他の信仰系のクラスも選択肢に入るということになるのだが、実の所、こうなってみると、クレリックからの転職には不向きである。前提条件の信仰呪文レベル4(クレリックならクラスレベル7lv)までに〈説得〉8ランクはともかく〈視認〉5ランクはクレリックはクラス外なので、かなりの負担となる。技能が多めな人間であっても、ひいては他種族(ドワーフ等)ではポイントはぎりぎりとなり、〈精神集中〉などの前線クレリックに必須の技能に回すポイントもほとんどなくなる。なお、フェイバードソウルからのクラス取得に関しても、〈視認〉はクラス外で同様である。また、NWN2では、元ルールの追加領域、ターンアンデッドの増強といった、「クレリックの上級クラスとして有利な特徴」が他にも無くなっている。

 一方、他の信仰系クラスでは、〈説得〉〈視認〉がいずれもクラス技能で、元々の技能のポイントも多いドルイドやスピリットシャーマンからのクラス取得は、実はかなり容易である。
 どうやら、NWN2では正統派の神官戦士というよりも、ドルイドやシャーマンの「魔法戦士」としての側面に注目し、それを強化するようなビルド構想に向いたクラスであるらしい。また、クレリックやフェイバードソウルにモンクやレンジャー等を咬ませても容易に前提条件を満たすことができ、複合的なクラスも想定できる。
 例えば、海外の攻略サイトでは、クレリックやフェイバードソウルからの転職については、呪文レベル4が揃うClr/FvSlの8lvあたりで、経験ペナルティーがなく必要条件がBABのみの「ネヴァーウィンター・ナイン」を1lv噛ませるビルドを考察していることがある。ネヴァーウィンター・ナインで4ポイント(人間なら5ポイント)の技能が入り、〈視認〉がクラス技能なのでここで5ランク取ってしまい、次にウォープリーストを伸ばすのである。NW9wクラスは高BABで直接戦能力も減らない。ただし、呪文能力はさらに遅れるのは否めない。元々エピックなど高レベルならともかく、初期レベルでは素クレリックの直接戦能力は決して低くないため(そして、他の信仰系でも引き換えにする特殊能力が少なくないため)ウォープリースト自体が呪文能力を遅らせてまで取得する必要があるかは考えどころである。3.Xe全般に言えることではあるのだが、方向性を決めてビルドしなければ、ベースクラス群より直接戦ですら劣った中途半端になるのは避けられない。


・エルドリッチナイト

 エルドリッホ エルドリッチナイトはそれまでに習得している秘術系クラスの魔法能力(呪文数、術者レベル)と、戦闘能力(命中率(BAB), 頑健ST)が両方延びる(ヒットポイントはあまり伸びない)という、いわゆる魔法戦士クラスで、3.5eダンジョンマスターズガイド(DMG)記載の、最も基本的なプレステージクラスのひとつである。
 かつてのNWN1のデフォルトでは、結局HotUに至っても魔法能力と戦闘能力の両方が伸びる魔法戦士的なプレステージクラスは無かったため(ペイルマスターについては何かが違う、と思うプレイヤーが多いと思われる)、NWN2が(バードやウォーロックの鎧術者特技とあわせて)秘術系の魔法戦士系をサポートしている、という売りのひとつである。

 ただし、3.5eのPnP版クラスからして、魔法能力が伸びるのはクラスレベルが2lv以降であり、クラスを取得した最初の1lv目は伸びない。さらに、クラス取得の前提条件に「すべての軍用武器に対する《軍用武器習熟》」が必要である。PnPの元ルールでは元々《軍用武器習熟》を持たないクラスが特技として習得しても「どれか1種類の武器」にしか習熟できない。そのため、PHB基本種族(来訪者系の珍妙な種族とかレギュレーションとかでない限り)で前提条件を満たすには、最初から「すべての軍用武器に習熟している」前衛系のいずれかの職(ファイター等)を1lv咬ませるのが通常必要である。
 すると、魔法能力に関しては合計2lv、少なくとも純キャスター系のクラスよりも遅れることになる。クラスレベル2lv遅れということは、純キャスター系では使用できる「呪文レベル」が、呪文レベル1分遅れることになる。この影響はかなり甚大である。両取りの魔法戦士が、純キャスターよりペナルティーがあるのは当然のこととはいえ、安易なエルドリッチナイト狙いを躊躇させる大きな理由である。

 ところが、NWN1及び2では、武器習熟の特技はPnPより簡略化され、前衛系以外のクラスが取得したとしても、特技ひとつで該当する全部の武器に習熟する。すなわち、《軍用武器習熟》ひとつを習得すれば、全ての軍用武器に習熟する(武器熟練や開眼などの上位の特技は元のPnPルール通り細分されているが、習熟のみ簡略化されている)。
 つまり、NWN2では、例えばファイターのクラスを取得せず、ウィザードのレベルのみ伸ばし、キャラ作成時又はキャラクターレベル上昇のいずれかで取得できる特技を使って、《軍用武器習熟》を習得すれば、ウィザード5lvのみでエルドリッチナイトの前提条件を満たすことができる。以後はエルドリッチナイトを延ばせば、魔法能力の遅れは1lvのみで済む。

 もっとも、ファイターはクラスレベル1lv時にその他の防具等の習熟と、戦闘特技ひとつを得られる。それらの習熟及び特技と、「1lv分の魔法能力」を引き換えにする価値があるかは一考の余地もあるところである。鎧や盾の習熟がなければ、「秘術失敗確率の軽減」の能力がついた魔法戦士用の鎧や盾が登場した時に装備することができない。(NWN2のOCではそうそうすぐに出てくることは望めないが、一応鎧は存在する。秘術失敗確率が無くなっている盾はミスラルやザランターでクラフトすることでも手に入る。)
 なお呪文数でなく術者レベルの方だけなら、Practiced Spellcaster 《手練の術者》特技で遅れを緩和できる。しかも、NWN2ではこの特技はバグにより、エルドリッチナイトを含む一部クラスを入れた場合に計算がおかしくなり(術者レベルが加算されるクラスに対しても、されないクラスと同様に計算し余計に加えてしまうらしい)純キャスターより術者レベルだけは上になることがある。

 エルドリッチナイトは、魔法・戦闘の両方の基本的能力が伸びる以外の能力は無い。例えばバードやウォーロックと異なり、軽装鎧等を着て秘術呪文を唱える(失敗確率を軽減する)能力も無い。以降の多くの魔法戦士系クラスの持つ前線で呪文を発動するための特殊能力(1lvボーナスの《戦闘発動》と《精神集中》の熟練を除き)や、呪文の注入(いわゆる魔法剣の類)の能力も無い。ヒットダイスも1d6と低い。PnPルールでは、そのまま使うよりも他の魔法戦士系クラス(例えばComplete Warrior、和訳『戦士大全』のスペルソード等)と組み合わせて補強するために使われる場合も多い。何にせよ、一般的に言って秘術系魔法戦士は茨の道であり、PnP版でも結局マルチクラスで実現するよりも、ダスクブレード(3.5ePHB2)のような、基本クラスの時点で秘術と戦闘が組み合わさったクラスの方が人気があるように思われる。
 NWN2では、一定のレベル範囲内で最大能力を求めるパワービルド・いわゆる鬼ビルドには、主に呪文能力とBABを調整するため、エルドリッチナイトを咬ませて工夫するために使われることは多い。が、少なくとも(純キャスターの使うような)NWN2の呪文の全体像をまだ把握していないような初心者が、OCのファーストキャラ等でいきなり手を出すのに適したクラスではない。まして、「Wizardryの侍みたいなのがやりたかった」などと口走るような半可通が手を出すのは到底おすすめしかねる。


・レッド・ウィザード・オブ・サーイ

 サーイ(セイ)のレッドウィザードはAD&D時点からの古い設定であるが、3.0eのFRCS、さらに3.5eではコアルールのDMGに記載され最も基本的なプレステージのひとつとなったクラスである。
 FR世界における設定はMotB内で詳細に描写されるので、PnP未経験者向に詳細に特記する必要は特にないが、要は赤いローブ(FRでは、白と黒の中間とか中立という意味とは関係ない)をまとい禿頭に魔力を増大させる刺青を入れた悪(権力闘争および奴隷制など)のサーイ国の支配階級で、コナンやランクマーといった古いFTを思わせる異相の悪役魔術師団である。本来はFR世界かつサーイ地方に特有の背景を強く持つクラスだが、3.5eでは特定世界・背景に根差したクラスそのものの例としてコアルールで紹介されたと説明されている(もっとも、DMGに載っているのは、Evil傾向、かつPC向きでない円陣能力を持ち、しかも魔法能力自体は凶悪であることから、「敵役にうってつけである」という理由が大きいと思われる)。
 従来のPCゲームでは、BG1,2の
エドウィンがサーイのレッドウィザードであり、わざわざソード・コーストまでやってきたのはハスラン(宿敵である隣国ラシェメンの魔女団。これもNWN2ではMotBで詳細に説明される)候補であるダイナヘールの抹殺を目的としていることがわかるが、BGでのエドウィンはBGEEシリーズを含めて特にサブクラス(キット)等でレッドウィザードとしては表現されていない。


 NWN2版の実装はというと、そのまさしく背景設定に根差した特徴といえる、円陣や刺青の能力が、CRPGなら当然だろうという様子を見せて削除されている。
 では弱くなってハスランやミンスク(ラシェメンのバーサーカーウォリアーはハスラン候補の護衛を修業とする。これもMotBで以下略)万々歳かというと、そうは問屋がおろさない。NWN2でも再現されているのは、スペシャリスト・ウィザードとしての専門化の強化(専門化した一部の判定の術者lvの最大+5上昇やセーブの難化)で、これも強力なのだが、NWN2ではこれがバグと合わさって割ととんでもないことになっている。
 1つはNWN2一般のバグとして有名なもので、《手練の術者》(Practiced Spellcaster)特技が、本来は術者lvが延びないクラスをマルチクラスした際に術者lvが最大+4されるはずなのが、NWN2では術者lvが上昇するクラス(レッドウィザードを含む)でも上昇してしまうので、単純に術者lvが+4されてしまうのである。このため、レッドウィザードは専門化した呪文について術者lvが最大+9されるという尋常ならぬ事態に陥る。このボーナスは全ての術者lvの関連する状況に適用されるわけではないが、凶悪なことは疑いない。
 もう1つは、敵側の呪文のセーブが難化する点については、専門化していないあらゆるスクール(系統)の呪文についても適用されているらしい(エピック呪文は除く)という報告がある。さらに、エピックレベルでは、呪文レベルだけでなく術者lvにも依存してセーブDCが難化するため、専門化したスクールについて前記術者レベルの上昇とあわせるとその影響は洒落にならない。


 なお、上記の事情からレッドウィザードは専門化するスクールが重要で、しかも専門化を強化するため使用できないスクールを追加で選ばなくてはならないなどと、本来は色々とゲームに慣れた判断が必要だが、MotBのサフィアはすでにレッドウィザードを10lvまで上げ終わっている(あとは素ウィザード等を延ばすしかない)ので、MotB当初プレイでプレイヤーが考える必要はなかったりする。


・ブラックガード

 ブラックガードはD&D3.0e, 3.5eともにDMGに掲載されている最も基本的なプレステージクラスのひとつである。NWN1のSoU(拡張パック1)から追加され、NWN2では最初から設定されている。
 AD&D時代からパラディンに対応する悪などの他属性の存在として、Anti-Paladin(混沌にして悪)などが設定されている。3.XeのDMGのクラスの説明によると、3.Xeにおいてこれら旧Anti-Paladin等に対応するクラスと言えるのだが、説明とは異なりそのままとは言い難い。例えばDMGで「アンティパラディン」はブラックガードの別名と説明されているが、ブラックガードは悪属性のいずれでもあり得、AD&Dの「混沌にして悪」のAnti-Paladinには正確には対応しない(つまり、ブラックガードはAnti-Paladin以外の他の悪属性戦士もカバーしている)。
 前提条件の隠れ身、特殊能力の毒使用や急所攻撃(AD&DのAnti-Paladinもそうだが)などから、パラディンの対極といっても、闇に属しつつ気品を保ったいわゆる「黒騎士」の類よりは、性根まで卑劣に染まった「悪漢」の側面が強い。

 なお、パラディンの対極としては、日本では自称「TRPG」ベテランが、CD&D緑箱の「アベンジャー」が初出・原型であるかのように、ときにD&D系と全く無関係なFT/RPGの話題ですらほぼ毎回引き合いに出し、商業書物ですらそう説明されていることがあるが、名前も内容も全く関係はない。Anti-PaladinはDragon#39にまで遡り、AD&Dよりも遥かに後発でマイナーなCD&D緑箱のアベンジャーが、後発のブラックガードやその他の暗黒戦士(及び、Avengerという名で内容は全く別のAD&D2nd以降の後発クラス)の原型や派生元といった事実は全くない。


 3.Xeのブラックガードの能力については、パラディン同様にCha修正がstに加算されるDark Blessing、急所攻撃(特に、BAB高で急所攻撃が得られる数少ないクラスでもある)などが着実に強い。しかし、特にNWN1/2プレイヤーからは、いまひとつ微妙扱いされていることが多い。
 NWN1/2では呪文はリストからの選択でなく何種類かの疑呪に簡略化されているが、高レベルで入るのがインフリクト系などいまひとつである。NWN1のデーモンやアンデッドの召喚にしても(これでもPnPやNWN2の使い魔よりは強化されているのだが)戦士系の自分が頼りにできるほどのものでもない。ブラックガードの能力は対「善」の敵に対して最も発揮されるが、それでは実際に善側のパラディンやクレリックといった強力なベースクラスと正面からぶつかったらどうなるかというとD&D系でのこれらの対「悪」への特化(優遇)にはとても及ぶべくもない。恐れられていたAD&DのAnti-Paladinに比べて必ずしも弱くなってはいないが、当時に比べてパラディンやクレリックの方が(特に追加ルール類によって)バクレツに強くなっていることと、こちらが上級クラスでもあり敷居(最低ライン)が上がっていることで、相対的に立場が悪化している。
 決して弱いクラスではないが、シスのような悪の象徴、しかも上級クラスであればもっと「凶悪」であって欲しいというイメージには及ばないと言わざるを得ない。上述の悪漢としての性質もあって、善玉にやられるための悪玉といったタイムボカン三悪的空気すら漂ってこないでもない。
 (NWN1/2に限ったことではないが)悪としての設定と利点を生かすにはモジュールの作り、悪プレイに対応しているか、多分に悪専用モジュールであるかどうかにも大きく依存する。例えばNWN1のBlackguardキャンペーンモジュール群については、別に述べる機会があるだろう。


 が、これで終わりかというと例によってここでもうひとつ、NWN1/2での特異な事情がある。
 元のPnPルールでは、パラディンがブラックガードに堕ちると(というよりも、悪に属性変化した時点で)パラディンの能力の大半を喪失する。ところが、NWN1/2では、単なる横着なのか故意なのか、パラディンの能力はアライメントや他クラスに関わらずどれも喪失しない。それどころか、パラディンにもChaボーナスがstに加算されるDivine Grace能力があるが、これがブラックガードのDark Blessingと「累積」する(合計Chaボーナスの2倍がstに加算される)という割ととんでもない実装になっている(ついでに、NWN2ではウォーロックの同様の効果の妖術もこれらと累積する)。
 ゆえに、NWN1/2ではパラディンとブラックガードの両方のクラスレベルを持つ者、パラディンから堕ちた「寝返りブラックガード」や、ブラックガードから再び昇った「出戻りパラディン」はかなり強力である(アリベスがどちらにも該当し得るが、ブラックガードの実装はアリベスとは関係ないSoUなので、多分に偶然ではないかと思われる)。NWN1/2ともに、強ビルドを考察する際にはこれらが候補となっていることも多い。



・レッドドラゴン・ディサイプル


 レッドドラゴン・ディサイプル(RDD)はNWN1の頃から存在するプレステージクラスである(NWN1では拡張2本目のHotUで追加、NWN2では拡張無しのOCパッケージから選択可)。簡単に言えば、クラスレベルを上げるごとに次第にドラゴンの能力(能力値やアーマークラス増加、ブレスウェポン等)を獲得していき、最終的にはハーフドラゴン・テンプレート相当の能力(各種耐性など)を獲得するクラスである。
 なお、PnP版の元ルールでは、各タイプ(色、金属の種類など)からどのドラゴンディサイプルになるか選択できるが、NWN1/2では「レッド」ドラゴンディサイプルにしかなることができない。おそらく、実装の手間や容量の割には表現できる差異が少ないためと思われる。「混沌にして悪」以外のキャラでも「レッド」ドラゴン化するのは考えてみれば不自然だが、ゲーム的齟齬として割り切るしかない。一応、ユーザー製のhakやoverride (例えばKaedrin PRC)では、レッド以外の様々なドラゴンを選択できるようになっていることがある。

 ドラゴン・ディサイプルはPnP版では、3.5eであればDMG記載の非常に由緒正しい職種だが、PnPプレイヤーからは、「ネタ職」扱いされることも少なくない。ハーフドラゴンテンプレート自体が(筋力、ACの増加や肉体攻撃など)前衛向きなのだが、ドラゴン・ディサイプルのBAB(基本攻撃ボーナス)は「中」(クラスlvの3/4)であり、前衛系の各クラスからは落ちる。能力ボーナスが前衛向きな一方で、得られる特殊能力にボーナス呪文(3.5eでは高能力値相当、Pathfinderではクラス自体の構成がかなり異なるがレベル上昇相当の呪文数追加)があり、前提条件から秘術系クラス(呪文能力や秘術技能)を入れなくてはならず、前衛なのか秘術なのか実に中途半端である。「キャラ作成時に3lv分(レベル調整値(LA)+3のため)払うだけで作ることができるハーフドラゴンテンプレートを、わざわざ10lvの手間をかけて習得するクラス」などという評判が流れていることも多い。
 なお、AD&D2ndゲームだが3.Xeからの逆輸入が多い『バルダーズゲート』シリーズのリメイクBGEE/BG2EEでもドラゴンディサイプルを選べるが、これはソーサラーのキット(サブクラス)であり、つまり純然たる秘術系なのに近接向けのドラゴンブレス攻撃、かわりに呪文数が減るなど、やはりよくわからない職となっている。

 NWN1ではどうだったか。もともとNWN1は、RDDが追加される前の拡張1のSoUの時点から、使える・強い上級職というよりも、雰囲気職や背景設定関連のプレステージが、故意に選択され追加されていた節があった。これはNWN1では3職までのマルチクラスしかできないので、強いクラスを入れて皆がそれに邁進して3職の組み合わせが同じようなもので埋まっても面白くない、という考えもあると思われる(そんな中でドワーブンディフェンダーの堅実な強さが渋い輝きを放っている)。そんなNWN1に拡張2のHotUで追加されるプレステージのひとつとして、よりによって上記のような評判のRDDが発表されたときから、PnPプレイヤーからは「これはまさに期待できそうもない」という微妙な空気が流れ続けていた。しかし、実装されたのは、PnPとの比較(再現)という面だけとってすら、その予測さえ遥かに下回るものだった。
 NWN1では、RDDはPnP版よりもさらに大幅に弱体化しており、PnPでは得られる爪などの肉体攻撃もなく、どういうわけかヒットダイスも低い(PnPでは最初からドラゴンと同じd12だが、NWN1ではd6から始まって次第に上がる)。さらに、呪文のボーナスさえもなくなっている(RDDの伸び方とは違うとはいえ、ペイルマスターのように呪文数が伸びる上級クラスも他にあるので、呪文の伸びがゲームシステム上全く再現不可能というわけではない)。呪文能力が減ったといっても、かわりに近接の能力が何か他に追加された、とかは特にない。どこから見てもPnPからさらに劣化しただけである。
 NWN2でも、おそらくNWN1からの伝統という理由もあって、NWN2最初の基本パッケージ(拡張導入前, OC)からRDDが選択できるが、ヒットダイスだけPnP通り最初からd12になったくらいで、ほとんどNWN1と変わらない。
 つまるところ、一見、これ以上微妙にしてどうするというのに輪をかけて微妙にしたようにしか見えない。NWN1でHotUのコボルドNPC(旅仲間)、ディーキンが、選択肢によってはバードからRDDになることはPnPファンの間にすらも有名だが、PnPプレイヤーはもちろん、一部のNWNプレイヤーからも、単に「ディーキンのキャラクターづけ以外に何の存在意義もないプレステージクラス」などと信じ込まれ、流布されていることも少なくない。


 ここまで読むと、RDDはハズレ職以外になり得るとはとても考えられないように見えるだろう。
 しかし、それら外野の視線に対して、長年研究されてきたNWN1/2システムの評価におけるRDDの実情は、大幅にかけ離れたものである。


 NWN1のパワービルド、すなわち最高レベルに達した際に最高の能力を得られるよう追及する(D&D系ではMin-Max思想としておなじみである)キャラ作成研究においては、
NWN1wikiに挙げられている例のうち、実に半分近くが10lvの、あるいはそれ以上のRDDのレベルを有している。(NWN1ではプレステージクラスはエピックキャラであれば10lvを超えて延ばせる。NWN2のデフォルトでは10lvまでである。)
 NWN2はビルドのバリエーションがNWN1よりも遥かに広く、数多くのパワービルド例があるが、NWN2wikiに挙げられている多数のビルドのうち、やはりかなりの数がRDDを含んでいる。
 パワービルドというキャラ能力の追及において、NWN1,2という環境の中に限っては、RDDは明らかに最強職のひとつである。
 海外の多くのPWサーバーでは、RDDの能力は「強すぎる」としてこのプレステージクラスの所有キャラ自体が入室拒否される(BANされる)か、サーバー側で弱体化の措置が行われているものも多い。
 上記パワービルドとまではゆかなくとも、NWN1,2を長く続けているプレイヤーの間では、OCなどの長編キャンペーンの主人公キャラとして「FtrかPalを数lv, 1lvだけSorかBrdを咬ませてRDD」というのは定番のビルドのうちのひとつとなっている。
 NWN1,2ともに、RDDの立ち位置はPnPからは到底信じ難いであろう代物になっている。


 なぜPnPとNWN1,2で、ここまでRDDの立場に差が生じているのか。
 手っ取り早く言えば、RDD高レベルにおける「能力値の増大」が理由であり、そしてPnPと異なり、これほどの能力増大を実現する手段が、NWN1,2では他に皆無であることが原因である。

 ここで、PnP版に慣れたプレイヤーは、能力値を増大させる手段はべつにクラス取得などで増やさなくとも呪文や特殊能力やアイテムその他でいくらでもあるとか、日本語化されたルール本だけでも簡単に数十ブーストできるとか、そんな中でたかが+2〜+8とか別にどうでもいいわ(声:いかりやビオランテ)とか思うところかもしれない。
 ところが、NWN1,2のデフォルトのシステムでは、キャラ本人のベースの能力以外の、呪文やアイテムによる能力値の加算は、「+12」までに制限されている。ボーナスの累積に関するルールの実装はPnPとは大きく異なり、NWN1,2のそれぞれでも異なるが、どう累積しても+12までであることには変わりはない。例えばConを+8するアイテムを装備している場合、バーバリアンのグレーターレイジ系などでConをさらに+6しても、合計はベース能力値+12までにしかならない(つまり、レイジは+4分までしか反映されない)。NWN1,2のバーバリアンは、こういったアイテムが既に入手容易になっているエピック等では不遇で、レイジ以外に特徴を見出さなくてはならない、と言われる所以である。
 なぜ能力値加算が+12までになっているかというと、バランスのためと思われる。FR特殊本の記述を考え無しに額面通りエピックまで拡張してみたらConが+1200強化された、などということがPW(常設)などのマルチプレイ用サーバーごとに起こりにくいようにと思われる。また、NWN1では複数の手段による能力値増加が重複可能だったので、かなり容易に+12をこえる高能力値修正を得ることができ、これも高くなりすぎないよう+12までが反映されるようになっていた可能性がある。これがNWN2では、最も高いアイテムの修正が反映されるようNWN1とは変更されているが、上限値はNWN1のまま据え置かれている、といった経緯が考えられる。

 ともあれ、「アイテムや特殊能力等によるブースト」での能力増強が+12までに限られている以上、「キャラ本人のベースの能力値」を増強させる手段が後半ではものを言う、ということになるのだが、例えばキャラクターレベル4lvごとの能力値増強やエピック級特技などによる増強は、ベース能力の増強扱いとなり、上記+12とは別に加算される。そして、RDD 10lvのStr+8, Int+2, Con+2, Cha+2もベース能力の増強扱いとなり他のボーナスと累積する。特にStrにこれほどのボーナスを得る手段はNWN1,2では他にない。BGやIWDではわりとよく見かける、能力値を増加させる本(トーム、マニュアル)や薬もごく一部モジュール除いて見当たらず、エルミンスターやハラスターのような公式キャラがIntを上げるために行っているような、wishで能力値を増加させる(ただしシャル、テメーのStrはダメだ)といったシステムもNWN1/2にはない。
 なお、NWN2では、上記した+12までのボーナス制限の他に、システム的な能力値の上限そのものが「50」(つまり、能力値による修正値が+20となる値)までとなっている(これはNWN1よりもかなり低い。NWN1ではどこまで正常に動作するかは定かではないが、データ上は255までとなっている)。しかし、Strに関してはRDDの+8と、ボーナスの+12、30lvまでのキャラクターレベルによる能力値上昇+7に、さらにエピック特技の能力値上昇(大いなる筋力)を加えると、種族によっては50に到達することは充分に可能である。NWN2では、いずれかの能力値が50を超えた場合どうなるかというと、超えた値は機能しない等だけではなく、きわめて厄介なことに、予期せぬ不具合を起こす可能性がNWN2wikiでも触れられている。また、NWN1時代にはなんらかの理由でRDDのレベルを下げた際に、能力値の収支がおかしくなり、データ異常が生じる上、一度起こってしまうとスクリプト等で直すのは不可能(DMの操作やキャラエディタ等で直すしかない)といった報告があったらしい。マルチプレイのサーバーでRDDが入室禁止にされるのは、実際のところこれらの理由が大きいのかもしれない。

 上記に加えて、PnPと上記NWN1,2のパワービルドの感覚が異なる点に、PnPでは基本的に20lv未満の非エピック(場合によっては10lv前後が中核)が主にプレイされるのに対して、パワービルドはNWN1,2最大限のエピック(30-40lv)を問題としている点が上げられる。PnPでは「10lvも費やしてハーフドラゴンテンプレートだけ」と言われるRDD 10lvも、キャラクターレベルが30-40lvであれば、キャラの能力を構成するごく一部にすぎない。高レベルキャラの多くが、簡単に能力値+12が実現できるブースト用アイテム等もすでに当然に有している以上は、NWN1,2においてはベース能力増強の重要性の方が高い。また、エピック級特技の多くは、かなり高い能力値を必要とするので、20lv前後でRDD 10lvに達していた場合はその取得に有利なことも多い。

 PnPでは同じ能力が種族でハーフドラゴンテンプレートを選べば手に入るといっても、いうまでもないことだが、NWN1,2ともにデフォルトではハーフドラゴン種族は選択できない。overrideなどで追加することは容易だが、3.5eのSRD準拠とすると「レベル調整値+3」で上記能力が最初から得られるとすると、NWN2ではRDDにもまして強すぎるため、そのまま追加するPWサーバーやモジュールがあるとは考えにくい。
 なお、overrideでRDDの能力にPathfinder等と同様の「呪文数の加算」を追加することも容易にできるが、同様の理由でRDDを現在以上に強化するのは問題があるため、あまり推奨できる改変とは思えない。


 このRDDは、実装されたデータだけ見るとPnP版よりも大きく弱体化しているように見えて、その実NWN1,2内の制約のもとでは、現状でも強すぎて問題になるほどという、NWN1,2の特異な環境を殊に強く示しているクラスである。
 ただし、それはPnPプレイヤーの側から見ると、(他の手段が制約されているせいで相対的に強いというのは)いまいち物足りないというか、面白みを感じる強さではない、と感じることはあるかもしれない。








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