わかりにくいルール(システム)の小ネタ(というか実装の厄介な点)


《武器の妙技》

 この特技はDexがStrよりも高い場合、命中判定にDexが使われる(命中にStrは使われない。ダメージはStr準拠のまま)というものであり、軽戦士のご用達である。

(1)対象武器
・ダガー、ハンドアックス、カマ、ククリ、ライトハンマー、メイス、レイピア、ショートソード、シックル、(ウィップ)、素手攻撃に適用される。
・つまり「小型武器」などと一律決まっているわけではない。
素手にも適用される。中型武器であってもレイピアには適用される。
・上記対象武器であっても、自分よりサイズが大きい武器には適用されない。つまり、自分のサイズが「小型」であるハーフリングやノームが「中型」のレイピアを使った場合は適用されない。他の対象武器はすべて小型以下なので、ハーフリングやノームでも適用される。
・SoZに登場するラストリ船長(ストロングハートハーフリング)は、上記事情のためレイピアでは武器の妙技が適用されない。デフォルトで持っている「ラストリのレイピア」は分類はショートソードなのでこれを使う分には問題ないのだが、武器熟練を持っているのがショートソードではなく「レイピア」であるという設定ミスがある。
・小型キャラが一回りサイズの大きい武器を使用できる《大業物》特技を習得し、レイピアを用いても、中型キャラと同様には機能しない。詳しく述べると、中型キャラでよく行うようにメイン武器としてレイピアを持ち、もう片方の手に盾やサブ武器を持っても、《武器の妙技》は機能しない。ところが、レイピアだけを持ち、もう片方の手が空いていると、《武器の妙技》が機能する。「片手用武器」として装備した旨が表示され、実際に《強打》などは片手持ちの効果で両手武器扱いにはなっていないが、なぜか両手持ちのようにダメージのStrボーナスが1.5倍になっているという、かなりややこしい状態になる。
(2)習得
 初心者は忘れがちな点として、BAB+1が前提条件である。つまり、戦士系以外は1lv時のBABが0であるので、1lv時には取得できない。RogやBrdで軽戦士を作ろうとした際はいきなり躓くことになりがちである。


《武器熟練/開眼》

(1)効果
・武器熟練/開眼には、(通常の)武器熟練/開眼、上級熟練/開眼、エピック級熟練/開眼の3段階があり、6特技で命中+3/ダメージ+6である。
・Ftrの象徴的特技であるが、他の特技やクラスにも戦闘能力の底上げ手段はいくらでもあるとして、PnP版ゲーマーには(「HFOのネタ扱い」を本気で信じ込む等含め)異様な過小評価を喧伝している者がいる。が、他の手段がある程度限られ、少なくとも戦闘回数やスピードがPnPとは比較にならないほど大きいNWN1/2の多くのモジュールでは有効性は圧倒的に高い。
・本来、3.0e(NWN1)には「上級」段階がなく、3.5eでは「エピック」段階は3.0eからのアップデートのデータで充分に整理されていない。NWN2ではこれらを統合して実装した名残か、後述するような宙ぶらりんのルール的不自然(非対称性)やわかりにくい点を多数抱えている。
・3.Xeのプレイヤーには周知だが、「開眼」「上級開眼」はそれぞれFtrのクラスレベル自体が4lv, 12lv必要である。「上級熟練」にはFtr8lvが必要である。わかりにくい点であるが、FtrLvがこれより低いままBABだけ高かったり、Ftrクラスレベルの取得と同時に特技を取得する、というだけでは、これらの開眼等を取得することはできない。(NWN1の最初期バージョンでのみこれが可能であり、厄介なことに、NWN1の攻略サイトにはいまだにそう書いてあることがある。)
・一方で、「エピック級熟練/開眼」はキャラクターレベルさえ21lvより高ければ取得できる(前提特技の上級熟練/開眼のためにFtr8/12lvは必要ではある。次に述べるがファルシオンはバグでこれも必要ないことがある)。
(2)ファルシオン
・エピック級開眼は原則的に「上級武器熟練/開眼」が前提条件となっているが、どういうわけか「ファルシオン」だけは、「武器熟練/開眼」があれば「上級武器熟練/開眼」が無くても習得できる。
 ファルシオンでその場合、「上級武器熟練/開眼」の有無にかかわらず、命中/ダメージは+3/+6になる。どうも開眼/上級/エピック級でダメージ+2ずつ累積等ではなく、エピック級の時点で+6に上書きされているようである。
 つまり、ファルシオンのエピック級開眼者になるには、Ftr12lvは必要ない。キャラはエピック級である必要があるが、Ftrレベルは6lvほどで済む場合がある。
 3.0eやNWN1(上級熟練/開眼そのものが存在せず、通常の熟練/開眼のすぐ上がエピックになっている)を引きずっているとも、SRDの一部記述(3.0eのELHからアップデートされていない)に準拠しているとも考えられるが、どのみちNWN2でファルシオンでだけこうなっている理由は不明である。
 ファルシオンはNWN1では後から追加された武器ではあるが、NWN2ではfeat.2daを見ると最初のOCの時点から特技は存在するものの、特技のIDは他の武器よりもかなり後になっている。さらに、エピック級武器熟練・開眼よりも上級武器熟練・開眼の方がIDが後になっている。おそらく、NWN1(3.0e)に準拠して通常とエピック級の武器熟練・開眼のデータを作った後、3.5e準拠の上級武器熟練・開眼を追加した際に、エピック級の方の前提特技を直し忘れたミスではないかと思われる。
 なお、Kaedrin PRCなどのユーザーfixではこの前提特技は修正されているので、これらを導入している場合は、ファルシオンだけエピック級開眼を近道するといったことはできず、上級開眼とFtr12lvが必須である。


《追加hp》

 NWN1時代からPnPとNWNの差として特に話題にのぼりやすかったのがこの特技である。PnPでは3.0-3.5eの間、効果は「hp+3」となっており、特技ひとつ費やして単に最大hpを3増やすだけというのが、3.0eで他に取る特技のないHFOがこれを大量取得したりしてコケにされまくるネタに使われていたものであったが、実の所、ルールブックのサンプルキャラ達ではウィザードとかがこれを持っている。結局のところ、サンプルキャラらが持っているのはゲームを厳密に考えるとこんなわずかな底上げでも生存率上昇がそれほど重要だからであり、コケにされるべきはHFOなどではなく、OD&D〜CD&Dの頃から続く、コボルドの錆びた槍がウィザードの不運な場所にぶっ刺さればおさらばで御座いますというD&Dの根本的性質(モンテ・クックも自作d20で指摘している)にあったといえる。
 かなり脱線したが、NWN1では追加hp特技は1回しか取得できないかわりに「ヒットダイスごとにhp+1」と大幅に変更されており、特に低レベルでは非常に地味だが、レベルが上がれば上がるほど堅実に生存率を上げる特技となっている。なお、上記のhp+3の他に「追加hpの上位特技」として同様又は似た特技を追加するルールは、PnPの方でもクラス本やPFなどにみられるようになっている。(一方、NWN以外のD&Dゲームを見ると、IWD2やToEEなど、PnPのhp+3を忠実に再現してしまっているゲームもある。)
 NWN2でも基本的にNWN1を踏襲して「ヒットダイス(レベル)ごとにhp+1」であるが、特記すべきは(元のPnPのルールの時点からそうだが)プレステージクラスにはこれが前提特技になっているものがあることである。具体的には、NWN2の重要プレステージであるドワーブンディフェンダーとストームロードの前提特技にこれがある。PnPではこれらのクラスについては、「折角の強クラスが、前提に追加hpが入っている(1回は取得しなくてはならない)というだけの理由で、目指したその時点で大損をしたような気分になる」などと評されることもあったのだが、NWN2では無駄にならない前提特技であり、安心して目指すことができる。クレリックの特典やレンジャーのボーナス特技などで習得できることもあり、地味にありがたい。なお、「追加hp」はPnPのHJ社訳の時点で原語(Toughness)からかなり意訳されているので英語wikiなどを見ていると見逃されることがある。
 一方、エピックキャラの上位特技である《エピック級追加hp》の方は、NWN1/2でもヒットダイス(レベル)依存ではなく3.0e, 3.5eのPnP同様に「固定hpの追加」となっている。ただし、その追加量はこれらの版やゲームごとにばらつきがある。NWN2では+30hpである。


《武器熟練(遠隔/近接接触攻撃)》

・これはカテゴリやルール的には「武器」熟練の一種ではあるのだが、実質は何かの武器(素手含む)ではなく、「呪文」などでしばしば判定に用いられる遠隔/近接接触攻撃の命中を上げるものである。初心者が「近接武器全般」か何かだと思ってOCのドワーフ戦士・ケルガーに持たせてしまったという話があるがおそらくケルガーが使用する機会は限りなく0に近い。
・個々で言えば、「遠隔」接触攻撃については怪光線(エルドリッチブラスト)の命中判定を頻繁に行うウォーロックに有用な機会が多い。また、他に遠隔接触攻撃を行う呪文、メルフズアシッドアロー、スコーチングレイ等を多用するソーサラーなどなら想定できないでもないが、そこまで割り切ったビルドがあるかは不明である。「近接」接触攻撃はCLR呪文リストのインフリクト系などが挙げられる。悪のセイクリッドフィストなどが使用することはあるかもしれない。







NWNページに戻る

トップページに戻る