オベロンの子らの系図






 特にオベロンの子らの複雑な系譜については、原作の最も詳しい説明として『ユニコーンの徴』のコーウィンの説明(ティルナ・ノグスの場面の後、ガネロンに語ったくだり)を元とする。
 しばしば、ほかの巻には明らかに矛盾する説明があるが、『アンバーの九王子』など初期のものよりは後の記述を優先し、一方では後期の記述、後半シリーズなどの矛盾点は、できるだけ辻褄をあわせる見解が多く、それも付記する。

 いくつかの名前や設定は本編ではなく、Visual Guide to Amberとthe Complete Amber Sourcebookにあり、その場合付記する。日本では原作者・原著会社以外のソースに対して即「同人」という語のレッテルを貼ることがあるが(しばしばこれは誹謗中傷・毀損行為である)これらのガイドブックは原作者公認である。が、無論本編より重要性は大きく劣る。
 なお、海外にはアンバー・ダイスレスTRPG(どれかの王族の血縁としてプレイすることになっている)のプレイヤーが創作した設定を主として、しばしば本編や上の書物に拠らない系図の類が流布されているため注意を要する。




※1 オズリックとフィンドーが生まれたのは、ベネディクトより先なのか後なのかは明確でない。ゼラズニイの原書では「まずベネディクトが最年長」、この二人を同じ母の子と書かれている。生死とわず47子全員のうちの長子をベネディクトとする見解が最も有力であるが、最初の言及は「生きている兄弟のうち最年長」の意の可能性もあり、フィンドーらをベネディクトの上に置く見解もある。

※2 これは『ユニコーンの徴』の説明によるが、『アンバーの九王子』ではコーウィンと「エリック」「フローラ」「ケイン・ブレイズ・フィオナ」は母が違い、「コーウィンとランダム」が同母兄弟であるとか、明らかに矛盾する記述がある。

※3 ケインの母は明らかでない。マーリンの言及に、「ケイン・ジュリアン・ジェラードが同母」というものがあり、これに従ってリルガの子とみなすことが多いが、リルガはクラリッサより後妻であり、コーウィンの言の「ケインが継承権でコーウィンにつぎ、クラリッサの子らより上」であることと辻褄があわない。これは、ケインが庶子として生まれたがクラリッサの後にリルガが正妻となった等の辻褄あわせ(エリックがコーウィンより兄であるにも関わらず出生時庶子扱いだった等同様の、ややこしい事情が語られていないとの想像)や、または単にコーウィンとマーリンのどちらかが記憶違いをしている、ただの設定変更、等のさまざまな考察がある。The Complete Amber Sourcebookではケインをファイエラの子、The Visual Guide to Amberではリルガの子としている。

※4 後半シリーズ『アンバーの血』に、リルガの後にくるハーラという妃の名があり、直後にデルウィンとサンドの言及があるが、その子でない可能性は残る。The Visual Guide to Amberではローラという別の妃の説をとる。

※5 フローラとランダムの母の名はゼラズニイの本編中にはなく、Visual Guide to Amberとthe Complete Amber Sourcebookにある。

※6 ランダムの同母妹(つまり、14人目の主要王族といえる)ミレイユの名も本編中にはなく、Visual Guide to Amberにある。ファン間の設定(ゲームなど)では、ランダムの同母妹が正面に決して現れないのは不自然なので、ミレイユは「子供の頃に死んだ」といった設定としていることが多い。


 マーリンに対してオベロンの「パターン・ゴースト」が語ったところによると、オベロンの子(第二世代アンバライト)は47人だという。上の系図を合計してもまだ20人にすぎない。

 『アンバーの九王子』のパターン歩行の場面に、「15人兄弟で、6人が死んだ。姉妹は8人で、2人が死んだ。4人だったかもしれない。」とある。つまり、このときコーウィンが知る限りでは(あるいはこの時点での設定では)総勢は23人であり、この時点で9人の王子、4人の王女の13人が生き残り、2人の王女がコーウィンの記憶では不明である。
 死んだ6人の王子のうち、オズリックとフィンドー以外の4人は不明となる。王女の不明の二人はサンドやミレイユかもしれないし、ミレイユは死んだ二人の王女のうちかもしれない。

 生まれた順番に関しての説明は困難である。『ユニコーンの徴』で確定できるのは、
 「ベネディクト、エリック、コーウィン、デアドリ、フィオナ、ブレイズ、ルウェラ、ブランド」
 の順番で、この後は継承権の言及で「ケインがコーウィンの後」、ブランドの後に「フローラ、ジュリアン、ジェラード、ランダム」が続くが、異母兄弟姉妹であるため生まれた順番とは一致するとは限らない。非嫡出のダルト以下の子らに対しては(おそらくコーラルが47人の末子であること以外は)それ以上に明らかでない。
 なお、オベロンの妻子のデータはこの言及よりも遥かに複雑であるとのコーウィンの言がある。







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