・Kaedrin PRC Packの追加要素


 まだNWN2+拡張本体の要素についても、もっと説明・考察しておかなくてはならない点が山積みで、追加hakpakの解説をしている場合ではないのだが、導入方法だけ挙げて放っておくのもなんなので、ひととおりどんなものか挙げておく。

 以下はバージョン1.42.1の場合であり、内容はバージョンによって若干差がある。(作者サイトと実装が食い違っている部分も若干ある。他の併合hakpakやキャンペーンによっては、別のバージョンが同梱されている場合がある。)


(1)45種のプレステージクラス
(2)4種のベースクラス
(3)6種のサブ種族
(4)既存クラスの機能の拡張、改変、fix
(5)特技、呪文、信仰領域、アイテムの追加やfix
(6)その他、細かいバグのfix等


 (1)(2)のクラス追加はこのhakpakの売りで、(NWN1のPRCと比べると)必ずしも3.5eのPnPの定番を網羅しているというわけではないが、NWN2デフォルト自体が充実しているためもあって、かなりキャラメイクのバリエーションは広くなる。詳細は後述する。

 (3)は、本サイトの改変例で説明しているような強すぎる(そして実用性のない)ものではなく、かといって有名なものではなく、言ってみれば地味な種族の追加である。intの高い「im@s・カー人」、chaの高い「スターエルフ」「フェイタッチト(2種)」「スペルスケイル」、ドルイドが適性クラスの「ペインテッドエルフ」というチョイスは、追加クラス(例えばchaを要求されるバード系や信仰系、ドルイド系など)の方を念頭に選択されているのかもしれない。しかし、呪文系に向いた種族が追加されたことは、結果的にデフォルトのクラスの選択にも重宝する。

 (4)は、アサシンやブラックガードの呪文選択の拡張などがある。また、バーバリアンのレイジにかえて、ACが低下せず、逆に増大するWhirlwind Frenzyと選択できるようになっており、これも本hakpakの追加クラスに多い軽戦士に対応したものになっている。逆に、レンジャーが「弓矢」と「二刀流」だけでなく「両手武器」(強打系を習得していく)のスタイルを選べるようになっており、アラゴルンやミンスクのような大剣で戦うレンジャー(ただし、NWN2版のBG Reloadedではミンスクはバーバリアンに改変されているが)が可能である。もっとも(3.5eのNWN2では、2ndのBGや3.0eのNWN1に比べても)レンジャー自体が重戦闘には向いていないが、「別に二刀流も弓矢も要らない」という場合、特技の足しとして強打系が得られるというのは選択肢が増える。

 (5)の特技や呪文は、追加のクラスに対応したものの他、他クラスの選択肢になるものも多数ある。信仰領域はComplete Divineやレルムで追加されたものがかなり拡充されている。NWN2では神格によって領域が決まっていないのでクレリックの個性づけが難しいが、デミヒューマンの領域(「エルフ」「ドワーフ」等)は助けになるかもしれない。

 (6)はNWN2本体の厄介なバグ、例えばディスペル系呪文の対象が選択できないことがある等がfixされている。また、設定ファイルでfixのオン・オフを切り替えられるものもある。細かい点ではあるが、これらのfixをもって本hakpakの導入を推奨されていることも多い。



〇追加クラス

 Kaedrin PRCの追加の45上級職や4基本職は、ブレードシンガー、ライアリスト(old-Bard)のようなAD&D時代からの重要クラスや、シャイニングブレード、ホスピタラー、ダーヴィシュのような3版系の定番が入っている(残念ながらモヒカンはいない)。

 こうした基本は押さえている、という前提を置いた上で、さらに追記するならば、全体的な傾向で見ると、このhakpakの追加クラスは「ローグ系・軽戦士系」に著しく偏っている。
 例えば4種の追加基本クラスだが、


・へクスブレード
・ニンジャ
・スカウト
・サグ


 と、へクスブレードを除き4種中3種が盗賊系である。スカウト(Complete Adventurer)は、元ルールでは屋外での機動戦闘を得意とするクラスで、元からローグの頼もしさとレンジャーの頼りなさの隙間産業に割って入っているような基本クラスだが、「機動攻撃」がNWN1,2のシステムでは追加しにくいため単なる急所攻撃に置き換わってしまっており、基本性能や特技習得の順番が若干違うローグもどきのようなものになっている。3.5eニンジャは説明するまでもないが(AD&D1stのアサシンやWizardryニンジャのような切れ味のあるクラスではない)、サグはファイターがボーナス特技のかわりに急所攻撃を黙々と延ばしていくHKO(ヒューマンキュウショオトコ)以外の何でもない。
 なお、作者サイトのバージョン1.45の追加予定の基本職が、ビーストマスター、ファクトータム、スカルドで、3職中の2職がやはり盗賊系である。


 45種の上級クラスのうち、前提条件に盗賊系の技能や特技を要求しているものは15クラス(そのうち「急所攻撃」を直接に前提に要求しているものは4クラス)、それ以外で軽戦士系(軽武器の熟練等を含む)の特技を要求しているものは9クラス、バード系は5クラスで、合計すると実に3分の2近くに及ぶ。


 なぜ盗賊系や軽戦士系が多いのかは理由は、幾つか考えられる。
 単純に実装しやすいというものもあるかもしれない。戦士系やまして術者系は、新たなクラスの能力では、全く異なるルールを導入しなくてはならないことが多い。例えば、冒頭にモヒカン(レイディアント・サーヴァント)がいないことを挙げたが、領域呪文(治癒)の強化が主能力のひとつであるレイディアント・サーヴァント(レルムではアモネイターか何か)は領域呪文のシステムがPnPと全く異なるNWN1/2では調整しにくいと思われる。また、へクスブレードが、呪文リストを追加するわけではなく、特技による呪文発動(NWN1のアサシンやハーパースカウト等と同様)で表現しているのもその例である。というか、このクラス実装自体がアサシンやブラックガードの呪文数を増やしたシステムの副産物である可能性が高い。こうした魔法系の実装の困難さに対して、盗賊系や軽戦士系は既存の数値や技能バランス、既存能力の組み合わせやそれに近いものでも特徴が出ることが多い。
 単純に軽戦士の強化と個性づけという側面も考えられる。NWN1,2では重戦士系が安定した強さを持ち、軽戦士にすると、例えば一見典型的な二刀流レンジャーや低レベル域素手モンクなどは、4版以降のような撃破役として活躍するどころか足を引っ張りかねない。その結果、「高レベルでMnk11lv以上でカマ二刀流」が決め打ちなどという、極端に偏ったビルドになりがちである。アーチャーについても、NWN2ではウォーロック(これも実はデフォルトでは色々問題を抱えているが)の追加のために、BGやNWN1に比べて地位も下がっている。ローグやその複合型を補強するか、少なくとも選択肢を増やす、という意図も考えられることである。






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