○NWN2(OC)アイテムのクラフト


 NWN2が1(のデフォルト)よりも強化されたのが、アイテムクラフト要素である。
 PnP版のD&D3.Xeでは「プレイヤーがマジックアイテムを作成できる」ことをD厨がゲームシステムの特色として頻繁に挙げるのを聞いたことのあるTRPGゲーマーもいるだろう。これが強化されたことで、NWN2はさらにD&D3.Xeらしい印象を強めている。


 もっとも、PCゲームのゲーマーにとっては、やりこみ要素であるとか、とっつきにくいという印象を受ける要素かもしれない。BG2やNWN1(HotU)のシナリオ内のアイテム合成、Diabloのキューブ合成やRoguelikeの鍛冶・壺の類と比べても、複雑でいまいちわかりにくい。クラフトを駆使するには、戦力を左右する技能や特技を余計に消費しなくてはならないし、実際のところ駆使しなくとも難易度上は問題ないので、手を出さずにクリアしてしまったゲーマーも多いと思われる。実のところクラフト要素は、TESのような箱庭ゲーム(のようなモジュール)や、MMO風のモジュール(PW)においてプレイヤーの目的を増やすためにあるような要素でもあり、必ずしもOCのようなストーリーモジュールには向いているわけではない。
 しかし、望むアイテムをクラフトで入手できることや、慣れてくると、特に装備品は買うよりも遥かに安価に入手できるため、覚えておくとかなり楽になる。
 戦闘能力を高めるような特技のかわりに、クラフト特技を習得しておけば、作成したアイテムによって様々な戦闘能力向上が可能となる、と考えることもできる。


 以下はNWN2OC(本体添付オフィシャルキャンペーン)のものである。拡張のMotBやSoZ、ユーザーモジュールでは、一部や多くが異なっていたりする。



・スクロール、ポーション、ワンドの作成

 これらのクラフトは分りやすい。特殊な設備や(空の道具以外の)素材は必要なく、該当のアイテム作成特技を持つキャラが、持ち物欄にある空の道具(白紙のスクロール、ポーションの瓶、骨のワンド)に向かって、該当の呪文をかけるだけである。
 《スクロール作成》の特技はウィザードは自動で持っている。《ポーション作成》はキャスター系が3レベルから、《ワンド作成》はキャスター系が5レベルから習得できる。


 注意する点がある。これらの作成には呪文レベル(発動する呪文がどれだけ高度か)、術者レベル(どれだけのレベルの術者が発動するものとして扱われるか)に相応の費用がかかり、NWN2では費用は作った瞬間消費される。PnP版(TRPG)では「術者レベル」などは作り手が選択できるが、NWN2では術者レベルはアイテムごとに決まった数に固定されているのである(参考:NWN2 wikiのワンドのクラフト表)
 マジックミサイルのワンドを作ろうと思ったら、必ず術者レベルが9になるので、ミサイルが5本出てくる強力なワンドが必ずできるかわりに、6750GPがいきなり吹っ飛んでしまうのである。また、キュアのワンドの術者レベルが呪文の強力さに比例しておらず、キュアシリアスのワンドがキュアクリティカルよりも遥かに作製費用が高価という「きりさき・まっぷたつのけん」現象となっている。よっぽど博打好きでもなければ、上記のwikiのようなリストを見ながら計画的にクラフトした方がよいだろう。
 なお、GPは上記のようにPnP版以上に消費するが、xpは必要としない。ドキュメントの一部にはxpを消費するかのような記述が残っているが、結局PnPとはかなり異なるものになっている(別ゲームのToEEで、3.5eのPnPのクラフトが忠実に再現されていたのとは異なる)。
 さらに注意点として、これらの消耗品マジックアイテムのクラフトは(特にポーションの場合著しいが)装備品とは異なり、買った方がはるかに安上がりであることが多い。店に売っているようなら、それらを優先的に買った方がいい。
 無論のこと、販売数に限りがあるアイテムも多く、どうしても入手できない場合はクラフトが可能な点は有効である。また、これらの消耗品クラフトは設備や、特殊な材料(空道具以外)が不要で、いつでも作れることから、緊急時の調達にも有効である。

 これらの注意点から、NWN2では消耗品アイテムの作成特技は元ルールほどは(例えば3.5eでは治癒・補助魔法などを大量にストックしておけるワンド作成などは定番である)重要ではないが、うまく活用できれば他の戦闘系特技以上に有用である。


 なお、NWN2のデフォルトでは(3.5eのPnP版と異なり)スタッフ、ロッドを作成する特技はなく、これらは作成できない。



・武器防具の作成

 NWN2では、「ベース武器や防具を作成する」と「武器防具に魔法を施す」の両方がプレイヤーキャラの能力で可能であるが(NWN1(HotU)では前者のみだった)ここではまず最初に、ベース作成について説明する。

 魔法がかかっていない状態の武器や防具を作る段階は、基本的に「技能」で作成する。以下のものが必要である。


 a.技能(武器製作、防具製作)
 b.場所(鍛冶師の作業台)
 c.道具(ハンマー)
 d.材料(鋳型、延べ棒)


 a.技能は〈武器製作〉〈防具製作〉の技能である。どれだけの技能が必要かは対象のアイテム、さらに使用する素材によって異なる。作れるものは技能判定ではなく、技能値そのものによって決まる。(参考:NWN2 wikiの技能及びクラフト説明)。鉄や木などの通常の武器を作るのであれば技能ランクは一桁あれば十分だが、冷たい鉄や錬金術銀なら必要ランクは+5、ミスラルは+10、アダマンティンは+15等補正される。どんな素材のアイテムが良いかは後でまとめて述べる。
 ベース武器防具を作成する者と、別項目で述べる魔法を施す者は別人でもいい。つまり、ベース武器防具の技能はパーティー(主人公でなければコンパニオン)のだれかひとりが持っていればよい。武器防具製作はドワーフや戦士等が持っていればそれらしいのだが、技能ポイントが余るウィザードなどが上げざるを得なかったり、または推奨ボタンをクリックして成長をオートにしているといつのまに習得していることが多い。後述の魔法付与もウィザード等が担当することを考えると職人術者でよいのかもしれない。

 b.作業場として「鍛冶師の作業台」が必要である。NWN2OCなら、まずは1章始まって間もなくの屋外の砦、フォート・ロックにある(ここではハンマー等の道具も手に入る)。その他、街などのあちこちにあるが、OCの前半の拠点であるダンカン叔父の宿屋サンクン・フラゴン、後半の拠点クロスロード・キープの地下にあるものを利用することが多いだろう。

 c.武器・防具製作には「鍛冶師のハンマー」というアイテムが必要である。上述のフォート・ロックでも入手でき、各所の道具屋などにも安価で売っている。

 d.最後に材料が必要である。鋳型は「ショートソードの鋳型」「ハーフプレートの鋳型」といったもので、鍛冶品を売っている店で手に入ることも多い。延べ棒は拾ったり買ったりでき、特に後半のクロスロード・キープではかなり大量に収納されていたり買えたりする。ミスラルやアダマンティンなどの他のファンタジー世界なら非常に貴重な素材(例えば中つ国第三紀ではミスラルチェインシャツは国ひとつ以上の価値がある)もかなり手に入りやすいが、FR世界とはそんな世界である。作る品物によって必要な延べ棒の数も異なるが(例えば鎧を作るなら複数の延べ棒が必要となる)鋳型の方の右クリック説明に書いてある。


 これらが揃い、ベースアイテムを作る段だが、

(1)鍛冶師の作業台(入れ物)に、鋳型と必要量の延べ棒を入れる
(2)製作に充分な技能ランクを持ったキャラのインベントリに、鍛冶師のハンマーを入れる
(3)インベントリ内の鍛冶師のハンマーを右クリックし、能力を使用。使用対象を指定する際に、画面上の鍛冶師の作業台を指定

 これで鍛冶師の作業台内にベースアイテムが製作される。

 何を素材として武器防具を作ればよいかであるが、武器と防具で異なる。
 武器であれば、「錬金術銀」か「冷たい鉄」のもの(できれば両方)を用意しておくのがよい。武器選択のルールについては別の箇所で述べるが、錬金術銀はデヴィル等の、冷たい鉄はデーモン等のもつDR(ダメージ減少)を貫通する目的でほぼ必要となるためである。アダマンティン武器は厄介な敵魔法使のストーンスキン呪文や、これも厄介なゴーレム等のダメージ減少を貫通でき、ダークスティール武器は+1の電撃ダメージ加算があるが、頻度や他の対策から言うと前2種ほど重要ではない。ミスラル武器は多少軽くなるほどで、元の重量から考えてメリットはほぼ無い。
 (海外RPGやFT小説にミスリルの「武器」はめったに登場しない所以である。なお、主に3.Xe未経験者に補足しておくと、「冷たい鉄」はFTの文脈では単なる「鉄」の形容のもってまわった表現として用いられる(実際、ロード・ナッシャーが「武力」の比喩として使う台詞もあるのが混乱させる)ことがあるが、D&D3.Xeでは「冷たい鉄」と普通の「鉄」とは全く別の素材である。また、ミスリルは「まことの銀」と原典や他のFT、AD&Dですらもたびたび形容されているが、3.Xeのミスラルは銀とは完全な別物であり、ミスラルに他のRPGでの銀や、D&D系の錬金術銀のような利点は全くない。)
 弓については、ダスクウッドでロングボウ・ショートボウを作成するとマイティー+6(筋力ボーナスを+6までダメージに加えられること)、クロスボウで攻撃ボーナス+3(命中のみ)が付くなど、素材やクラフト対象によって異なる効果がある。
 武器に関しては防具と異なり、錬金術銀と冷たい鉄ほど重要なものは他にあまりないが、一応NWN2wikiにまとめられている。

 一方、防具の場合は「ミスラル」で作ると軽くなるため、重量段階が軽減され(重装→中装など。軽装はそのまま)防具による技能ペナルティーが軽減され、有効Dexボーナスが上昇するなど様々なメリットがある。「アダマンティン」防具は1-3のダメージ減少がつくが、強化スロット(いわゆる印数、装備に3種、エピックで4種まで魔法を付与できるスロット)を消費してしまうため、それほどの価値はないという見解が多い。
 ミスラルだけ狙ってもよいが、ミスラルの効果をそれほど重視しない場合(重装備を厭わない重戦士系など)は、「ワイバーンの皮」「レッド・ドラゴンの皮」などの防具を選べば、予想通り高いボーナスと毒や炎への耐性が得られる。ただし、かなりクラフトには高ランクを要する。
 「アンバーハルクの皮」で作った防具は精神影響呪文に耐性が得られるのでかなり重宝する。ただし、かなり手に入りにくく、クラフトに高ランクを要し、クラフトよりも完成品が「盾」などで手に入る方が早いかもしれない。
 その他、総合的にはNWN2wikiなどにまとめがある。

 魔法の強化ボーナスや付与効果は後で変更、加算できる場合があるが、ベースアイテムは当然変更できないので、ベースに何を選択するかはかなり重要である。特殊金属の装備品は(特に防具はたとえ魔法効果がなくとも)店で買おうとすると結構な値が張るので、通常装備のクラフトはこのためにあると言っても過言ではない。



・魔法の武器防具作成(武器防具に魔法を付与する)


 このOCのクラフトはややこしいだけでなく留意しなくてはならない点が山積みなので、重複をおそれず、概要から順次細かい点へと説明を試みる。以下のものが必要である。

 a.特技(魔法の武器防具作成)
 b.呪文(施す魔法ごとに特定のもの、術者のキャスターレベルが必要)
 c.場所(魔術師の作業台)
 d.材料
  d1.ベースアイテム(強化対象となる武器防具)
  d2.宝石
  d3.エッセンス


 各「d.材料」を「c.魔術師の作業台」に入れ、「a.アイテム作成特技の持ち主」が、特定の「b.呪文」を作業台にかけることで完了する。
 例えば、武器に「強化ボーナス+3」を与える場合を考えてみる。
 該当のレシピには、「術者レベル9」「《魔法の武器防具作成》特技」「対象武器、かすかな力のエッセンス、虚弱な風のエッセンス、エメラルド」「ライトの呪文をかける」が必要とある。
 つまり、付与者として、ライトの呪文を術者レベル9で唱えられる(信仰、秘術は問わない)術者で、《魔法の武器防具作成》特技の持ち主が必要である。材料をすべて魔術師の作業台に入れ、この付与者がライト呪文を作業台にかけることで付与される。

 b.の必要呪文及びキャスターレベル、d.の必要材料については、施す魔法(強化ボーナス、武具のブランド、防具のDRなど)によって、それぞれ異なってくる。
 それらの情報を含めて、クラフトに何が必要かという調合方法は、OCでは「レシピ」に書いてある。NWN2のレシピはあちこちで拾える「本」の形になっている。例えば、BGシリーズやNWN1では『炉辺に吹く風』『デッドスリーの歴史』といったフレバーとしては面白いがゲーム内容的には特に意味のない本が多数登場したが、NWN2ではこのような本にはしばしば有益なレシピが書かれているのである。
 OCではレシピ自体は本でしかなく、当然調合方法(材料、呪文とキャスターレベル)さえあっていれば同様に完成する。OC内で少しずつ本を集めてもよいし、面倒だと思ったらNWN2wikiなどで調合方法を調べてもよい。
 これらのa〜d各項目について、以下に独立してさらに詳細を述べる。


a.特技
b.呪文


 特技と呪文の持ち主、付与者は「《魔法の武器防具作成》特技の持ち主」で「特定の呪文を一定以上の術者レベルでキャストできる」者でなければならない。
 まず、《魔法の武器防具作成》の特技習得自体、5lv以上のキャスターである必要がある。この特技を持たせるのはどのキャスターのクラスが良いかだが、後述するように武器防具の場合は(クラスごとに一長一短があるが)専業キャスターなら誰でもよい。

 必要となる呪文は、付与効果ごとに決まっており、レシピに書いてあるが、施す魔法と何か関係のある呪文であることが多い。例えば武器防具に「強化ボーナス」を与えるなら、作業台に「ライト」の呪文をかける必要があり、「フレイミング」のブランド(+1d6火ダメージ)を与えるならば「ファイヤーボール」又は「フレイムストライク」を作業台にかける必要がある。上述するように必要呪文はレシピ本に書いてある。OCでは呪文をかける人物が特技も持っている必要があるが、SoZ(拡張2本目)のクラフトシステムの「メンバーの誰か一人が特技か呪文を持っていればよい」というものとは異なる。
 付与する効果ごとに呪文にはキャスターレベルも必要である。+1強化ボーナスなら3lvのキャスター(特技習得制限から5lv以上でないとありえないのでは、と思うかもしれないが、NWNシリーズでは着用者に特技を与えるようなアイテムも登場し得る)のかけるライトでもよいが、+5強化ボーナスならキャスターレベルは15lv必要である。そのため、付与者はクレリック1lvだけ持っていればいいというわけにはいかず、ほぼ「専業キャスター」に特技を持たせる必要が出てくる。
 このときの呪文について、「疑似呪文能力」は無効である。例えば、アアシマール種族は1日1回「ライト」疑呪を発動できるが、これをアイテム作成に用いても無効である。一方、アイテム(スクロールやワンド)を介して発動する呪文は有効であるが、ただし、アイテム発動は物品ごとに術者レベルが決まっており、調合方法に対してレベルが足りず、高位のアイテムが作れない可能性もある。
 なお、これらの必要呪文などのレシピは、元のPnPの3.Xeのアイテム作成条件とはかなり異なっている(関係がない)ものが多い。ワンド等の項目でも述べたが、NWN2のクラフトではあまりPnPの知識や資料は当てにならないので、わからなければやはりレシピのスポイラーを参照した方がいい(上記NWN2wikiを引用したが、海外の他の攻略サイトにはPnP版と混同していたり誤ったレシピを載せているサイトも多い)。


 これらを含めて、どのようなキャラを付与者にすればよいか。例えばOCならば、自分(主人公キャラ)が特技を持つべきか、コンパニオンの術者の誰かに《魔法の武器防具作成》特技を持たせるべきか。
 目的となるレシピの呪文がキャストできるか否か、で決まることになるのだが、実の所、「武器防具作成」に関して言えば、強化ボーナスに必要なライト呪文等、最も基本的な呪文は専業キャスターであれば標準でキャストできるものが多いので、「専業キャスター」にこの特技を持たせれば、どれでもそれなりに機能はする。
 信仰系でも秘術系でもどちらでもよいのだが、武器に「ホーリー」効果(すべての「悪」の敵に+2d6魔法ダメージで、有効なことが多い)を付与するのに必要なキュアクリティカルウーンズ呪文をキャストできる「信仰」術者系に、魔法の武器防具作成特技を持たせるパターンが人気があるように思われる。「フレイミング」効果に必要なフレイムストライク呪文は、信仰系ならどのクラスのリストにも入っている。クレリックには、防具にクリティカルやスニークを防ぐ効果を付与できるバニッシュメント呪文もある。さらに、風、水、又は魔術の領域持ちのクレリックなら、それぞれ「ショッキング」「フロスト」「アシッド」効果に必要な呪文もキャストできる。また、ドルイドは、デフォルトでショッキングとフロストも付与できるので、武器のクラフトに向いているが、他方で前記バニッシュメント呪文は無い。前述したように、強化ボーナス、ホーリー、フレイミング、バニッシュメントを付与できる素のクレリックにクラフト特技を持たせても、さほど問題はない。
 一方、秘術系の術者はホーリーの付与ができないが、それ以外のフレイミング等のブランドを一通り、さらにヴァンピリック効果に必要なエナベーション呪文を有する。ソーサラーはウィザードよりも呪文のレパートリーが少ないが、武器防具作成に要する呪文はわりと標準的な(冒険中にもよく使われるため覚えている)ものが多いため、各段に苦労することはないと思われる(スクロールからキャストすることもできるが、入手可能性、キャスターレベル等問題が多い)。

 兼業キャスター(パラディン、レンジャー、又はその他のキャスター系の低レベルマルチクラス)は、前述のキャスターレベルの問題から、低位アイテムしか作れないことが多い。
 バードも、いわゆる聖職者系と魔法使系の両方から選ばれた呪文リストを持ち、このリストがなにげにクラフトに適したラインナップでもあるため、狙い目と言われる。例えば、バードの呪文リストにはホーリーの付与に使えるキュアクリティカルウーンズ呪文がある。しかし、これを覚えるのはかなり遅くなるため、OCでは本格的なクラフトは後半の拠点、クロスロードキープに落ち着くあたりまで持越しかもしれない。一方、UMD(魔法道具使用)に技能のポイントを振っておけば、対応する呪文が使用できないクラフトであっても、アイテムからの呪文発動によってかなりの種類のクラフトができる。アイテムのキャスターレベル上、強力なボーナスを持ったものは作れないことも多い。主に、他の専業キャスターらの戦力低下を危惧してどうしてもクラフト系特技を持たせたくない場合に、直接戦力外と割り切ったバードにクラフト系特技を任せる、という選択をしたプレイヤーに用いられる。
 例えば、上記キュアクリティカルウーンズは自力でキャストできるのはかなり後になるが、バードはキュア呪文がリストにあるので、何かうまくしてスクロールかワンドが手に入れば使用できる。したがって、これを用いて唱えればホーリー武器の付与は行うことができる。なぜなら、冒頭のワンドの項目で述べたように、NWN2のスクロールやワンドは(作成者に関わらず)何種類かにキャスターレベルが固定になっているのだが、デフォルトのアイテムデータに存在するキュアクリティカルウーンズのスクロールおよびワンドは、いずれもキャスターレベルが7lvになっている(「キュア・クリティカル・ウーンズ(7)」などと書いてあるのがそれである)ので、ホーリー武器付与にぎりぎり足りる。
 クリティカルを防ぐ防具を作るバニッシュメント呪文についてはバードの呪文リストにないが、UMD技能が足りればスクロールが使用できる。この防具の付与に必要なキャスターレベルは13lvだが、バニッシュメントのスクロールはキャスターレベルが15lvになっているので、もしスクロールが入手できればこれも作成できる。
 フレイミングやショッキングの武器はというと、NWN2のファイヤーボールやライトニングボルトのスクロールやワンドは、もしUMD技能が足りて使用できるとしても、ほとんどがキャスターレベルが5-7lvなどで、残念ながらこれらを用いて、10lvが必要なフレイミング等の付与に使うことはできない。しかし、例えばNWN2のスタッフ・オブ・マギは、キャスターレベル10lvのファイヤーボールとライトニングボルトを発動できる。スタッフ・オブ・マギが入手できた場合、バードに付与のために使わせるのも手である。


 おそらく《魔法の武器防具作成》と《その他の魔法のアイテム作成》は、別々の術者に分担させて習得させることになるが、信仰系と秘術系の専業が一人ずついるなら、信仰系に「武器防具」作成、秘術系に「その他の魔法のアイテム」作成、といった役割分担を行うパターンに人気があると思われる。「その他の魔法のアイテム作成」との兼ね合い(特に、そちらは秘術系の術者の場合、スクールの専門化との兼ね合いがある)については、そちらで述べる。
 OCのNPCでは、(加入は遅れるものの)クレリックのジャイヴに、《魔法の武器防具作成》と《その他の魔法のアイテム作成》のいずれか、又は両方を持たせるというパターンがよく聞かれる。上述のように、他のキャラの戦力を落としたくないので、元々戦力的には低いバードのグロブナーに作成系特技を持たせるという選択も聞かれる。


c.場所

 「魔術師の作業台」は、ベース武具のクラフトの項目で述べた鍛冶師の作業台同様である。ただし、店などに置いてあることはやや少ない。やはりダンカンの宿屋や、クロスロードキープ地下などの拠点のものを利用することが多いと思われる。


d1.ベースアイテム

 付与対象は主に先の項目で技能で鋳型からクラフトした非魔法の武器防具などである。それはいいのだが、その他に、既に魔法のアイテム(付与効果を持つもの)をベースにし、強化することができる。
 既にある付与効果は上書きされ、ない効果は追加される。例えば+1ロングソードに、前述のエメラルドを使った「+3武器強化ボーナス付与」のレシピの付与を施すと、+3ロングソードになる(+4ではない)。ここに「フレイミング付与」のレシピの付与を施すと、+3フレイミング(炎ダメージ+1d6)ロングソードになる。
 マジックアイテムのさらなる差分アップデートが可能なのは、既に魔法のかかった物品にはそれ以上付与できないとか+2をこえて強化されることはないとかそういう(元はデザイナーのバランスご都合の)設定を元にファンタジー世界を組み立てようとしているソードワールド1とかの『TRPGベテラン』には、到底理解の範疇を超えた話に見えるとのことであるが、D&D系では昔から既に当たり前のように書かれている事項である。

 では無限に付与できるのかというと、そういう旨い話はない。付与者が非エピック(20lv以下)であれば、付与できる効果は3つまでである(MotBのエピックレベルの付与者ならば4つまで)。強化ボーナス(+値)を除けば、風来のシレンで言うところの、わずか「印数2」である。
 この付与効果には、通常は「素材」は入らない。例えば錬金術銀の武器は一部デヴィル等のDRを貫通するという効果を持つが、「素材:錬金術銀」自体は、3つまでの付与効果にカウントされない。しかし、なぜか素材がアダマンティンである場合のみカウントされ、アダマンティン武器防具にはあと2種類の効果しか付与できない(強化ボーナスを付与したらあと1つ)。アダマンティンで素でクラフトした際につくボーナスの+2魔法ダメージが、自動的に印数にカウントされているらしい。一応アダマンティン自体にも一部DR貫通などの効果はあるものの、アダマンティンはNWN2ではハズレ素材といわれることも多い(設定ミスやバグという説が有力であり、幾つかのhakではfixされている)。

 さらに、付与効果が3つになると、その物品は以後いかなる付与も受け付けなくなる(付与者がエピックレベルになり、付与可能数が4つに増えない限りは)。例えばフレイミングバーストソード『アンギュルヴァデル+4』(「+4強化ボーナス」「フレイミング」「マッシブクリティカル」)を作ってから、これを『バルダーズゲート2』のごとく『アンギュルヴァデル+5』にアップデートしようとして、+5強化ボーナスのレシピを施しても、すでにある+4強化ボーナスを強化することさえできず、+4のままなのである。
 なので、後で順次強化していけるようにするには、付与効果は2つまで(おそらく強化ボーナスと、元素ダメージなどの何か1種だけ)にとどめておく方がよい。それ以上強化する余地のない最終段階(非エピックなら+5など)になった際に、最後の効果を付与した方がよい。エピックレベルに達すると、付与可能数が4つになるので、そこから再び強化できるようになる。


d2.宝石

 宝石は道中で手に入るものである。BGシリーズやNWN1では一般にただの換金アイテムであったが、NWN2では「黒曜石(obsidian)」よりも高価な宝石は、武具やその他のアイテムの作成に必要となることが多い。黒曜石及びそれよりも高価なものはほとんどなんらかのクラフトの素材であると思った方がいいが、詳しくは上記wikiなどのレシピのスポイラーを見てもよい。
 NWN2のOCでは、武具や他のアイテム作成における付与の材料の中では、(後述するようにエッセンスが融合などが可能であるのに対して)この宝石が最も調達が難しいように思われる。武器防具の付与では、例えばスターサファイアは+4強化ボーナスやフロスト武器に、ブルーダイヤモンドは+5強化ボーナスに必要となり、他項目で述べるが武器以外の装備品(その他の魔法のアイテム)の強力なものに必要なベルジュリルやヒヤシンスも、武器の強力な効果に必要となる場合がある。これらは上位アイテムを付与・作成するために、計画的に使用する必要がある。


d3.エッセンス

 「武器防具に魔法を施す」、又は「その他の魔法のアイテムの作成」には、通常、材料として「ベース材料」「宝石」「エッセンス」の3種を要するが、ここで、他の材料はともかく、「エッセンス」の調達でひっかかるというプレイヤーが多い。

 エッセンスは弱い順から「かすかな faint」「虚弱な weak」「明るい growing」「きらめく radiant」の規模がある。加えて、それぞれ「火、水、風、大地、力」の種類がある。
 これらのエッセンスは、店などでそのまま売っていて買えることもあるが、素材から抽出することもできる。素材はモンスターの落とす残骸などのことが多く、いかにも強そうな素材からは強いエッセンスが抽出できる。例えば炎巨人のアタマ(そんなものを切って持ち歩いているのか)からは強力な「きらめく火のエッセンス」が抽出できる。素材によっては、複数種類のエッセンスが抽出できることがある。例えば、グールのかぎ爪からは「虚弱な大気」と「かすかな力」のエッセンスが抽出できる。
 素材の右クリックの説明に、どんなエッセンスが抽出できるかが書いてあるので、抽出する前や、あるいは店でエッセンス目当てで素材を買う際などは事前に確認できる。

 エッセンスの抽出やその他の錬金術的作業には「すり鉢と乳棒」が必要である。これも店など様々な場所で入手できる。

 素材からの実際の抽出の操作としては、「すり鉢と乳棒」を右クリックし、「アイテムの機能を使用」、紫吹き出しカーソルで抽出する素材を左クリックする。この作業には錬金術師の作業台は必要なく、インベントリ(持ち物欄)で行うことができる。

 ただし、抽出できないアイテム(一見できそうな毒腺など)では効果は発揮しないばかりか、モジュールのhakとの関係や単に誤動作(バグ)などで抽出できないにも関わらず、そのアイテムが消えてしまったりすることもある。素材の右クリックで何が抽出できるかをきちんと確認してから抽出するべきである。
 また、抽出には〈錬金術〉技能が必要である。「きらめく」エッセンスでも10ランクなので、誰か担当者を決めてあるパーティーではそれほど困ることはないはずである。

 必要なエッセンスが無い・売っていない場合はどうするか。実は、Diablo2のキューブ合成のごとく、2つの下級のエッセンスを合成してより上級にしたり、逆に上級のエッセンスをダウングレードして下級のエッセンスを作ることもできる。なお、エッセンスの合成には〈錬金術〉技能が必要であり、例えば上記「きらめく」には15ランク必要である。
 下級エッセンスを「錬金術師の作業台」に2つ入れ、「すり鉢と乳棒」を右クリックし、「アイテムの機能を使用」で出てくる紫吹き出しカーソルで、作業台を左クリックする。
 逆に上級エッセンスを下位のエッセンスにするには、作業台は必要なく、単にインベントリ内で「すり鉢と乳棒」の機能を使用する。ただし、1つの上級エッセンスからは2つでなく、1つの下級エッセンスしか生成されない。つまり、分裂させるのではなく、単にダウングレードするだけなので注意が必要である。

 一般に、武器(攻撃)への強化ボーナス付与には「風」のエッセンス、防具への強化ボーナス付与には「大地」のエッセンスが必要である。強力な強化ボーナスには加えて「力」のエッセンスが必要となる。その他、武器へのフレイミング効果の付与には「火」のエッセンスなどいかにもな物が必要となる。
 OCでは、ネヴァーウィンターの叔父の宿屋や、クロスロードキープの地下で本格的にクラフトに着手すると思われるが、ネヴァーウィンターやキープ内にある幾つかの店にエッセンスや素材が売っているので、必要になってから買い揃えても構わない。上記の抽出法や合成法を含めた入手手段を念頭に入れていれば、おそらく、上記d2の宝石に比べて、エッセンスがどうしても入手できず困るといったことは少ないだろう。



・「その他の魔法のアイテム」の作成


 その他の魔法のアイテムの作成は、基本的には上記の魔法の武器防具の作成と同様の流れである。


 a.特技(その他の魔法のアイテム作成)
 b.呪文(施す魔法ごとに特定のもの、術者のキャスターレベルが必要)
 c.場所(魔術師の作業台)
 d.材料
  d1.素材(皮、延べ棒等)
  d2.宝石
  d3.エッセンス


 をレシピ(参考:NWN2wiki)に従って揃え、「魔術師の作業台」に向かって呪文をキャストすると、魔術師の作業台内に、作成されたアイテムがいきなり出現する。


 注意すべきは、武器防具への魔法付与と異なる点として、「ベースアイテム」が存在しないことである。材料に必ず入っている「なめした皮」や「延べ棒」がベースといえないこともないが、すでにあるアミュレットやクロークやブーツをアップデートすることはできない。皮や延べ棒をもとに、1回ごとに「最初から作る」ことしかできない。ブーツ等の既にある修正値をアップデートしたり別の能力を付与するのは、MotBを待たなくてはならない。


 その他の魔法のアイテムのレシピを見る限り、魔法の武器防具の作成に比べると、呪文キャスターレベルよりも「素材」への依存性が高いように思われる。例えばStr+のジャイアントストレンクスのベルトは、いずれもブルズストレンクス呪文が必要で、キャスターレベルも一律「8lv」だが、使用する素材(宝石及びエッセンスの質)によってStrへの+値がいくつのものができるかが決まってくるのである。能力値+4といった中堅アイテムでも貴重な宝石等を必要とする。能力値ブーストアイテムは+2刻みで、防具の強化ボーナス以上に影響の大きい局面が多い。そのため、武器とあわせて、店で購入できないものは何か、どうしても宝石を消費してでもクラフトすべきものは何か、慎重に検討する必要がある。


 《その他の魔法のアイテム作成》の特技は誰に持たせるか、という話だが、当然、それに適した呪文をキャストできる術者ということになる。前述したように、専業キャスター二人で武器防具・その他の特技を分担することが多いが、以下に留意点を挙げる。


 この特技で作るアイテムのうち最も重要なのは、能力値ブースト系の物品(Str+やDex+のベルト、Con+のブーツ、Int+のヘッドバンド(兜)、Wis+のペリアプト(アミュレット)、Cha+のクローク等)であろう。OCの段階では、これらを付与するための呪文(前記4つなら、それぞれブルズストレングス、キャッツグレイス、ベアズエンデュランス、フォックスズカニング、アウルズウィズダム、イーグルズスプレンダー)はいずれも2lv呪文で、クレリックなら自動習得し、他魔法職でも使用頻度が高いので習得していることは珍しくない。
 一方、(ライトやアイテム発動でなんとかなる武器防具作成と異なり)バードその他の非専業キャスターでは、これらを全て使用可能にするのは困難と思われる。よって、《その他の魔法のアイテム作成》の特技の方はもっぱら専業キャスターに習得させるのを念頭に置くことになるだろう(12lv以上の高レベルウォーロックのImbue Item特技を最初から考慮できるというならまた別だが)。


 ただし、これらは変性術(Transmutation)なので、ウィザードなら禁止系統になっていないか留意する必要がある。これらが禁止系統のコンジュアラーで《その他の魔法のアイテムの作成》を活用するのはかなり厳しいと思われるので、ビルド・キャラ作成時から考慮する必要がある。
 逆に、変性術を専門とするトランスミューターは召喚術が禁止系統となっており、ブレイサーズオブアーマーはともかく、ローブ・オブ・アークマギの作成に必要なメイジアーマー呪文をキャストできない。また、トランスミューターは武器防具作成でも、コロッシブ(酸)武器に必要なメルブズアシッドアロー呪文が召喚術なのでキャストできない。


 また、ドルイドの呪文リストには(前衛全員に持たせることが多いStr+やCon+ほどは重要性が高くないものの)Int+のフォックスズカニング、Cha+のイーグルズスプレンダーが入っていないので、その点のみはドルイドやシャーマンは注意する必要がある。
 この一方で、ドルイドには重要アイテム(他に装備アイテムで外皮ボーナスを稼ぐ手段がない)である、アミュレット・オブ・ナチュラルアーマーを作成できるバークスキン呪文がある。


 このため秘術系をあえて禁止系統のないジェネラリストにしたり、ドルイドとクレリック両方などの複数人に作成特技を持たせたりする人もいるが、つまるところ、最低限の特技習得で全てのアイテムをクラフトで作れるようなキャラは困難であるので、あまりこだわりすぎず、どれか一つや二つのクラフトは諦めて、専業キャスター二人にそれぞれ分担させて特技を持たせ、クラフトできない装備は購入する、という人が多いだろう。
 (一応、クレリックで領域を「魔術」と「植物」にすると、メイジアーマー、バークスキン、メルブズアシッドアローと、上で挙げた呪文は全て得られるので、武器防具・その他の物品を含めて、かなりの部分をカバーできる。)




○MotBのアイテムクラフト

・概要

 MotBのアイテムクラフトはOCの強化版であり、エピックレベルに相応の+6-+8強化ボーナスや、ブーツやベルト等への能力追加も可能となっている。基本的にはOCのものとよく似ているが、細部に違いがある。どちらかというと、OCよりはやや単純化されわかりやすくなっている。


 ・作業台ではなく、サフィア等の持っている「魔道士の鞄」にアイテムを入れる
 ・OCとは異なる(より強力な)エッセンスも1〜複数入れる(宝石は不要)
 ・付与者(作成特技所有者)が鞄に呪文をかける
 ・エピック付与者ならば付与の行数(印数)は4つまで
 ・武器防具以外のアイテムも付与により印数4つまで強化可能


 このうち、例えば+6以上の武器を作成するのに、特技としてPnPのような《エピック級武器防具作成》のような専用特技はNWN2では不要である。非エピックと同じただの《魔法の武器防具作成》でよい。3.5eではCR20超の最上位クリーチャーや神格には+6のDRを持つ者が多く+6以上はそれ未満とは別格であるが、MotBではそういう状況にはさほど出くわさない。

 どんなエッセンスを何個入れ、どんな呪文をかけるかの「レシピ」はOCのような本などを集める必要はなく、エッセンスを右クリックすると出る説明に最初から書いてある。
 ただし、具体的に輝く力のエッセンスいくつで強化ボーナスがいくらになるか等の値や、元素のエッセンスによる追加ダメージが何d6等になるか等は書いていない。
 例えば武器の場合、


 輝くエッセンス1個(12lv)  +2, 1d6
 輝くエッセンス2個(15lv)  +3, 2d4
 輝くエッセンス3個(18lv)  +4, 2d6
 輝くエッセンス4個(21lv)  +5, 2d8
 純粋なエッセンス1個(24lv) +6, 3d6
 純粋なエッセンス2個(27lv) +7, 4d6
 純粋なエッセンス3個(30lv) +8, 5d6


 であるが、このほか、いわゆる隠し要素(レシピ)もある。MotBのクラフトのスポイラーが欲しいところだが、NWN2wikiにもMotBのクラフトについては書いておらず、スポイラーについてはやや苦労してネット上を探すしかない。

 エッセンスはMotBではいずれもOCのものとは異なる、「不安定な(volatile)」「輝く(brilliant)」「純粋な(pristine)」という名のものが主に出て来る。このうち「不安定な」エッセンスはクラフトには使えないが、「造形師の蒸留器」の右クリック機能で8個を結合して輝くエッセンスにできる。同様に、輝くエッセンスを8個結合して純粋なエッセンスにもできる。
 MotBでは敵を倒した際(特に「精霊」の敵、エレメンタルやアンデッドが多いため)これらのエッセンスを直接、それもかなり頻繁にドロップする。
 注意すべきは、MotBのクラフトには宝石を必要としないので、(入手しにくい宝石に依存していたOCと異なり)いくつ強化できるかは「エッセンスの数のみ」に依存することである。手元に輝くエッセンスが4個あるとして、今+5の武器を作るか、もう4つ輝くエッセンスが手に入るまで待って結合させて+6の武器を作るか、むしろもう4つ手に入った時には仲間の武器も+5にした方が強いのではないか、といった決断を迫られることになる。


 特に印によって大ダメージの追加がつけられるエピック域でよく言及される点だが、「強化ボーナス」の付与は必要ないのではないかと議論されることがある。NWN2のエピック域付与の最大である4行の印を付与する場合、
(A)炎5d6, 氷5d6, 電気5d6, 強化ボーナス+8
(B)炎5d6, 氷5d6, 電気5d6, 酸5d6
 では、後者(B)に対してはグレーター・マジック・ウェポンで一時的に強化ボーナスを付与することが可能であり(呪文による一時的強化は印としては扱われず、すでに4行あるものに強化が可能)エピックレベルならボーナス+5で、ほぼ次の休息までの間の持続時間は確保される。「+8」よりも「+5と酸5d6」の方が強いのは当然である。なので、(A)のように強化ボーナスを含めるよりも、(B)のように強化ボーナスの印数でかわりに他の強化を付与した方がよいという説がある。

 これは一概にはあらゆる状況でそうだとは言えない。自分でグレーター・マジック・ウェポンが詠唱できるならともかく、常に詠唱できるコンパニオンが、かつ人数分の呪文を確保できるとは限らない。またバフが有効でない状況というのも往々にしてあり得る。さらに、高レベルモジュールによってはPnP通り、+6以上でないとDRが抜けないエピック相応の敵が頻繁に出て来るかもしれず、その場合は文字通り全く歯が立たない(が、メフィストのようによりによって敵の酸耐性が抜けており、しかも自分側がStr部分の打撃でなく手数特化のカマモンクビルドだったりするとこれも逆転したりもする)。
 が、少なくともMotBのモジュール内では、上記の強化ボーナスのかわりにバフでも対処できるというのが多くの状況にあてはまるので、特に主人公がキャスターであれば(B)を考慮してもよいだろう。








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